初バイト学生を定着させる“4つのポイント”!
- コミュニケーション・人間関係
夏はアルバイトを始める若者が多い季節。始めたのはいいけれど、すぐに「つらい」「きつい」と言って辞めていく若者アルバイト達に「雇用したのになかなか定着しない」と嘆く店長様も多いのではないでしょうか?
「an」では、若者の意識と雇用者側の意識を徹底調査。そこから導き出された4つのポイントとは?
初めてアルバイトをする若者が、一番重視するポイントとは?
全国の学生アルバイトに対して行った「初めてのアルバイトで一番重視するポイントは?」というアンケートにおいて一番多かったのが、「家や学校から通いやすい」(38.5%)、続いて「自分にもできそう」(30.5%)という結果になりました。(図1参照)
学業との両立が基本にあり、そのうえで初めてでもできる仕事である、という点を重視しているということが、回答からも分かります。そして興味深いのが、初めてのアルバイトにおいて重視しているポイントとしては、無理をせず長く続けられる環境を選んでいるという点です。長く働くことを望んでいるのにも関わらず、アルバイト初心者が「続かない」「辞めたい」と思い、雇用者側が「定着しない」と嘆く現状はどうして起こるのでしょうか?
図1
初めてアルバイトをする若者が直面する理想と現実
初めてのアルバイトにおいて一番戸惑ったことを聞いたところ、「いきなりたくさんのことを覚えさせられる」や「教えてもらえず、何をして良いか分からない」といった指導上の問題点が半数以上(64.5%)を占める結果となっており、どうやらこういった点において、なかなか定着しない現状が起きているようです。(図2参照)
また、若者アルバイト側と雇用側へ行った「理想のアルバイトマネジメント」についても、若者側は「楽しく仕事をさせてくれる上司」を理想とし、雇用者側は「やる気にさせ、成長させる上司」を理想としており、雇用者側が考える理想と若者アルバイト側が考える理想の形にもズレがあることが分かりました。
雇用者側はアルバイトに対する期待が高まり、どうしても早く仕事を覚えさせよう、もっとたくさんのことを教えたい、といった思いから“つめこみ指導”をしたり、現場の忙しさから“放置”してしまったりしがちです。
しかしアルバイト初心者にとって重要なのは、「仕事の楽しさ」をもっと知ってもらう工夫や「頼りにしているよ」「ありがとう、助かったよ」などといったこまめなコミュニケーションをとっていくことのほうが有効なようです*。
図2
若者アルバイトの定着率を上げるマネジメント方法とは?
では具体的に初心者アルバイトを定着させる為には、どのようにマネジメントするのが良いのでしょうか?以下アンケート結果(図3参照)にあるように若者が理想とするアルバイト先の店長・上司とは「仕事ができる」ことはもちろんですが、「いざという時にフォロー・責任をとってくれる」「えこひいきをしない」「スタッフが楽しく働ける雰囲気づくりをする」などが、「きっちり指導・注意する」ことを上回っています。マネジメント=管理のことを意味しますが、管理することとは指導・注意することだけではなく、アルバイトを“フォローする、ケアすること”も重要なマネジメントの一部だと認識することが重要なようです。
実際の職場コミュニケーションにおけるアルバイト側の意見として「態度・言葉遣いが怖い」「相談できない・意見が言えない」などといった意見や、アルバイト側が最も重視しているポイントであるシフトに関しても、「シフトの希望がなかなか通らない」など雇用者側が「シフトの融通性」に対して、あまり重要視してくれないといった意見も出ており、こういった点においてもアルバイト側と雇用者側の考え方のギャップが見られました。
初めてアルバイトをする若者の定着率を上げるには、こういった雇用者側とアルバイト側の意識や考え方のギャップをなくし、普段からきめ細やかな指導を心がけ、こまめなコミュニケーションをとることにより解消していく必要があるようです。特にアルバイト初心者においては業務上の「分からない」不安だけでなく、先輩や指導者への「相談できない・意見が言えない」といった心理面での不安、この両方を取り除き、職場として楽しく働きやすい環境を作ることが最も重要なポイントになりそうです。
まとめ
●アルバイト初心者には、まずは仕事の楽しさを知ってもらうことを意識し、若者アルバイトが「自分でもできそう!」と思えるような簡単な業務から任せる
●指導に熱心になりすぎて業務をつめ込み過ぎたり、忙しさからフォローやケアを怠ってはいけない
●「ありがとう」「助かったよ」など、こまめなコミュニケーションをとることにより、「相談しづらい」「意見が言いにくい」といった心理面でのストレスを溜めさせない
●シフト調整に関してはきちんと希望聞き、説明をする機会を設けるなど、しっかりとした対応を心掛ける
雇用者側と若者アルバイト側とのギャップを理解することで「なんで定着しないのか?」といった疑問を解消できるヒントになったのではないでしょうか。日頃からこまめにコミュニケーションをとり、指導上とメンタル面どちらもフォローし、ケアをするマネジメント体制を心掛け、アルバイト初心者を長期雇用へとつなげる職場環境を目指しましょう。