「アルバイトが辞めない職場」はどうつくる?基本的なポイントとは

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本記事は店長Labの転載記事です。元記事「アルバイトが辞めない職場」はどうつくる?基本的なポイントとは

アルバイトの採用を出してもなかな応募がこない。せっかくアルバイトを採用できてもすぐに辞めてしまう。そしてまた採用・・・と、採用面でのお困りが多いはず。
特にアルバイトを主戦力としている飲食店などのサービス業では、アルバイトスタッフの確保と育成は事業経営の要となっています。やっと採用できたアルバイトに継続して働いてもらうにはどうすればいいのでしょう。

今回は、人手不足に打ち勝つアルバイトが辞めない職場づくりのポイントをご紹介します。

アルバイトが辞める理由とは?

大学生・パート・フリーター・Wワーク、働く目的や希望待遇も違うさまざまな人たちが非正規労働(アルバイト)で働いています。
これまでにアルバイトを辞めたことのある方を対象にしたアンケートでわかった、就業期間ごとの『アルバイト辞めた理由5つ』を多い順にまとめました。


引用:パーソルグループ・東京大学中原淳研究室「パート・アルバイト一般従業員調査/離職者調査」

上記を見ると、意外にも『時給が安い・仕事内容がつまらない』といった待遇や業務に関わると内容よりも『職場の雰囲気や人間関係が悪い』ことが上位に挙がっています。

実際にアルバイトスタッフが辞める際、本音は伝えていないはずです。店長からなぜ辞めるのか?と問われたら、必ずと言っていいほど”建前”を伝えて辞める人がほとんどで”本当の理由”を伝えて辞める人は何%いるのでしょうか。

もちろん店舗側の問題ではなく、働く側の一方的な理由で辞める場合も中にはあるでしょう。ですが、なぜアルバイトが辞めたのかをすべてを把握できなくとも店長とその上司である人事本部は、自分の店にはなにか辞めたくなる理由がどこにあるのか、その可能性を把握し未然に防ぐための対策は打たないといけませんね。

アルバイトを辞めさせないことが大切な理由

スタッフが辞めることで、どんなデメリットがあるでしょう。採用コストといった求人広告を繰返し出していると延々とかかるランニングコストはもちろん、新人が入るたびに最初から仕事を教えるための業務工数は、店長だけでなく既存のスタッフにも負ってもらうことになってしまいます。

サービス業の人手不足は顕著に

 マイナビが2020年1月に発表した【アルバイト採用活動に関する企業調査】結果によると、アルバイトの採用に関して「不足している」「とても不足している」と回答したのが70.2%を占め、7割もの企業がアルバイトの人材不足を感じていることが判明しました。


引用:株式会社マイナビ 「アルバイト採用活動に関する企業調査

その中でも「コンビニ・スーパー」は83.3%、「ホテル・旅館」では80.4%と全体の平均よりも1割程上回っており、業種別に見てもサービス業の人手不足率は年々上昇傾向にあります。

サービス業はスタッフの定着が経営において重要な軸となります。入れ替わりが多いお店よりも、長く働いている経験のあるスタッフが多くいるお店は、安定したサービスの提供ができ、顧客満足度があがることで結果的にお店の売上にも繋がります。

ベテランスタッフには普段忙しい店長の業務を一部担ってもらうことも可能です。スタッフ本人のスキルアップにも繋がりますし、やりがいが生まれる場をお店側から提供してあげることでスタッフがいきいきと働く環境となります。

つまりアルバイトを定着させることで、新規スタッフ採用・育成にかけている時間工数を他の業務に充てられ、お店全体での仕事の生産性が上がることになり店舗の業績アップにもつながります!

