主婦をパート採用する前に知っておくべき4タイプ主婦&それぞれが抱える不安

  • 採用課題

女性の一層の社会進出が政府によって推進されている今、アルバイト・パート採用においても主婦に熱い注目が集まっています。人手不足の中で貴重な戦力となってくれる主婦を採用し、長期にわたり雇用をするためには、主婦の志向性をしっかりと理解しなければいけません。そこで今回のアルバイトレポートでは、現在パートに従事する主婦を「子供の有無」と「本人年齢」を踏まえた4タイプに分け、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。パート主婦を理解するためにぜひお役立てください。

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調査概要

【調査地域】全国(インターネットリサーチ)
【調査期間】2016年11月14日~11月16日
【調査対象】アルバイト・パートに従事しており、既婚・または未婚(離別)で子供がいる方
【有効回答数】1,101サンプル

パート主婦の4タイプ

今回の「アルバイトレポート」では、現在パートに従事する主婦を「子供の有無」と「本人年齢」を踏まえた以下の4つのタイプに分け、それぞれの特徴を詳しく見ています。

  1. 小3以下の子供がいる主婦(=子供に手がかかる人が多い)
  2. 小4以上~独立前の子供がいる主婦(=子供が手離れしつつある人が多い)
  3. 子供を持たない20~30代主婦(=将来の妊娠を見据えて働く人が多い)
  4. 子供が独立している主婦、または子供を持たない40~50代主婦(=子供をそれほど考慮しないで働く人が多い)

※2015年の労働力調査をもとにしたパーソルプロセス&テクノロジー独自推計では、60歳未満の主婦(既婚女性)人口は約1,936万人。その内、パートに従事しているのは約587万人です。割合としては、1、2、4に該当するタイプの主婦はそれぞれ約3割ずつ、3のタイプの主婦では約1割を占めていると考えられます。

「小3以下の子供がいる」パート主婦とは

<このタイプの主婦イメージ>

Aさん32歳

子供がまだ小さいため専業主婦をしていましたが、自分で自由に使える小遣いもなく、夫の収入だけで子供の保育料や保険料を支出しているため少しでも援助できればと思っていました。
子供がまだ小さいので病気も多い事や、同居家族が皆働きに出ていることもあり、育児・家事との両立を考えてフルタイムや正社員ではなく、パートという雇用形態を選びました。
今の職場では就業時間通りで早出や残業も全くないですし、急な欠勤にも対応してもらえてとても助かっています。自分の自由な時間では撮りためておいたテレビドラマを見るのが楽しみです。

<就業データ>

平均年齢32歳 平均月収:7万7千円(調査対象者より)
パート主婦全体における割合:29.2%

※赤枠は特徴的な箇所を示す  ※()内の数値は全体平均を示す

時間の制約や子供の急病など、パートと育児との両立に困難を感じている

このタイプの主婦は子供から手が離せない人が多く、他の主婦に比べて働ける時間が短いことや、子供に熱が出た際に仕事を休めることを重視する人が多いのが特徴です。そのため、「なかなか希望する職種が見つからないと」いう悩みや、面接に進んだとしても「小さな子供がいて急な欠勤があるかもしれないことを言うと落とされてしまうのでは」という不安があるようです。「小さい子供がいる」と言っただけで険しい顔になる面接官や、「子供に何かあったとき働けるか」と聞かれたケースも見られ、子育て中の主婦に対する採用側の理解は十分には浸透していないことが伺えました。

「面接に行く時に親に子供を見てもらうため親の予定も考えて面接の予定を組んでいた」というコメントも見られており、子供が保育園などに通う前に仕事探しをするケースも少なくありませんでした。この他、面接にあたって「履歴書を書く時間がとれない」という声や、スーツなど「着て行く服がなかった」という声が見られており面接準備にも苦労を感じる人が多いようです(服装の問題は主婦全体に見られた傾向)。

「子育て中の理解がありそうかどうか、求人の時点では判断がつきにくく応募しにくかった」というコメントも見られており、子育て中の主婦に対して理解すること、不安をケアしてあげることで、このタイプの主婦は安心して働くことができます。そのため、子育て中の主婦への理解や配慮のあるパート先は、採用において大きなアドバンテージがありそうです。求人原稿においては、このタイプの主婦がネックに感じる上記の不安点をうまく汲み取ってアピールすることが鍵となるでしょう。

フリーコメント ~仕事探し全般で苦労したこと~

  • 子供がいるので緊急時に対応できるところと、土日休みの職場がなかなかない。
  • 子育て中の理解がありそうかどうか、求人の時点では判断がつきにくく、応募しにくかった。

