営業担当と二人三脚で人手不足を打開!「かぶら屋」のスタッフ採用を成功させた求人原稿とはいかに?
- 企業採用成功事例
東京を中心に神奈川・埼玉・静岡と続々と店舗を展開中の大衆酒場「かぶら屋」。仕事帰りにさっと寄れてリーズナブルに楽しめるのが人気となっているが、大方の例に漏れずアルバイト求人には苦労していた。特に、望むターゲット層からの応募が少ないことが悩みの種だったそうだが、その状況を見事に一転させたという。一体その成功のカギは何だったのか。株式会社フーデックス人事部 澁谷桃氏に話を聞いた。
目次
掲載企業DATA:株式会社フーデックス
本社所在地 | 東京都豊島区南池袋2-26-2 ルート南池袋ビル3F |
代表取締役 | 菅野 克弘 |
設立年月日 | 2002年3月 |
事業内容 | 大衆酒場「かぶら屋」及び「東京豚骨ラーメン 屯ちん」などの運営 |
01 応募が来ない、欲しい人材はなおさら来ない…
日本各地のみならず、上海・台湾など海外出店も展開しているフーデックスグループ。店舗業態としては「東京とんこつラーメン 屯ちん」を擁するラーメン部門と居酒屋部門に分かれ、その中でも激しい出店攻勢をかけているのが「大衆酒場 かぶら屋」。
競争の激しい居酒屋の中にあって、早い・旨い・安い・楽しいというスタンスを貫き、「やきとん」をはじめ、鮮度抜群の「モツ」とつゆなしで食べる一風変わった「黒おでん」などのこだわりメニューを安価で提供するのが特徴だ。
つまり仕事帰りの疲れたサラリーマンが気軽に立ち寄ってホッとする場所を提供するのが、かぶら屋の使命。お客様が入店すると同時に、顔なじみの明るく元気なアルバイトスタッフが「お疲れ様!」と声をかけてサッとビールを出すという流れが理想の形なのだが、そのホール業務を担うスタッフが不足していたという。
飲み物やフードメニューとともに笑顔と元気を運ぶアルバイトスタッフ。出勤日数の多いスタッフはお店の“顔”にもなることから、そうした人材を獲得するのはかぶら屋の何よりの急務だった。
「そもそも応募数が少ないというのは最近の傾向なのでもちろんなんですけど、“こんな人が欲しい”というイメージであったり、年齢や性別のような求人原稿に直接的には書けない部分を上手く原稿で表現できなくて、欲しい人材が全然応募してくれなかったのが悩みの種でしたね。あと店舗による応募数のばらつき。池袋のような大きなターミナル駅の店舗には応募が集まっても、中央線沿線などは本当に応募が少なくて・・。」
とはいえ具体的な工夫には落とし込めず、人材の確保に苦労していたという澁谷氏。
「そこで、テレビCMの印象が良くて、明るくて元気なユーザーが多いのではないかと思って目をつけたのが『an』だったんです。以前からずっと担当営業さんは月1ペースで営業にいらしてましたが、半年くらいはお話を聞くだけでした。ただそうしている間に私からも色々お話をするようになって、かぶら屋のコンセプトや欲しい人材像をしっかり理解してくれるようになって。それでこんなに親身に相談に乗ってくれるなら『an』に掲載してみてもいいかなと思い始めたんです。」
“中央線沿線で人が集まらない”“明るくて元気な人材が欲しい”、そんな要望に一つ一つ正面から応えてくれたのが印象的だったという。
「もちろん他媒体にも同じようにお話はしていたんです。ただそうした要望に対して、大方は“ではもう一個上のプランに変更しましょう”というのがほとんどで。その時に唯一、プラン変更だけではなく具体的にコミットできる提案を頂いたのが『an』の担当営業さんからでした。それで掲載に踏み切ったんです。」
02 担当営業との二人三脚で進めた求人原稿で形勢逆転
これまでは媒体ごとに掲載効果を見て、継続するか否かをスピーディに判断するのが大きな負担だったという澁谷氏。日々の業務に追われる中で、自分から動かずとも「an」担当営業の方から、「目標応募数に届かない可能性が高いので手を打ちましょう」という具体的な提案付きの連絡が来るのが非常に助かったという。
「そうなるともう私は確認するだけで良いので…。本当に助かるんです。二人三脚でやっている感覚ですよね、これって。 特にかぶら屋のようなこだわりの強い店だと、その二人三脚感ってすごく大切なんですよ。実際の求人を見て頂けるとわかりますが、“誰でも来てください”というのとはちょっと違うんです。なのでほんと、『an』の担当営業さんは貴重な存在ですね。最近は会議でも求人の話になるとまずその方の名前が出るようになったくらいで(笑)。」
