飲食店アルバイトの採用辞退&ドタキャン防止!応募者の本音から対応策を分析
- 採用課題
飲食店アルバイトの採用辞退を防ぐためにはどのような面接を行えばよいのでしょうか。フード系の応募者が重要視する条件のアンケート調査の結果をひもとき、職種別に面接でのヒアリング方法、どのように自店の魅力をアピールすればよいのかご説明します。
アルバイトが採用を辞退する理由
図1
面接を受けたアルバイト応募者が、採用を辞退する理由として1位にあげられているのが、別の仕事の方が仕事内容や条件等が良かったというものです。実際に面接を受け、業務内容や条件などを細かく知った後、それをもとに応募者が他店と比較をしていることが分かります。
2位以降は、仕事内容や勤務条件、職場の雰囲気など、応募先の問題で採用を辞退していることがほとんどです。また、希望する条件とのミスマッチも辞退の理由としてあがっています。
この結果から、面接時に業務内容や条件を説明し応募者のヒアリング、そのニーズに合わせてここで働く魅力をアピールすることの大切さが読み取れます。
アルバイトが飲食店の面接で確かめたい条件
アルバイト応募者が、飲食店の面接の時に確かめたいと思っていることは何なのでしょうか。実際に面接を受けた応募者が重視しているポイント、また採用辞退の理由とは具体的にどのようなものなのか、職種別の調査をもとにご説明します。
【ウエイター・ウエイトレス、ファーストフード】
図2
まずウエイター・ウエイトレスのアルバイト応募者の重視ポイントは、時間の融通がきく、給与の高さなどの勤務条件が上位を占めています。続いて職場の雰囲気や仕事内容に興味が持てることと続いています。
時間の融通については、一日に働く時間が短いことが退職の理由としてあがっていることもあり、必ずしも短時間勤務を望んでいるわけではないことに注意が必要です。それよりも、働きたい時間帯にシフトに入れるなど、店側に柔軟な対応を希望していることが分かります。
しかし、ファーストフードのアルバイト応募者の場合は、1位に勤務地が自宅から近いこと、続いて時間の融通がきくこと、一日に働く時間が少ないこと、一週間あたりの勤務日数が少ないことがあがってきていることから、シフトの組みやすさと短時間勤務を希望していることが分かります。
【居酒屋・バー】
図3
居酒屋・バーでのアルバイトを希望している人は、仕事選びの重視ポイントとして、給与の高さをあげています。2位以降は、店長や社員の人の雰囲気がよい、仕事内容に興味がもてる、やりがいのある仕事であると続きます。
他のフード系職種では上位にあがる、時間の融通がきくこと、勤務地が自宅から近いことは、居酒屋・バーの希望者にとってはさほど重要ではありません。その分、給与の高さへのこだわりが最優先であることが分かります。
【キッチンスタッフ】
図4
キッチンスタッフのアルバイトを希望している人は、他のフード系の職種とは違い、1位に仕事内容に興味が持てること。また仕事の内容が自分に合っている、やりがいのある仕事であるなど、仕事内容に関することが多くあがっており、これらを重要視していることが分かります。それは将来、役立つ資格・技術が身につくことに繋がっているとみることもできるでしょう。
また、勤務地が自宅から近いこと、時間の融通がきくこともランクインしていますが、これらは仕事を続けている理由のトップとしてもあがっています。家からも近くシフトが組みやすいということは、仕事を選ぶ理由であると同時に、続ける理由にもなっていることが分かります。
【職種別】飲食店アルバイトの採用辞退を防ぐ策
それでは、飲食店アルバイトの採用辞退を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。それぞれの職種に分け、対策をご説明します。
【ウエイター・ウエイトレス、ファーストフード】
面接のポイント 応募者が求める働きやすさを理解し、丁寧に職場環境を説明する |
ウエイター・ウエイトレス、ファーストフードのアルバイト応募者は、給与の高さやシフトの組みやすさ、職場環境の働きやすさなどを総合して判断する傾向があります。その中でもウエイター・ウエイトレスの場合は、一日に働く時間が短いことも退職の理由としてあがっています。そのため、どの程度の勤務時間を希望しているかヒアリングを行い、その上で時間の融通がきくことをアピールできるとよいでしょう。
