【店長必見】クレーム対応の基本ステップ&クレーマータイプごとの対応

  • コミュニケーション・人間関係

 

とくに接客業では、発生が避けられないクレーム対応。さらに店長や職場の責任者などであれば、アルバイトから引き継いだり、クレーム対応について周知したりすることもあるでしょう。そのような場面で役立つ対応の基本ステップからNG行動、クレーマーのタイプ別の対応方法を解説します!

クレームの基本対応方法・例文

店長や責任者が行うべきクレーム対応には基本対応手順があります。あらゆるクレームに汎用性が高く、店長などお店の責任者が意識するべき点を5つご紹介します。

1. お客様の話を聞く
2. お詫びの言葉を述べる
3. 好印象を与える表現を心掛ける
4. お客様の要求内容をくみ取る
5. はじめにクレーム対応をしたアルバイトなどのフォロー

 

1. お客様の話を聞く
クレームを入れるお客様がまず望むことは、「話を聞いてもらうこと」。そのためには、お客様の話を丁寧に聞くことが必要です。話を聞いているときは「お客様のお話をちゃんと聞いていますよ」というサインを送ると、お客様は安心して自分の要望を話すことができます。

具体的な方法は、お客様のお話をフィードバックしながら返答をする方法があります。

 例文)
お客様「さっきここで料理を買ったのだけど、注文した商品が入ってなかったよ」
店長 「注文した商品が入っていなかったのですね。大変申し訳ございません」
お客様「子どもが楽しみに待っているのに、ガッカリさせちゃうところだったよ」
店長 「それは、お子さまが楽しみにしていたのに、大変失礼いたしました。」
お客様「ここで待っているから、注文した料理を持ってきてね」

 

このようにお客様の言葉を復唱(フィードバック)することによって、「話を聞いてくれている」と安心感を与えることができます。

2. お詫びの言葉を述べる
クレームを受けたときに、仮にお客様に非があった場合でも「お客様が不満に思った」という事実は存在します。クレームを受けたときは、まずお客様を不快にさせてしまったことに対して、必ず謝罪をしましょう。

ただし、クレームの内容を把握しないまま全面的に謝罪をしてはいけません。無責任な謝罪をすることで、お店の立場が悪くなり、後から別のトラブルに発展する可能性があります。

 例文)
お客様「酷い対応をされたのだけど、このお店はちゃんとスタッフを教育しているの?」
店長 「お客様を不快な気持ちにさせてしまい、申し訳ございません」

例文のお客様のセリフだけでは、本当にこちらに非があるのかはわかりません。しかし、お客様を不快な感情にさせてしまったことを最初に謝罪し、続けてお客様のクレーム内容に耳を傾けましょう。

3. 好印象を与える表現を心掛ける
クレームを入れるお客様はすでに何かしらの不安を持っている方がほとんどです。クレーム対応にはお客様を刺激しないよう、「クッション言葉」を必ず使いましょう。また、否定的な表現を使用することは避け、肯定的な表現を使うようにしましょう。

 ※クッション言葉とは
「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」など、話の内容に入る前に添えて使用する言葉

 

 例文)
お客様「まだ21時だけど、急いでこの店に来たのに中に入れてくれないの?」
店長 「恐れ入りますが、当店の営業時間は20時まででございます。
せっかくお越し頂いたのに、申し訳ありません。」

 

「閉店しているから入れません」と伝えると、否定的な表現でお客様を不快にさせてしまうかもしれません。例文のようにクッション言葉と肯定表現を使用することで、会話がやわらかい印象になります。

4. お客様の要求内容をくみ取る
クレーム対応は、お客様の求めていることは何かをくみ取ることが重要です。そのために、お客様が何を不満に思ったのか、どうして欲しいのかを丁寧に聞き出して、要求内容を洗い出します。もしクレームが終息しないようであれば、対応できる範囲の解決策を提示しましょう。

5. はじめにクレーム対応をしたアルバイトなどのフォロー
従業員が多い店舗であればあるほど、はじめにクレーム対応をするのが店長や責任者とは限りません。アルバイトがはじめにクレーム対応を行った場合はフォローが必須です。クレームが発生した原因がアルバイトにない場合はもちろん、ある場合においても、頭ごなしに叱ってはいけません。状況を丁寧にヒアリングし、再発を防止するための対策を一緒に検討しましょう。

クレーム対応でのNG行動4つ

クレーム対応には、とくに注意しなくてはならない行動が4つあります。アルバイトをはじめ、日頃から他の社員にも周知しましょう。

1. 話を途中で遮る
2. 相手を否定する
3. 憶測で話す
4. 相手を待たせる

 

1. 話を途中で遮る
クレームを入れるお客様は「自分の話を聞いてもらいたい」と思っています。ですから、お客様の話を遮ってしまうと「このお店は自分の話を聞くつもりがない」と判断され、余計に不快な思いにさせてしまいます。もし途中で解決策が思いついたとしても、お客様がクレームを言い終わるまで待ちましょう。

