求人担当者必見! エリア別:求職ニーズの地域格差
- 求職者動向
目次
調査概要
■調査方法 : インターネットアンケート
■調査対象 : 北海道・首都圏・東海・関西・九州在住15~34歳男女現在、「高校生、短大・専門学校生、大学生、大学院生、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、無職の人」且つ「過去1年以内にアルバイト・パート、派遣社員、契約社員の仕事に就いたことがある人」 で、今後も「アルバイト・パート、派遣社員、契約社員」での就労を希望している人
■調査期間 : 2007年2月
■サンプル数: 6,941名
■ウェイトバック :対象者サンプル数が実際の人口の構成比と異なるため、総務省統計局の「平成14年就業構造基本統計調査」による非正規雇用就業人口に基づき、「属性・性別」ごとにウェイトかけた。
エリア別では明らかに異なる有効求人倍率採用に見る地域格差の実態とは…
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2007年4月の有効求人倍率は1.05倍。ところが、東海だけを見ると、同時期の有効求人倍率は1.62倍に跳ね上がる。また、北海道は今年に入って一段と数値がダウンし、0.50倍にまで落ち込んだ。 つまりは、有効求人倍率の例でもわかるように、一口に「雇用環境」と言っても、「全国」と「エリア」では、その中身が異なってくるということ。そこで今回は、アルバイト・パートの求職の際、エリアごとの希望条件の違いをもとに、採用に見る地域格差の実態を浮き彫りにしてみたい。
1 希望の雇用形態
フリーターおよび、一部エリアの主婦層に脱アルバイト傾向
希望する雇用形態は、各エリアとも、アルバイト・パート希望者が全体の約3分の2、それ以外(契約社員、派遣社員、その他)の希望者が約3分の1という割合でほぼ一致した。だが、それを各エリアごとに属性でより細かく分析してみると、全国のフリーターや、首都圏と関西圏の主婦では、契約社員や派遣社員を希望する割合が特に高くなるという傾向もうかがえる。
2 希望の職種
不動の人気「事務」が全国、エリア別とも完全制覇
全体では、第1位となった「事務」は実に33.2%(複数回答)を占め、その人気の高さが際立った結果となった。しかも、エリア別でもすべてで第1位の完全制覇である。 エリアごとに目を向けると、まず北海道では、2位となった「スーパー/デパート/量販店のスタッフ」(14.6%)や3位の「商品検査・仕分け」(14.3%)は、全国平均より高く、北海道ではより人気の職種となっている。6位となった「コンビニスタッフ」も12.9%を占め、全国平均の9.4%をかなり上回った。 対して首都圏は、他のエリアと比較して、突出した人気、不人気職種もなく、あくまで平均化傾向。関西も同様に、全国平均に近い内容だが、6位の「WEB関連専門職」は他のエリアと比較として若干人気が低いという印象だ。 東海で目立つのは「塾講師・家庭教師・インストラクター」の人気の高さ。人気職種ではあるが、他のエリアよりポイントは高かった。また、他のエリア同様、「事務」が第1位ではあるものの28.3%と、唯一30%を下回っているのが特徴的。最後の九州は、かろうじてベスト10に入ったものの「ファフッション・アパレル販売」の7.6%は、他のエリアと比較して数値は低い。「ホテル・レジャー・スポーツ施設スタッフ」も6.7%と、全国平均の8.0%よりは低めだ。
希望する業種(単位:%)※複数回答
3 希望の勤務日数
北海道・九州が多く、首都圏・東海が少ないドーナツ型傾向
エリア別に、1週間の希望勤務日数を見ると、どのエリアももっとも希望が多かったのは「週5日」。とくに九州は45%、北海道は42%に達している。次いで多かったのは、北海道と東海が「週4日」、首都圏、関西は「週3日」となっている。
4 土日の就業希望
東海を頂点に、主婦層は大多数が「土日休み」派
エリアを属性で分けてみると、見えなかった傾向がくっきりと出た。どのエリアも高校生と大学生は「土曜日だけ働きたい」が最多回答で、フリーターと主婦は「土日とも休みたい」が最多回答となっている。とくに主婦は、東海で84.5%、他のエリアでも70%と、圧倒的に土日休みを希望しているという印象だ。
5 希望の勤務時間(平日)
おしなべで「6時間以上7時間未満」が全国的傾向
エリア別での平日の希望勤務時間は、どのエリアも最多回答は「7~8時間」が40%前後、次いで「6~7時間」が30~35%といったところ。平均時間はもっとも短い関西で6.5時間、もっとも長い首都圏で6.7時間と、各エリアとも平均時間はほぼ同じと言っていい。属性別では、大学生が北海道と首都圏で「5~6時間」が最多、それ以外の東海、関西、九州で「3~4時間」が最多と、エリアによって違いが出た。