『アルバイトスタッフの祭典がもたらす効果とは?』 タスコシステム

  • 企業採用成功事例

掲載企業DATA:タスコシステム

設立 1988年10月
資本金  25億14百万円(2007年6月28日現在)
東京本社  〒107-0052 東京都港区赤坂1丁目9番20号第16興和ビル南館 5FTEL.03-5572-6011 FAX.03-5572-6013
札幌本社 〒060-0061 札幌市中央区南1条西2丁目5番地南1条Kビル4FTEL.011-271-3761 FAX.011-251-0434
事業内容 《ブランド開発事業》 《FC/ブランドライセンス事業》「北前そば高田屋」、「北前炙り高田屋」《ブランドサポート事業》
従業員数 220名(2007年6月末現在)

 Intro  アルバイトのモチベーションを上げるには?

アルバイトスタッフにとって、“良い職場”とは何でしょうか? また、雇用側にとっての“良い職場”とは? それぞれ望むものは違うかもしれませんが、一つ共有できる項目があるとすれば『やりがいを感じてモチベーション高く働ける職場であること』ではないでしょうか。
飲食業界など、アルバイトスタッフが直接お客様との接点になりやすい職種においては、彼らの提供するサービスが、店舗のクオリティと直結することも少なくありません。といっても、そのクオリティの高低に気づくのはお客様だけではなく、現場にいる者である場合も多いでしょう。現状の問題点の改善、新しいアイディアの提案などは、現場にいるスタッフ自ら積極的に企業に投げかけてもらうべきかもしれません。
では『働くこと=楽しい』と思える、モチベーション高く働ける職場をつくるには、どうしたらよいのでしょうか?
今回は、“アルバイト主役のイベント”を開催して、最良の職場作りを提案するタスコシステムにお話を伺いました。

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01 アルバイトが主役!『グランドアルバイトサミット』の狙いと概要

「“グラサミ”は4年前から開催しています。年に1~2回、今回で6回目となり、アルバイトの方にも、社員にも大変好評です。始めたきっかけは、店舗スタッフのやりがいとモチベーションを高めるのが狙いでした」と、人財戦略部長の岡田英樹さんは語る。

グループの約250店舗すべてが対象で、3ヶ月の期間中に一番高い成績を出した5店舗が表彰台に上がる。

「成績といっても、売り上げだけではありません。サービスや衛生管理、ミーティング、日報の共有、お客様アンケート、覆面調査(60項目に審査)など8ジャンルの分野で判定する、『格付け制度』と言う評価基準があります。この基準をクリアして選ばれた店舗を“プラチナ店舗”と呼んでおります。まずはプラチナ店舗になる事、その中からトップ5店舗のアルバイトスタッフだけが“成果報告”を壇上で発表します。時間は約15分間、これが選ばれてからイベント当日までの課題となるため、登壇店舗はシゴトが増えて大変になりますが(笑)」

自分たちが提供するサービスの質をどのように評価するか?ということを明確化し、さらに質を落とすことなく、新たな課題に取り組む。この姿勢をアルバイトスタッフに持ってもらうことも狙いだということが伺えた。

「自分たちの仕事をアルバイトスタッフに見直してもらうこともできます。決して、成績の良くない店舗を持ち上げて、ドラマ性を追求するようなものではありません。抜きんでたトップ店舗を作り上げることで、ほかの店舗がそれに追従してサービスを真似るなど、より向上しようとモチベーションを高めることが目的です」

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02 “グラサミ”開催で、誰に何が得られたか

今回も前回に引き続いて、大規模なイベントも行われる“ZeppTokyo(ゼップ東京)”が舞台でした。ライブハウスを使うということには何か意味があるのでしょうか?
「やはりその本格的なステージ自体に意味がありますね。総員数700人、選ばれたアルバイトスタッフも、選ばれた店舗を見に来ているほかのスタッフも、場所自体の迫力もあって気持ちが高まります。事実、K1グランプリも担当している特効さん(火薬などを使用した特殊効果で演出を行うスタッフ)が演出を担当しているので、とても華やかで、その壇上に上がるなんていい経験だと思えるでしょうね。ステージに上がるその瞬間は、『自分の行なってきた行動は間違いじゃなかった』と、みんなに認められる最高の瞬間となります。中には『狙って取るぞ!』と次回の開催に向けて、狙いを定める店舗も出てきます。アルバイトスタッフのモチベートはもちろん、店舗の結束にも役立っているんですよ」

「選ばれた店舗には表彰状だけでなく、クリスタルトロフィーも贈られます。また、グランプリに当たる“KINGOF TASCO”に輝いた最優秀店舗には30万円の賞金もあります。個人に対する賞もあり、今回のベストッスタッフ賞は“2泊3日の北海道ペア旅行”でした。女性スタッフが獲得して、お母さんと2人で行かれたようですが、お母さんは、娘が大きな壇上に上がって大きな賞をもらったなんて、と、泣いて感動されたようです。ほかに、ベストキッチン賞やベストDM賞など、さまざまなスタッフに対して働きを評価する賞があります。これらの副賞も表彰を目指して頑張る元になるようです」

「アルバイトスタッフがグラサミを目指すことで、店長も陰で頑張らないといけません。もちろん、その逆もあるでしょう。その相乗効果も意図するところです。また、トロフィーをお店の入口に飾る店舗も多く、お客様からそれに対して質問もあります。そして選ばれた店舗であることを知って、さらに通われるお客様も多いようです。」

「壇上での発表は、売り上げ数字の内容、サービスを向上できた理由、これからの目標宣言のほか、最大の見せ場は“活動を通じて成長したこと”にあります。ヤル気のなかったアルバイトスタッフを周りがサポートして、お客様からナンバー1のスタッフと認められた店舗もあります。アルバイトスタッフが積極的にお店の業務を改善していこうという気持ちになることで、スタッフが一丸となり、モチベーションの高い現場の醸成ができる。これが一番の成果ですね」

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03 アルバイトを主役にするイベントの理想と現状

人財戦略部長の岡田英樹さん

イベントの開催には、当然ながら予算が必要。勿論、時間も人員も不可欠となる。それでも開催するには、その負荷以上に大きな成果があるからなのだろうか?
「グラサミを1回開催するのに、準備期間がどうしても6ヶ月は必要となります。ほかの業務もこなさないといけないので大変ですね。また、開催ごとに、予算を抑えるなどの効率化も検討する必要があります。私どもはクオリティを落とさずに限られた人員(実際に運営メンバーは数名)で、このイベントを行なっています。
苦労は多いですが、タスコシステムという会社が重要視してきた『人を育てる』ことの基準を設け、実際に優秀な人材を育てるためには必要なイベントだと自負しています」

「時間的には約4時間の開催となりますが、壇上の選ばれたアルバイトスタッフを見ているほかの店舗のスタッフも盛り上がります。最終的には、高いサービスと利益を維持して、次回も壇上に上がってもらうことが私たちの願いです。“アルイバイトだから…”というモチベーションの低さは、このイベントを開催することにより、自然となくなっていくようです」

タスコシステムの企業理念は『お客様に感動を与える』こと。このアルバイトスタッフが主役のグランドアルバイトサミットというイベントを通じて、参加者みんなが『お客様に感動を与える』ことの喜びを共有できるのであれば、たとえ予算や人員の負荷をかけてでも、行うべきイベントといえるかも知れない。

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