7割の若者が希望しているアルバイトの「下見」 求職者が下見の際にチェックしたいポイントは?
- アルバイト課題(採用関連の課題以外)
昨今、ブラックバイトに関連するニュースが度々メディアで取り上げられるようになったこともあり、今の若者求職者はアルバイト選びをより慎重に行うようになってきているのではないでしょうか。そこで今回着目したのが、アルバイトに応募する前の「下見」の実態について。今回のアルバイトレポートでは、高校生、大学生、フリーターを対象にアンケートを取り、どのくらいの人が下見をしたいと考えているのか、下見の際にチェックしておきたい具体的なポイントは何かを調査しました。下見に来た人が「働いてみたい」と思う職場作りをするため、ぜひこの記事を役立ててみてください。
調査概要
【調査地域】全国(インターネットリサーチ)
【調査対象】現在アルバイトをしている
【サンプル数】1,000サンプル(うち、高校生100サンプル、大学生450サンプル、フリーター450サンプル)
【調査期間】2017年3月3日~3月6日
アルバイト選びにおける情報収集
はじめに、求職者がアルバイト選びの際に、気になる求人があれば他の手段で情報収集をするか否かについてアンケートを取りました。
その結果、気になる求人があった際に80%もの人が求人情報以外にインターネットで情報収集をしたり、知人や家族に相談すると回答しました。回答者のコメントを見ると、「実際にその職場で働いている人の口コミだけでなく、お客さん視点での評判を調べる」、「悪い噂がないか家族に相談している」といった声が挙がりました。求職者の多くは、求人情報や会社のホームページに書いてある「表向きの情報」だけでなく、悪い情報(がないか)も含めて第三者や経験者の率直な意見が聞きたいと思っていることが伺えます。このような情報収集を行いながら「就労環境に問題がないか」「自分に合ったところか」をまずはチェックしているのでしょう。
その上でさらに、実際に自分の目でアルバイト先の職場を見てみたい、すなわち下見したいと考える人はどのくらいいるのでしょうか。次章のグラフを見てください。
下見の際のチェックポイント
その結果、下見を希望する人が約70%と高い割合となり、多くの人が自分の目で見て応募前の最終確認をしたいと考えていることが分かりました。それでは、下見を希望する人はどのようなことを具体的にチェックしたいと考えているのでしょうか?具体的な下見チェックポイントについて聞きました。
一緒に働く人の人柄や仕事ぶりに高い関心
下見チェックポイントとして挙がった1位は「スタッフや店長がどんな感じの人か」となり、今回のアンケート対象者の高校生、大学生、フリーターのいずれにおいても他の項目よりも突出した割合となりました。回答者のコメントを見ると、「一緒に働く人が自分に合うタイプの人か」といった点や、「苦手な人がいないか」をチェックしたいことが分かりました。さらに、「一緒に働く人がどんな人か」という点で関連している「同世代の人がいるか」(4位)、「スタッフがいきいきと働いているか」(6位)、「スタッフのマナーや接客態度がきちんとしているか」(同率6位)に寄せられたコメントも合わせて見ていくと、下見して「一緒に働きたい相手」と「そうでない相手」の傾向が見えてきました。まとめると以下のようになります。
下見して、一緒に「働いてみたい」と思う相手の傾向
■同僚スタッフ
- 笑顔で楽しそうに働いている(作っていない自然な笑顔ならなお良い)
- スタッフ同志、仲良く協力しあって働いていている
- 接客が丁寧、真面目に仕事に向き合っている
- 気軽に話しかけられそう(同年代なら特に)
■店長
- 店長が気さく、穏やかな人柄
下見して、一緒に「働きたくない」と思う相手の傾向
■同僚スタッフ
- 高圧的、怖そう、チャラチャラしている
- マナーや接客態度が悪い
- 嫌々働いていたり、やる気が見られない
- するべき仕事があるはずなのにぼんやりしている
- 服装の乱れがある
- 客に見られていないだろうと思うところで、乱暴な言葉を使っている
■店長
- 店長がスタッフを怒鳴っている
- スタッフへの指導がいい加減