いままでより採用の難易度が高くなる

 企業は採用に苦戦する中、求人募集する段階で時給をあげて待遇を良くしていてもそれでもなかなか採用につながらない。近年、首都圏では時給1000円を上回るのが当たり前となっており、全国的にも時給は高騰傾向にあります。

少し前までのように時給が高いだけで職場を選ぶ人より、ブラックでない労働環境や職場の居心地の良さを重視する人が増えてきています。これはアルバイト離職理由の順位にも顕著に出ています。これからは採用することではなく、今いるスタッフを定着させることがなにより最優先事項といえます。


引用:パーソルグループ・東京大学中原淳研究室「パート・アルバイト一般従業員調査/離職者調査」

アルバイトを辞めさせないための受け入れ体制

 アルバイト離職は入社1ヶ月から半年の間までに辞める”早期離職”が圧倒的に多いといえます。この早期離職を防ぐにはしっかりとした受け入れ体制を整えているかが肝となります。初期段階での、スタッフから見たお店や一緒に働く人の印象は大事です。仮に仕事に重きを置いていない人でもこれから通う環境に快く受け入れられなければ、そこで長く仕事を続けたいとは誰も思いません。

店長が多忙だとしてもここを疎かにしてしまうとスタッフがなかなか定着せず、いつまで経っても募集、採用、退職の悪循環から抜け出せないのです。

会社やお店について知ってもらう

 アルバイトに企業概要の説明などしているところは意外と少ないのではないでしょうか。社会保険に入る必要がない人だと、お店の屋号はもちろん知っているけどフランチャイズ経営の場合は法人名すらは知らないなんてことも。

アルバイトだからといって疎かにせず、正社員と全く同じではなくともアルバイト向けの企業説明や研修資料くらいは準備しておき、入社初日や導入研修の際には会社のこと・事業のこと・スタッフのことなどを説明し後々疑問が起きないように理解してもらいましょう。”しっかりとしたスタッフ”の定着率を上げるためには、お店側も丁寧な対応で受け入れることが肝心です。

任せる仕事を説明する

 マルチに活躍してほしい、レジ専任、ホール専任、日によってポジションを変える・・などお店によっていろんな営業体系があるかと思います。これらを事前に知らせてあげることで、本人もまずはどこまでできるようになればいいのか近い目標を知ることができます。

アルバイトでも向上心が高い人は同じ仕事ばかりでなく、自分の経験のためいろんなポジションを経験したい、という方もいらっしゃいます。店長から予め希望をヒアリングして把握しておき、お店の方針と合わせて伝えてあげることで、「こういう仕事だと思っていたのに実際働いてみたら違った」などの働きはじめの”ギャップ退職”が圧倒的に減るはずです!

他メンバーの紹介

 一緒に働く人を紹介してもらうことで安心に繋がります。自分に仕事を教えてくれる人が誰なのか、困ったときは誰に相談すればいいのか?など教育係の人がいれば紹介してあげると、不要なストレスが軽減されます。新人の出勤初日には、既存のメンバーの役割や役職、担当業務、簡単なプロフィールなどを紹介してあげましょう。

職場を案内してあげる

 既存スタッフからだこそ伝え忘れが多いこととして、設備や使い方などです。

・トイレの場所や喫煙場所
・備品をしまっている倉庫
・更衣室の棚やロッカー
・無料で飲める水などの福利厚生
・休憩はどこで取っているのか

など既存スタッフや社員からすれば当たり前だと思っているものこそ、新人スタッフからするとアルバイトでも利用していいのか、自分の荷物を置いていい場所なのかなど分かりません。日常的に使用する設備は最初にひととおり案内して、少しでもストレスを感じさせないようしましょう。

具体的な業務の流れを説明する

 新人の教育でありがちなのが、その場その場で指示を出すことです。都度「これやって」という指示の出し方をしていると、業務量がみえず疲れを感じてしまいます。既存スタッフは1日の流れがわかっていても、新人スタッフは全体の流れはもちろん知りません。

せめて、

「今日の予定は、最初の2時間くらいは〇〇をやってもらって、そのあとは△△をやってもらうよ」
「午前中はこれをやって、午後からは〇〇の使い方教えるね」

など、大まかでいいので、一日の流れを先に伝えてあげましょう。そうすることで自分のキャパの中で整理しながら仕事を覚えられ、仕事を覚えるスピードアップにも繋がります。