 

2. 相手を否定する
お客様の言い分を真っ向から否定してしまうとストレスを与えてしまいます。感情が高ぶると、冷静に話し合うことができなくなる可能性もあるので注意が必要です。お客様の話は最後まで聞き、解決法を提案するなどをして対応します。その際は、肯定的な言葉を使い、否定的な印象が薄くなるように話しましょう。

 

3. 憶測で話す
クレーム対応時に無責任に憶測で話すことは危険です。お客様の要望と見当違いのことをしたり、対処できると言ったことが対処できなかったりすると、また別の大きなクレームにつながってしまうことがあります。お客さまの要望はしっかり確認を取り、お店で対処できるかわからない場合は本部に相談しましょう。

 

4. 相手を待たせる
クレーム対応は迅速に動く必要があります。不満を持たせたままお客様を待たせてしまうと、さらに憤慨させてしまうからです。すぐに対処できない場合は、いつ対応できるかを明確に伝えて、「この時間には対応してくれる」と安心させてあげましょう。

悪質なクレーマー4タイプそれぞれの対応方法

クレーマーの中には、お店で対応できない筋違いな要望をする人もいます。そんな悪質なクレーマーの代表的なタイプをと、それぞれの対応方法を説明します。

1. 聞く耳を持たないクレーマー
2. 自身の考えを押しつけるクレーマー
3. 脅迫・犯罪につながるクレーマー
4. 要求がないクレーマー

 

1. 聞く耳を持たないクレーマー
声を荒げて怒りをまき散らしたり、お店のルールに理解を示す気がなかったりするクレーマーです。「自分は客だから」となんでも要望が通ると考えている人などは、この傾向があります。

聞く耳を持たないクレーマーの対応方法
まずは謙虚にお客様の話を聞き、不満を吐き出させましょう。一度不満を言い終わると、お客様も冷静になって話を聞いてもらいやすくなります。お客様の立場を尊重し、感謝と謝罪の言葉を強調して丁寧に対応しましょう。

 

2. 自身の考えを押しつけるクレーマー
自分自身に確固たる考えを持っており、その考えと食い違うことがあると納得いくまで説明を求めるタイプのクレーマーです。理論的でチェックが細かく、当初の要望とは別の観点の話をされて、対応が長引いてしまうことがあります。

自身の考えを押しつけるクレーマーの対応方法
「お客様の話を理解した」と相手に伝えることが必要です。ご迷惑をかけた点を謝罪し、アドバイスを頂いたことは感謝をしましょう。そのうえで、まずは結論から明確に説明して、お店ができること、できないことをはっきり説明しましょう。

 

3. 脅迫・犯罪につながるクレーマー
相手を脅して自分の要望を叶えてもらおうとするクレーマーです。怒りで血が上り、法律や常軌を逸した対処を求めてくる場合があります。

脅迫・犯罪につながるクレーマーの対応方法
お客様に「あなたがやっていることは法律違反ですよ」と伝えることで、冷静な話し合いに戻れることもあります。しかし収拾がつかない、脅迫罪、強要罪、恐喝罪などに問われる悪質なクレームは警察に相談して、法的な対処をしましょう。

 

4. 要求がないクレーマー
お店にどうしてほしいか具体的な要求がなく、解決策を提案してもなかなか納得してくれないタイプのクレーマーです。何を行うべきかわかりづらく、対応が難しいです。

要求がないクレーマーの対応方法
こちらの解決案の具体的な理由やメリットを説明しましょう。曖昧な表現を使ったり、会話が長引いたりすると、決断に時間がかかってしまいます。結論から説明し、その理由やメリットをテンポ良く話すようにしましょう。

 

クレームの対応方法を理解し、被害を最小限に抑えましょう!

クレームの対応で重要なことは、クレームの内容・状況の理解、相手の心情をくみ取ること、迅速な対応です。しかし、言葉や行動に気をつけないと、かえって相手の感情を逆なでしてしまうので慎重に対応しましょう。

どんなクレームにどのような対処が必要かを把握することで、さまざまなシチュエーションに対応できるようになります。また、発言が支離滅裂なクレーマーや、憂さ晴らしがしたいだけのクレーマーに対しては、アルバイトなど店員一人に背負わせず組織全体で対応することが必要です。

 

「アルバイトレポート」に掲載されている記事・図表の著作権は、全てパーソルプロセス&テクノロジー株式会社または正当な権利を有した第三者に帰属しています。
当該著作物を利用する場合には、出所の記載をお願いします。

[出典記載例] 出典:求人情報サービス アルバイトレポートより(該当記事URL)

また、編集・加工等をして利用する場合には、上記出所に加え、編集・加工等を行ったことをご記載ください。
WEBサイトに掲載される場合はこちらからお問い合わせください

ページトップへ

★こちらもご覧ください★

おすすめの記事