簡潔に言えば、スタッフ同志が笑顔で楽しげに仕事に臨んでいれば下見に来た求職者に大きな採用アピールになる一方で、スタッフの身なりが整っていなかったり不真面目な仕事ぶりをしていたりしたら「ここでは働きたくないな」と思われ、せっかくの採用チャンスを逃すことになるということです。特に飲食や小売のように、求職者が客として下見に行ける場合、店長や採用担当者は、求職者から「職場を品定めされている」という意識を持ち、スタッフの育成に励むことが採用の上でも重要になっているのです。
ランキングのその他の事項について軽く触れていきます。2位の「仕事内容がどんな感じか」を掘り下げると、「思っていた仕事内容と違わないか」、「体力・能力的に大変な仕事でないか」という点を気にする人が多いようです。また、3位の「忙しさはどのくらいか」については、「忙しすぎると大変だ」という声が多いものの、「暇すぎず忙しすぎず」というちょうど良いバランスであるかを気にしている人も声も見られました。5位の「どのような場所にあるところか」は、道中の混雑具合などを含めた実際の通勤時間や交通手段を把握しておきたいという声が多く見られました。
以上見てきたとおり、今の求職者の多くはアルバイト選びの際に口コミ情報などを収集するだけに留まらず、自分の目で下見をしたいと思っています。そして下見の際は、一緒に働く人やその人の仕事ぶり、仕事内容・繁忙状況など様々な点をチェックしたいということが分かりました。現場の店長や責任者は、常に求職者から「見られている」という意識を持ち、いつ・誰が下見に来ても「働いてみたい」と思われる魅力的な職場作りを目指してみてはいかがでしょうか。
下見チェックポイントフリーコメント
1位「スタッフや店長がどんな感じの人か」をチェックしたいと回答した人のフリーコメント
- 高圧的な口調の人や雰囲気が悪い人がいると続けていけない。
- ヤンキーみたいな人がいたら仕事しにくいから。
- チャラチャラした人が多いところでは馴染めないと思う。
- 最初は研修として迷惑をたくさんかけると思うので、優しそうな人がいるか見ておきたい。
- クレームが発生した際、特に店長さんがどのような対応をなさっているか、その後スタッフにどう接しているかを見ます。
- 店長が恐そうな人だったら働きにくい。
2位「仕事内容がどんな感じか」をチェックしたいと回答した人のフリーコメント
- 求人内容との相違がないか実際に見て、大まかに確認したい。
- 自分の思い描いている仕事かどうか判断する。
- 求人には詳しく載っていなかったり、載っていた仕事とプラス別の仕事もやらされることがあるから。
- 求人情報の写真や文章だけでは自分にあっている職場かどうか分からないこともあるから。
3位「忙しさはどのくらいか」をチェックしたいと回答した人のフリーコメント
- そんなに忙しすぎるところでは働きたくないから。
- あまり忙しいとついていけないから。
- アルバイトにオーバーワークを課すような場所では働けないから。
- 暇すぎるのも嫌だけど、休憩が取れないぐらい忙しいのも嫌だから。
4位「同世代の人がいるか」をチェックしたいと回答した人のフリーコメント
- 同世代の人がいた方が話しやすいから。
- 気軽に話しかけられたりできる人がいると安心する。
- 同世代がいないと1人孤立しそうだから。
5位「どのような場所にあるところか」をチェックしたいと回答した人のフリーコメント
- 通勤するうえで最寄駅からのアクセスや道中の混雑具合などは把握しておきたいから。
- 毎日通う上で交通費や最寄り駅からの所要時間、全体の所要時間は重要である為。
その他のチェックポイントフリーコメント
- 煙草がかなり苦手なので、ちゃんと分煙にされているか確認したい。
- 情報誌などには禁煙か書いてないことが多いからチェックしたい。
まとめ
- 求職者の多くは、求人情報や会社のホームページに書いてある「表向きの情報」だけでなく、悪い情報(がないか)も含めて第三者や経験者の率直な意見が聞きたいと思っている。
- スタッフ同志が笑顔で楽しげに仕事に臨んでいれば下見に来た求職者に大きな採用アピールになる一方で、スタッフの身なりが整っていなかったり不真面目な仕事ぶりをしていたりしたら「ここでは働きたくないな」と思われ、せっかくの採用チャンスを逃すことになる。
- 店長や採用担当者は、求職者から「職場を品定めされれている」という意識を持ち、スタッフの育成に励むことが採用の上でも重要。