まずはアルバイトに職場を好きになってもらう

 いざ新しく入ってくるアルバイトが初出勤!はじめは誰でも新しい環境には緊張や不安があります。
どんな人が働いてるんだろう。教えてくれる人は怖くないかな、長く働けそうな職場かな。などあらゆる感情を持って出勤するでしょう。そんなとき「職場が歓迎している」という雰囲気づくりが大事といえます。まずはお店のことを好きになってもらうにはお店側からの歩み寄りが必須といえます。

初日のウェルカムイベントを開催する

 イベントといっても大掛かりなことはしなくて大丈夫。例えばお店のバックヤードのホワイトボードなどに、スタッフや店長からの『〇〇さん!ようこそ!これから一緒に頑張りましょうね!』などの一言コメントを書いておく。また朝礼があるお店であれば店長から紹介してあげる、などでも十分です。
” 歓迎ムード ” があるだけで「溶け込みやすそうな職場だな」と思ってもらうことができます。

関係性を周囲のメンバーと構築する

 皆が皆、コミュニケーション能力がある人とは限りません。その日入ってるスタッフを店長から紹介し、はじめに”話しやすい空気感”を作ってあげましょう。その気配りだけでも、無意識にスタッフの緊張をほぐしてあげています。

また職場を好きになってもらうポイントとして、やはり自分と近いと感じる人が働いてるかで職場への馴染みやすさが大きく変わってきます。同じ年齢の人、似たような境遇の人、性格やキャラが同じタイプの人。店長が予め既存スタッフに「今日〇〇さんっていう新しいバイトの人が入ってくるから話してあげてね」と事前に気を回してあげるだけで、既存スタッフも自分が介入すべきなのか店長に任せていいのか判断でき、気にかけやすい状況が作れます。

ありがとうを意図的に伝える

 特に新人のときはコミュニケーションも含めて、”あなたが働いてくれてお店が助かっている”という感謝の意を示しましょう。特に初日は、業務を覚えることも然り気疲れもたくさんあります。

就業後でも「お疲れさま」といっしょに「今日働いてみてどうだった?」や「わからないこととか聞きたいことはない?」などと声をかけてあげましょう。またどんな些細なことでもいいので褒めることが大事です。

「仕事の飲み込み早いね〜!教えるの助かるなぁ」「メモしっかり取ってて偉いね」、仮にミスをしたとしても「最初は誰でもよくあるよ。気にしないで徐々に覚えていこう」など、”スタッフの目線に立って”声をかけてあげることが大事です。店長や既存スタッフの”当たり前”でも、新人スタッフにとっては一苦労なのです。

もし褒めることが些細なことでも思い浮かばないのであれば、それは新人スタッフのことをきちんと見てあげれてないのかもしれません。

これは初日や新人スタッフだけでなく、長く定着してもらう為にはどのスタッフにも日常的に感謝の言葉はきちんと伝え、日々コミュニケーションは取りましょう。

まとめ:「アルバイトが辞めない職場」はどうつくる?

 早期離職に関してはしっかりと教育を行うことが大切であり、ある程度経験を積んだアルバイトには、やりがいやステップアップ感を提供することが効果的です。アルバイトが辞めない職場は、現場のスタッフ皆がいきいきと働いており、必然的にお店全体の生産性も高くなります。

たくさんの大手チェーン店の中で、アルバイトが辞めていく店舗とそうでない店舗とにわかれます。その違いは、圧倒的に店長がしっかりと教育しマネジメントをしている店舗か、そうでない店舗かがほとんどです。『店長』にばかり注視してきましたが、そもそも店長だけの責任ではありません。本来は店長をマネジメントしている本部や人事・SVのマネジメントも重要です。

今やアルバイトで働く人は若者や主婦層だけではなく、すでに人手不足の対策として65歳以上のシニア層の雇用や、首都圏であれば外国人労働者も増え、店長や経営者はさまざまな状況のスタッフをマネジメントしていく機会が著しく増えるでしょう。

これまでのように、企業は辞めたらまた採用すればいいという考えから早急に脱却し、”アルバイトが辞めない職場作りができる店長の育成”を最重要経営課題としてすぐにでも実施してみてはいかがでしょうか。

 

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