フリーコメント ~面接で苦労したこと~

  • こちらの条件ばかりをいうのが言いづらい。働きたいけれど伝えることで不利な条件になってしまうし、言わざるを得ないし。主婦が働くにはまだまだ厳しい感じです。
  • 面接で小さい子供がいることよく休むのではないかと思われるような質問をしてくる。
  • 「いつまで続けられるか、二人目の子供の予定はないか」と聞かれたとき正直に話しづらかった。

「小4以上~独立前の子供がいる」パート主婦とは

<このタイプの主婦イメージ>

Bさん46歳

子供が成長するにつれて、食費や塾代、交通費、小遣いなど、毎月にかかるお金が足りなくなってきました。家事と両立しようと思うと、体力的にも時間的にもフルタイムは絶対に無理だと思いました。
仕事のブランクもありましたし、40歳を過ぎているのでパート探しは難しかったですが、飲食店のホールの仕事を見つけることができました。人と接することで言葉遣いがキレイになるのが良いところですが、いつも笑顔でいるのは結構大変です。
自分の自由な時間はコーヒーを飲みながらバラエティー番組、アニメを見ること。仕事はこれ以上増えると疲れが取れないし、今のペースで丁度良いと思っています。

<就業データ>

平均年齢46歳/平均月収:8万4千円(調査対象者より)
パート主婦全体における割合:28.3%

※赤枠は特徴的な箇所を示す  ※()内の数値は全体平均を示す

仕事のブランクや自身の年齢、職歴の浅さに悩む主婦が多い

子供が小学生の折り返しを迎える頃から徐々に手離れしてくる一方で、日常の生活費の補助に加えて子供の塾や部活・習い事の費用、そして将来の学費を稼ぐためにパートを始める人が増えてきます。また、長年専業主婦だった人の中には、「家庭にいると取り残されるような感覚」を抱いている人が見られ、社会との繋がりを得るためにパートを始める人も見られます。

仕事探しにおいては、自身の年齢や、子供の学校の予定、家事とのバランスを考えるとなかなか希望の職種の仕事が見つからないといった声が見られました。フリーコメントを見ると、「自分の希望に合った仕事をみつけるのは難しかった。40代で何の仕事ができるか悩んだ」「年齢的に難しい。自分に何ができるかもわからなかった」とあり、専業主婦歴が長い一方で職歴が浅く、年齢やブランクの壁に直面した人が多いようです。

パートの面接にあたっては、仕事のブランクが長いことや、資格がなかったり職歴が浅かったりすることで、不安や自信のなさを感じたというコメントが多く見られました。「ブランクが長く、アピールできる資格も持ち合わせていないので、自信をもって臨めなかった」「主婦歴が長かったので長年のブランクと過去の職業に関して厳しくチェックされた」といった声が挙げられます。

このタイプの主婦の採用のポイントは、ブランクや年齢による不安をいかに払拭することができるかでしょう。求人原稿では、ブランク空けの人や未経験の人でも、最初は無理のないペースで仕事を覚えられる点や、実際に働く主婦の年齢が高ければ平均年齢を記載してみると良いでしょう。

フリーコメント ~仕事探し全般で苦労したこと~

  • 建前上、年齢制限がないとはいえやはり見えない年齢制限の壁はあると感じた。
  • 10年以上の専業主婦からの仕事探しだったので、世間の常識とのズレを埋めることが大変でした。
  • 年齢制限があったり、子供の学校の予定に合わせるとなかなか思う職種の仕事が見つからない。
  • 応募する上で平均年齢が知りたかった。

フリーコメント ~面接で苦労したこと~

  • ○○できますか?と聞かれても、仕事のブランクが長く自信がなかった。
  • なぜ長期間専業主婦だったのに今更働こうとするのかなど、答えに詰まることを尋ねられたこと。
  • 退職してから10年たってるから緊張した。

子供を「持たない」20~30代パート主婦とは

<このタイプの主婦イメージ>

Cさん 33歳

結婚して子供が欲しくて以前の仕事を辞めました。なかなか子供ができなくて、体力的にも時間的にも余裕がもてるパートという形態で働き出しました。家にこもっても体が鈍りますし、性格的にも短い時間だけでも社会に出ていた方が合っています。
飲食店で働いていますが、お客さんと顔なじみになってくると会話が弾みますし、色々な方と知り合えるのが良いと思います。空いた時間ではスマホをいじったり、撮りためていた番組などを見ています。

<就業データ>

平均年齢33歳/平均月収:8万8千円(調査対象者より)
パート主婦全体における割合:12.4%

※赤枠は特徴的な箇所を示す  ※()内の数値は全体平均を示す

職種や、通いやすさ、時給などを総合的に考慮してパート探しをする

結婚や夫の転勤機に仕事を辞め、妊娠活動や家事との両立のために正社員ではなくパートを選ぶ人が多いのがこのタイプの主婦。専業主婦だと時間を持て余すと感じ、時間の有効活用のためにもパートをする人も見られます。