かぶら屋は現在精力的な出店攻勢をかけているさなか。そうなると事業成長のためには人材をどんどん獲得していかなければならない。ところが一度の掲載で採用目標人数が達しない場合は引き続き掲載期間を伸ばすしかない。自然と掲載費用もかさんでいく。それにストップをかけたのが澁谷氏と担当営業の二人三脚で進めた『an』での求人原稿だったという。
「良い方がたくさん応募してくれたんですよ!今年の5月から8月と、8月末から10月現在にかけての応募はそれぞれ50名近い応募を頂いて、半分は女性で、若い方が多かったです。面白い誤算だったのは、男性にもたくさん応募して頂いたこと。爽やかな男子が大きな戦力になるということがわかったのも収穫でしたね。」
03 常識にとらわれないクリエイティブな原稿がカギ
他社との大きな違いは求人原稿の質だったという。
「こちらの意志を汲み取ってくれた上で、さらにかぶら屋が伝えたい雰囲気をしっかり表現してくれる力が原稿に表れていて。そういう原稿力みたいなものが素晴らしいと思いました。若い人を集めたいならこういう言い回しを使った方がいいですよというアドバイスだったり、色々なノウハウを提供してもらいましたね。 そもそも、かぶら屋というのは非常にこだわりの強い事業部でして(笑)。だいたいどこの媒体を使っても原稿修正のやりとりが非常に多いんです。そのうちに締め切りを過ぎてしまったりすることも少なくありません。」
では具体的にどんな求人原稿が、それまで困難だった希望する人材獲得を実現したのだろうか。
実際の例を見て驚かせられるのがそのポップなアプローチ。4コママンガ風のセリフ入り写真であったり、「困ってます!」「週0でも、大丈夫!」などのキャッチコピーは斬新だ。だが闇雲に奇をてらったわけではなく、もちろんこれは募集ターゲット層を意識した戦略的クリエイティブである。
明るく元気な応募者を獲得することを狙いとした、4コママンガ風に展開するポップな求人画像
人手不足に苦しんでいた中央線沿線の求人原稿では、「お願いです!助けてください!週0でも応相談」というメッセージで、店長の想いと働きやすさを訴求
「それまで人が来ないことで苦労していた中央線沿線の三鷹店の求人記事だったんですが、おかげさまで今では一番応募が多くなってしまいました。大逆転です!もちろんこうした新奇で斬新な内容は、今までだったら絶対NGだったんですけど、実績を積み重ねてくださった『an』さんならやってみようかと社内で通ったんですね。ちょっと味をしめてしまったので、今後他の店舗でも冒険してしまうかもしれません(笑)。」
採用した後もスタッフが定着してくれなければ意味がないが、そのあたりはどうなのだろうか。
「冒険した求人原稿など、色々工夫したおかげなんでしょうか。『an』で採用した方々は、かぶら屋のスピリットをわかってくれている人が多く、長く続いてお店の看板になってくださる方が多いですね。 かぶら屋が目指しているのは、お客様との距離感の近さ。だから稼働率の高い人が必要なんです。それぞれのキャラクターを輝かせて、“いつでもいてくれるな”と感じさせてくれたり、“会いに来たよ”って思わせる人材。できれば長期で働いて欲しい。その候補になる人材がたくさん集まってくれたのはうれしかったですね。 それと、かぶら屋はお客様にフレンドリーな方が多いので人材を育ててくれますね。面接の時に大人しかった子が、いつの間にか弾ける笑顔で働くようになっている。そういう姿を見るのはすごく素敵です。」
最後に「an」の営業に関して点数をつけてもらった。
「期待度を込めて85点!まだまだ色々な無茶ぶりでも斬新なクリエイティブパワーで応えてくれるんじゃないかと。甘えすぎですかね(笑)。ただそれだけ、要望を伝えれば伝えるだけ応えてくれるので、ついつい期待してしまうんですよね。」
今回の取材でわかったのは、欲しい人材を集めるためには二つの要素が必要だということ。一つは求人側のニーズをきちんと把握する理解力(それには二人三脚の当事者感覚で動ける共感力も含まれる)。そしてもう一つはターゲット層にジャストミートするためにクリエイティブな冒険も辞さない原稿力だ。この二つの車輪が同時に回転することによって初めて、目標とする“望む人材を得る”ことができる。かぶら屋はそれを見事に証明してみせてくれたのだ。
文・清水りょういち(ゲッカヨ編集室)