アルバイトで働く人々の実態を徹底解剖! [前編] 現在の「職種」「時給」「勤務時間」は?
- 求職者動向
今回のトレンドDATAでは、前編・後編にわたり、アルバイトで働く人々の実態に迫る。前編では、「学生」「主婦」「フリーター」といった属性別に、職種や時給などの働く環境をレポート。新年度がはじまり、人材を確保する絶好の機会であるこの時期。アルバイトで働く人々の特性・動向をしっかり把握し、求人活動に役立ててほしい。
※内容は更新月現在のものです。
今月のポイント
学生は週2~3日、「フード」や「講師」のバイトで効率的に稼ぐ
フリーターは週5日の長期間労働をしている人が多い
主婦の勤務時間・時間はさまざまだが、「事務・入力・受付」などの軽労働が多い
調査概要
- 調査名:求職者調査
- 調査期間:2012年12月8日~11日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:現在アルバイト・パートの求職活動をしている全国の15~34歳の男女
- サンプル数:495 ※学生は、短大・専門・大学・大学院生を含む
1 現在ついている仕事の種類
読み取れるポイント
- 学生は居酒屋店員などの「フード」と「講師・インストラクター」が20%を超えて最も多く、次いで多いのが「コンビニスタッフ・その他販売」の14.5%
- 主婦は「事務・入力・受付」が26.8%と最多。「医療・福祉・介護」や「フード」、「コンビニスタッフ・その他販売」も15%前後と多い
- フリーターは突出して多い職種はないが、「フード」や「コンビニスタッフ・その他販売」、「軽作業・ライン
スタッフ」などが多い
学習塾での「個別指導」の需要が高まる
以前に行なった座談会では「大学生のアルバイトというと、フードのイメージだった」(大学2年生・女性)という意見もあったほど、学生のアルバイトは従来から「フード」が多い。しかし、業績が好調な学習塾・予備校業界で個別指導のニーズが増加していることから、「講師・インストラクター」の需要も急速に高まっていると思われ、近年では「フード」とほぼ同程度まで伸びている。
2 現在の勤務条件
読み取れるポイント
<時給>
学生は「900円以上」が28.6%、主婦・フリーターは「800円以上」が3割以上で最多
<勤務日数>
学生は6割以上が「週2~3日」。主婦は「週3~5日」、フリーターは「週5日」が多い
<勤務時間>
学生は「1日5時間程度」以下が68.5%を占めるのに対し、フリーターは「1日6時間程度」以上が74.8%
効率良く稼ぐ学生と柔軟なシフトを求める主婦
学業が生活の中心である学生は、週3日程度の短時間勤務で効率よく稼ぎたいという意向が見て取れる。そのため、時給が高くシフトも柔軟に組める居酒屋や学習塾を選ぶ人が多いと思われる。
一方で、フリーターはアルバイトで生計を立てている人が多い。そのため、シフトに長時間入ることができ、しっかり生活費を稼げる勤務先を選んでいるようだ。
主婦においては、やはり扶養控除を意識して働いている人が多いのだろう。「103万の壁」という言葉をよく聞くように、税金面でのメリットが大きい年収103万円以内というのをひとつの目安にしているようだ。主婦の統計を見ると、時給は「800円以上」、勤務日数は「週5日」、勤務時間は「5時間程度」がそれぞれの項目で最も多数を占めている。
例えば、東京都の最低賃金である時給850円で週5日、5時間ずつ働いた場合の年収を計算してみると、年間52週あるので、850×5×5×52=110万5000円となる。ここから年末年始の休暇と夏休み、それに祝日などで出勤しない日を引くと103万に収まる額だ。
ただし、2016年には社会保険の適用範囲が拡大されることが決まっており、今後はますます主婦の働き方が多様化しそうだ。扶養控除のメリットが大きくなるように短時間だけ働く人もいれば、一方で社会保険料や税金を払っても収入増になるように長時間働く人も増えてくると思われる。
主婦層を狙って募集をかける際には、応募者の要望に合わせて柔軟に勤務シフトを組めるようにしておくと良いだろう。
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