対してファーストフードの場合は、シフトの組みやすさと短時間での勤務を希望していることが応募条件の上位にあがっています。そのため、1日に何時間働きたいかを確認するようにしましょう。また続けている理由に、時間の融通がきくことがあげられていることから、面接時に説明することでミスマッチを防ぎ、長い勤務を期待できるでしょう。
いずれの場合も、それぞれの応募者が何を重視しているのか面接時にヒアリングし、そこから得た情報をもとに丁寧に職場環境を説明しましょう。この職場で働くことのアピールポイントを面接でしっかりと伝えることが大切です。
その際、面接官の態度も大きな判断材料になる可能性があります。面接時の対応が採用後のイメージにもつながり、悪い印象の場合は辞退する理由にもなり得ます。丁寧な言葉と態度で話すように心がけ、採用辞退を防ぐようにしましょう。
【居酒屋・バー】
面接ポイント 給与、休憩、希望月収について必ず口頭でも伝える |
居酒屋やバーでのアルバイト応募者は、他のフード関連に比べても給与の高さを重要視する傾向があります。そこで、給与については特に詳しく説明することで、このお店で働くメリットを強くアピールすることができるでしょう。
もちろん採用が決まった際には、労働契約書など文書に給与の記載はありますが、面接の時に必ず口頭で給与面について説明するようにします。そうすることで、応募者の疑問などを面接の時に解消することができるでしょう。
また、昇給制度や休憩についても、給与の高さを希望する人には大きなポイントですので、漏らさず伝えるようにしましょう。昇給制度が魅力的であれば、長く勤めたいと考える応募者を採用することもできます。
さらに、このようなシフトで入れば月収がいくらになるかなど具体的に伝え、実際にそのお店で働くイメージができるように面接の時に伝えられるとよいでしょう。
【キッチンスタッフ】
面接ポイント 業務内容と身につくスキルの二点を中心に会話を進める |
キッチンスタッフの応募者は、料理をすることが趣味、また将来の夢を叶えるためのステップアップとして、など志望理由がはっきりしていることが多いです。他のフード系職種とは異なる傾向が強いので、応募の動機について細かくヒアリングし、それに合わせたアピールができるとよいでしょう。
実際の仕事内容でどのような知識や経験が身につけられるかは、応募者が知りたい要素です。これらの情報を丁寧にかつ具体的に応募者に伝えることで、実際に自分がここで働くイメージができるため、採用辞退の防止に繋がるでしょう。
応募者に仕事の魅力を的確に伝えて、採用辞退を防止しよう
飲食店のアルバイト応募者の採用辞退を防ぐ方法をご説明しました。それぞれの職種によって、応募者が面接で知りたい内容が異なることがお分かりいただけたと思います。
面接をする前に、その職種に合わせ応募者が何を知りたいと思っているのか、何を希望しているのかを把握し、ニーズに合わせた対応ができるように準備しましょう。
また、面接では応募者の希望のヒアリングと、お店の魅力をアピールすることで、アルバイト採用をスムーズに進め、採用辞退を防ぐこともできるでしょう。
◆図1調査概要 【調査手法】インターネットリサーチ 【調査対象】3年以内にアルバイトに応募したことがある学生・フリーター・主婦のうち、「応募したが、面接に行かなかった」、又は「採用を通知されたが、採用を辞退した」経験がある16~59歳までの男女 【サンプル数】 ・面接キャンセル層(応募したが、面接に行かなかった) 237名 ・採用辞退層(採用を通知されたが、採用を辞退した) 200名 ◆図2、図3、図4調査概要 【調査方法】インターネットアンケート 【調査対象】北海道・首都圏・東海・関西・九州在住15~34歳男女 現在、「高校生、短大・専門学校生、大学生、大学院生、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、無職の人」且つ「過去1年以内にアルバイト・パート、派遣社員、契約社員の仕事に就いたことがある人」 で、今後も「アルバイト・パート、派遣社員、契約社員」での就労を希望している人 【サンプル数】6,941名 【ウェイトバック】対象者サンプル数が実際の人口の構成比と異なるため、総務省統計局の「平成14年就業構造基本統計調査」による非正規雇用就業人口に基づき、「属性・性別」ごとにウェイトをかけた |
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