求職者が飲食店バイトの「まかない」について知りたい3つのポイント ~まかないを採用のアピールポイントにするには?~

  • 求職者動向

 

飲食店で働くスタッフしか食べることのできないそのお店の「まかない」は、多くの人が一度は食べてみたいと思う特別なものではないでしょうか。今回のアルバイトレポートでは、そんなまかないを「採用に活かすことができるのか」をテーマに、高校生・大学生・フリーターに対しアンケートを実施。飲食店のアルバイトおいて「まかない」が採用に役立つか、また、どのような点を求人原稿や面接でアピールしたら良いかについて調べ、結果をまとめました。そして、まかないがもたらすメリットとは?飲食店の採用担当者の方はこの記事を是非参考にしてください。

調査概要

【調査地域】全国(インターネットリサーチ)
【調査対象】現在アルバイトをしている
【サンプル数】1,000サンプル(うち、高校生100サンプル、大学生450サンプル、フリーター450サンプル)
【調査期間】2017年3月3日~3月6日

まかないは飲食店アルバイト選びのポイントのひとつ

求職者のアルバイト選びの重視ポイントと言えば、「シフトの融通」、「通いやすさ」「給与の高さ」といった点が挙げられることが多いものですが、「飲食店」でアルバイトをする場合、「まかないの有無」は重視ポイントになっているのでしょうか。現在アルバイトに従事する若者にアンケートをとって調べてみました。

その結果、全体では65%の人がまかないの有無が飲食店のアルバイト選びのポイントのひとつになると回答しました。回答者のコメントを見ると、「食費を節約できるから」という理由が最も多く、他には「美味しいものが食べられるから」、「まかないがあるなら長時間働けるから」「閉店後に帰宅して夕飯を食べると24時ごろになってしまうので早く食べられるにこしたことはない」といった意見が見られました。

属性ごとに見ると、若年層ほどまかないがアルバイト選びのポイントになる割合が高い傾向が見られました。最も高い割合を示したのが高校生で76%。アルバイトで得る収入が他の属性よりも少ない高校生にとっては(今年の調査では月収約3万9千円)、食費を浮かすことのできるまかないは大きなメリットになるようです。大学生全体では68%となり高校生よりはやや低い割合であるものの、「1人暮らし」をしている大学生に限った場合では80%と高い割合を示しました。1人暮らしをしている大学生のコメントを見ると「普段の生活では満腹にならないことも度々あるし、外食する費用も持っていないのでまかないはとても助かる」「1人では食事のバランスが偏ってしまう」といったように、まかないの食事を貴重な栄養源として期待している人も見られました。

ここから、まかないは特に若年層における飲食店のアルバイト選びにおいて重視ポイントのひとつになっており、採用上のアピールポイントにもなると言えるでしょう。では、まかないのどのような点をアピールすべきなのでしょうか?そのためにも、求職者がまかないに対して知りたがっていることを理解することが重要です。次章で詳しく見ていきましょう。

求職者がまかないについて知りたい3つのポイント

続いて、若者求職者が飲食店でアルバイトを始めたいと思った場合、まかないに対してどのようなことが知りたいかアンケートを取りました。以下のランキングからポイントを3つに分類しましたので、求人原稿や面接での「まかないアピールポイント」が何かを探るヒントにしてください。

1.無料なのか・いくらかかるのか?

アンケートの結果、まかないの「料金」に関心がある人が65%となり、他の項目を引き離し圧倒的1位となりました。回答者のコメントを見ると、「無料でなければ意味がない」といった声や、「自分で用意した方が安くなるのであればまかないは必要ない」といった声が目立ちました。それでは、アルバイト就業者は、一食分のまかないに対して払えると考える金額はいくらなのでしょうか?下のグラフを見てみましょう。

すると、最も多いゾーンは「0円(無料)」で31%となりました。属性別にみると、一人暮らしのフリーターで「0円(無料)」を選んだ人の割合がやや高め(40%)となりましたが、生活のために少しでも節約したいためだと考えられます。0円を含め、300円までのゾーンで85%と大部分を占めており、400円以上のまかないにはあまりニーズがないと言えるでしょう。無料のまかないであればもちろんアピールポイントになりますが、例えば200円のまかないでも過半数の人のニーズをカバーできる料金となりますので、求人原稿にも記載しておく価値はあると考えられます。

2.まかないのメニューや内容はどうなのか

知りたいことの2位にランクインした、まかないの「メニュー」について回答者のコメントを見ると、「食べたいものがあるか」や「嫌いなものがないか」という声が多く見られました。この他、「オリジナルメニューなのか、毎回違うメニューを楽しめるのかなど、飽きない工夫がされているか気になる」という声や、「脂っこいものでないかや、栄養バランスがとれているかが気になる」といった声が挙がりました。5位にランクインした「自分の希望が言えるのか」では、好き嫌いにあったものが「選べるか」どうかや、自分に合った「量」にできるかどうか、「食物アレルギー」に配慮してもらえるのかどうかが関心事であることが分かりました。総じて、個人個人のニーズに対応したまかないが求められていると言えるでしょう。

