求職中の人々の意識を徹底調査! 前編 仕事探しの「きっかけ」と「期間」って?
- 求職者動向
今回のトレンドDATAでは、前編・後編に分けて、現在求職中の人々がどのような意識を持っているのかを調査する。前編では、仕事探しを始めたきっかけと、仕事を見つけるまでにどれくらいの期間を想定しているのかをレポート。
求職者たちがアルバイトに求めることや求職活動にかける時間をしっかり把握し、これからの採用活動に役立ててほしい。
今月のポイント
- アルバイトを探すきっかけは、生活費や貯金のためが最も多い
- 学生は趣味や交際費のため、主婦は時間を有効活用するためという理由も多い
- 約7割の人が1ヶ月以内に仕事を見つけたいと思っており、学生においては半数以上が2週間以内に見つけたいと思っている
調査概要
- 調査名:求職者調査
- 調査期間:2012年12月8日~11日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:現在アルバイト・パートの求職活動をしている全国の15~34歳の男女
- サンプル数:841 ※学生は、短大・専門・大学・大学院生を含む
1.仕事探しのきっかけ
読み取れるポイント
<全体>
生活費や貯金のために働き始める人が最も多い
<学生>
貯金や趣味、交際費に使うお金を稼ごうという傾向が強い。また、「人間関係を変えたかったので」という理由も多い
<主婦>
まずは生活費・貯金のためという人が多い。「時間を有効に使いたかったので」の割合が学生・フリーターに比べて高い
<フリーター>
「もっとよい条件の仕事に就きたかった」「仕事の内容に不満があった」の割合が高い
それぞれの属性で、アルバイトに対する意識が微妙に異なる
学生は実家暮らしだったり親からの仕送りがあったりするものの、サークル・部活動の費用や友だちとの食事・飲み会などでお金がかかるのにくわえ、旅行や就職活動に備えての貯金も必要なため、アルバイトを始める人が多い。また、人間関係を変えるために新しい職場を探す人も多く、アルバイトをすることで新たな仲間との繋がりを構築したいという意識も強い。
主婦においては、生活費・貯金のためというのが仕事探しのきっかけとして上位にあがっており、家計を助けるためにアルバイトやパートをする人が多いようだ。また、空き時間を有効に活用したいという理由をあげている人も多数いる。生活スタイルに合わせてシフトを組めるようにするなど、柔軟な対応をとることで、人材が確保しやすくなり、長期間働いてもらいやすい職場となるだろう。
一方でフリーターは、家事がある主婦、学業やサークルがある学生とは異なり、仕事を変える際の制約が少ない。そのため、今より良い仕事があれば移ろうという意識が強いようなので、ステップアップしていける制度を設けたり、一人がいろんな仕事内容に挑戦できるように工夫するなど、「魅力的な職場」であり続けられるようにケアを行っていくと良いだろう。
2.仕事探しの期間
読み取れるポイント
<全体>
どの属性でも約7割が1ヶ月以内に仕事を見つけたいと思っている。6ヶ月以上かけたいという人はほとんどいない
<学生>
主婦やフリーターよりも短い期間で探す傾向があり、半数以上が2週間以内を希望している
<主婦・フリーター>
「1ヶ月以内」が約2~3割と多く、フリーターは1ヶ月以上かかってもよい人(「特に希望はない」を含む)が3割以上
採用したい時期から逆算して求人の掲載期間を
全属性を総合して見た場合、6ヶ月以上かけて求職活動をする人はまれなことから、求人を始めるのは一般的に採用したい時期から1~3ヶ月前が良いだろう。ただし、主婦やフリーターだけに絞って見ると、じっくり時間をかけて職場を選ぶ人も多いため、求人掲載期間を比較的しっかり確保して採用活動を行いたい。
また、学生は半数以上が2週間以内に決めたいと思っているため、応募や面接を経てから、「採用するかどうか」の決断を躊躇していると他の職場に採用されてしまうという事態が起こりやすいと思われる。学生には特に応募への返事を迅速に行うよう心がけるなど、早めの行動で採用につなげたい。