人手不足時代にこそ、ブレない採用基準を【前半】 ~採用基準緩和の危険性~

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本記事は店長Labの転載記事です。元記事人手不足時代にこそ、ブレない採用基準を【前半】 ~採用基準緩和の危険性~

昨今の人手不足感の強まりにより「“手っ取り早く”採用したい」という声がチラホラ聞こえてきています。

その為、「求人広告枠を増やす」「時給を業界平均以上に上げる」などの手段の他に、「採用基準を下げる」という事例もあるようです。

しかし、安易な採用基準の緩和には大きなリスクをはらんでいる為、慎重に行う必要があります。

今回は、そのリスクとどのような基準を設けて面接・採用すべきか、という点について、前半・後半に分けて株式会社パーソル総合研究所 フィールドHRラボの責任者を務める日比谷勉さんに伺います。

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そもそも採用基準とは?

— 今回もよろしくお願いします。まず、日比谷さんのおっしゃる“採用基準”とは、具体的にどのようなことを示しているのでしょうか?基準と聞くと難しいものをイメージしてしまうのですが・・・

採用基準というと、一般的にはSPIや筆記テストなどの適正検査や職務経歴などをイメージされるかと思うのですが、店舗・現場に必要な採用基準は、『コンピテンシー』と呼ばれる部分です。

— コンピテンシー?あまり聞き慣れない言葉ですね。

コンピテンシーとは、 成果をもたらす行動特性 のことです。
行動特性というと難解になってしまいますので、性格や価値観と言い換えてもいいと思います。

参考URL:https://fwd-march.com/competency/meaning-case/

面接する際、もちろんシフト条件が合うか、
過去同じ業種・業態での勤務経験があるかなども確認すべきですが、
お店の求める成果を“出してくれそうか”という潜在的な部分=行動特性も見抜く必要があります。

— 少し難しい概念ですね。私がanの営業をしていた時、この言葉を聞いたことはありませんでした。「シフト条件が合って、フィット感があれば採用するよ」という採用担当者様ばかりだったような。

そうだったのですね。ただ「フィット感」というのは、あながち間違いではありません。

「うちのお店で活躍できそうか」

「既存従業員と仲良くできそうか」

「育成すれば伸びそうか」

という視点でフィット感を判別しているのであれば、それはコンピテンシーの評価と同等で、とても理にかなっています。

誤った採用が引き起こすトラブル

— 日比谷さんは店長時代から正しいフィット感やコンピテンシーを念頭に採用活動をしてこられたのですか?

いいえ。私がコンピテンシーの重要性に気づき、McDonaldで店舗向け採用面接ツールを作成したのは2004年になってからです。

店長時代は、(おそらくいまこの記事を見て頂いている皆様と同様、)かなり苦労していました。

自分の中の採用基準は「シフトが合うか」という点が大部分でしたから。
しかし、それだけで採用した方はほとんど短期間で辞めていってしまいました。
多くのトラブルを残して(笑)

例えば・・・

・お店のルールを守ってくれない
・閉店後のお店を私物化して、そこでアルコール含む飲食をしてしまう
・勝手に決められたシフト以上の勤務をしてしまう(タイムカードを勝手につける)
・モラルが低く、遅刻が多い

等です。
当時は携帯もまだない時代でしたから、店内での問題行動がSNSに投稿されて炎上するということはありませんでしたが、現代でしたら、そういったいわゆるバイトテロの発生もリスクの1つですよね。

— 不勉強で申し訳ないのですが、こういったトラブルが発生した場合、その方が退職されたら一件落着とはならないのでしょうか?

そうだといいんですけどね・・・。
こういったトラブルって本人だけの問題ではないんですよね、本当に。
「遅刻の多い人がいる」という例1つ取ってみても、
以下のように、まわりまわって売上棄損につながる大きな問題なんです。

例えば、1人が遅刻すると、

-> シフトに穴ができることによって、その他従業員に負担がかかる

-> 「なんで来ないの?」「また遅刻?」のようにイライラしながら仕事をすることになる

-> お店全体の士気が下がる、業務効率が下がる(=サービスレベルの低下)

-> お客様の列が長くなる

-> クレーム発生/「並んでるから今日はいいや」といって帰ってしまう

結果、 売上棄損 に繋がります。

併せて発生するのは、店長への不信です。
「なんであんな人採用したの?」「どうしていつまでも改善されないの?」という気持ちが溜まると、「うちの店長は信じられない」となってしまいます。

そして、「あんな人がいる職場では働きたくない」「あの店長とは働きたくない」という理由での離職にもつながります。

— 遅刻常習犯が1人いるだけで、売上棄損や従業員の離職にも影響があるなんて、考えていませんでした。バイトの遅刻と聞くと結構あるあるな、小さなトラブルかと感じましたが、想定外に影響範囲が広いですね。

その通り。1人の行動が、

<お客様に迷惑をかける>

<売上に影響する>

<社内の調和を乱す>

という3つにまで波及するんです。「たかが○○でしょ」と思って見過ごしていると、痛い目にあいます。

— 痛い目をみて、コンピテンシーを見抜く必要性に気づかれたとのことですが、全社統一の採用面接ツールを作成するところまで至った背景はどのようなものでしょうか?

ありがとうございます。店長時代にいくつかの店舗を担当しましたが、
異動するたびに「この店舗に合う人は…」と考えていくのが骨の折れる仕事だったんです。

その経験から、店舗・現場で活躍するために必要なコンピテンシーは言語化し、全社で統一することで、どの店長も正しく有無を判断できるようにするべきだと気づきました。
勘・経験・記憶ではその面接ノウハウが継承されずに、店長や現場リーダーが変わるごとに質が落ちかねません。

次回は、全社統一の採用基準をどのように設けていくべきかについて、お話ししますね。

まとめ

本日は、設けるべき採用基準・コンピテンシーについてご説明しました。
これを満たせていない方を採用してしまうと、

<お客様に迷惑をかける>

<売上に影響する>

<社内の調和を乱す>

というトラブルにつながります。

そういったことを避けるべく、次回はどのような採用基準を設けるべきか、をお届けします!

 

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