3.まかないを食べる上での細かなルールは何か

3位の「断ることはできるのか」については、「一切まかないが要らない」という訳ではなく、ケースバイケースで断れるかが気になるという意味合いです。アンケート対象者の中で実際にまかないと食べたことのある人に聞くと、約半数が「まかないを断りたいと思ったことがある」と回答しています。具体的なシーンとして、アルバイトが終わったら早く帰りたい時や、おなかが減っていない時、体調が悪い時などが挙げられます。「食べたい時に申し出れるようなものが良い」という声もありました。

4位の「毎回のシフトで食べられるのか」と7位の「何時にまかないが食べられるのか」については、まかないを食べられる「シフト」や「条件」に対する疑問です。回答者のコメントを見ると、「何時間以上のシフトじゃないとダメとか決まっているところがあるから」「シフトで食べられない時間があるのは嫌だ」といった声が見られました。

できれば、入社前にこのようなルールについてはすり合わせておきたいですが、こういった点は求職者側から聞きにくいものです。面接の際に採用側から細かなルールについて説明しておくことが重要ではないでしょうか。

以上のように、まかないに対して様々な疑問やニーズが見えた結果となりました。これらの点を踏まえ、好きなまかないを選べたり、量を調整できたり、断りたい時に気軽に申告できたりといったように、ニーズに応じて柔軟にまかないを提供できれば、ワンランク上のまかないとして採用の大きなアピールポイントになると言えます。是非、自店で提供しているまかないを振り返っていただき、求職者のこれらのニーズを取り入れることができないか、検討してみてください。

<参考フリーコメント>まかないが仕事にもたらす好影響とは

それでは最後に、「まかないが仕事にもたらす影響」として挙げられたコメントを4つにまとめてご紹介します。

1.お客さんに料理を説明しやすくなる

  • 自店で提供している料理がどんな味なのか、身をもって体験することで、味の説明などが的確にできる。
  • 新商品のまかないが思ったよりも辛かったので、子供が頼んだりする際に一声かけられるなと思った。
  • お店の味を知れてお客さんに伝えやすくなるし、お客さんの気持ちに立てて考えることができる。
  • 店の食材の知識や味の勉強になり、お客様にも伝えやすい。
  • 自分のお店の料理を自信持って勧められる。
  • 食べたまかないの料理の事について、お客さんにどんな味かを聞かれた事があってちゃんと答えられたので、嬉しかった。

2.アルバイトを続けるモチベーションになる

  • バイトが多少つらくてもおいしいまかないが食べられると思うと励みになる。
  • 感謝の気持ちが出るので仕事も頑張ろうという気になる。
  • 転職を考えたとしても、まかないが美味しいから辞めるのを踏みとどまると思います。
  • 今回は何が食べられるのだろう、というのが非常に楽しみになる。また、お金がない時にはシフトを増やして、ご飯を食べられる。
  • お店で出しているものではなく、スタッフしか食べられないメニューなら特にモチベーションに繋がると思う。

3.皆で食べるとコミュニケーションの場になる

  • 社員とバイトの、バイト同士のコミュニケーションの場になる。
  • まかないを食べるとき他の人と一緒になれば会話ができてコミュニケーションがとれる。
  • 仕事が大変でも色々話ししながら皆で食べるのはすごく楽しかった。
  • 喫茶店でしたが、オープン前にみんなでモーニング(サンドウィッチ)を食べるのが楽しみでした。
  • ホルモン店で働いていたんですが、営業後にバイトの仲間と無料で七輪を使って焼きながら美味しいお肉を食べられたことが嬉しかったです。

4.スタッフ同士の絆が深まる

  • 店長が気を使って、おいしいおじやを作ってくれたこともありました。冬の寒い日に、温かいおじやは沁みました。
  • キッチンの人がご飯の上にニコちゃん描いてくれたりして、バイトの疲れが癒された。
  • オムライスに名前を書いてくれたのは嬉しかった。
  • すごく忙しくて辛かった時に、「好きなものなんでも作ってあげる」と言ってもらった。
  • 帰りが遅くなり持ち帰るのに天ぷらを詰めて天丼を作ってくれたこと。料理人の人も忙しくて帰りが遅くなるはずなのに作ってくれて嬉しかった。
  • 誕生日に特別なまかないを出してもらって嬉しかった。

まとめ

  • 飲食店のアルバイトをしたいと思う若年層にとって、まかないの有無は重視ポイントのひとつ。特に高校生と、1人暮らしをしている大学生ではまかないを重視している人が多い。
  • 求職者がまかないに対して知りたいと思っているのは、料金のみならず、好みに応じたメニューや量の調整が可能かという点や、不要な時に断れるかといった柔軟な対応が可能かといった点。柔軟にまかないを提供できれば採用の大きなアピールポイントになる

 

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