子供がいる主婦と比較すると働く上での制約は少ないため、仕事探しの選択肢は比較的多いようです。「近い職場で稼げて、時間帯が合うところを探すのが大変だった」「自分が働きたい職種があっても自分の希望にあわず苦戦した」といったコメントが見られており、就きたい職種や、通いやすさ、時給などを総合的に考慮してパート探しをしていると考えられます。

採用側からすると多めにシフトに入れると思いがちなのがこのタイプの主婦ですが、妊娠活動のために働く負荷を抑えたいと思う主人がいたり、夫の扶養内での働き方を望む人がいるために、他のタイプの主婦と比べて多く稼働できるわけではありません。むしろ、週の希望シフト数は若干少な目の「3~4日」となっています。

フリーコメントを見ると「本当は、土日祝日は働きたくないが、それを言うと落とされると思った。」「子供いないのにもっと働けないの?※」と尋ねられて返答に困ったというケースが見られました。また、「求人には時間は応相談と書いていたのに、希望を伝えると『うちは〇時~〇時で稼働しているからとフルタイムでしか無理」と言われた」という声が見られました。

※この質問は法で保障された基本的人権を侵すおそれがあります。また、男女で異なる選考をすることは法によって禁じられています。

このような背景があるせいか、就業にあたっては、「労働条件・制度にウソはないか」と気にする人が多く、求人原稿についても細かくチェックする人が多いのではないかと考えられます。そのため、情報が少なかったり具体的でなかったりする場合や、他の求人との違いが分かりにくい求人は応募を避ける傾向にあるでしょう。他の求職者に対しても言えることですが、求人原稿の中で情報を充実させることと、自社(自店)ならではの魅力しっかりとアピールすることがポイントになりそうです。

フリーコメント ~仕事探し全般で苦労したこと~

  • 土日祝休み、日中のみの仕事となると資格を生かした仕事はほぼ無理。子供を持たないと更にあてにされるので、時間の融通が利く職場が少ない。
  • 扶養内で働けて、事務の仕事をしたかったので、行ける距離内でなかなか条件に合う仕事がなかった。
  • 希望職種と、希望勤務時間が合わない。年間所得が103万円を超えてしまう。

フリーコメント ~面接で苦労したこと~

  • 子供がいないから働く時間の希望はあまり聞いてもらえず強いられる気がした。
  • 子供がまだということで、子供の予定を聞かれて困った。不妊治療中で、妊娠がいつになるかはわからないので、長く勤められますと言えなくて困った。
  • 既婚で子供がいないと言うと、「子供ができたら辞めちゃいますよね?」という無言のプレッシャーがある。
  • 結婚してまだ子供がいないので、できる限り勤務時間を融通しなければいけなかった。
  • 土日祝日も働けるとアピールしなきゃいけなかった。本当は、土日祝日は働きたくないが、それを言うと落とされると思った。

子供が「独立」している、または子供を「持たない」40~50代パート主婦とは

<このタイプの主婦イメージ>

Dさん 50歳

子育てが終わって時間に余裕ができ、家にばかりいても暇なので働こうと思いました。
パートなら正社員に比べ仕事にあまり責任を負うこともなく都合があるときは休みやすいし、家事とも両立できると思いました。それに、外に出たほうが、気分転換にもなります。
保険や老後の生活資金を貯めたいと思っていますが、夫婦二人だけののんびりした生活なので、ガツガツ働かなくても主な収入は大黒柱の夫に任せています。
自由な時間ではテレビを見たり、ネットサーフィンをしたり、一人時間を楽しんでいます。

<就業データ>

平均年齢50歳/平均月収:8万7千円(調査対象者より)
パート主婦全体における割合:30.2%

※赤枠は特徴的な箇所を示す  ※()内の数値は全体平均を示す

年齢制限や体力が持つかに不安を感じる

パートをする上で子供のことを考慮することが少ないと考えられることから、子供が「独立」している主婦と、子供を「持たない」40~50代主婦を同じタイプに分類しています。このタイプの主婦は時間に比較的余裕があるためか、他の主婦に比べて「時間の融通」をそれほど重視していません。かわりに「長い期間働くことができる」ことに重きを置いていると同時に「同僚とうまくやっていけるか」を不安視する傾向が見られます。職場の人間関係がうまくいけば、長期的に安定して働いてくれるタイプだと言えるでしょう。

今回の4つのタイプの中では本人の平均年齢が最も高い(50歳)ためか、年齢による体力の衰えを感じ始めている人も多いようです。「収入を考えるともっと働いた方が良いが、体力的に難しい」といったコメントも見られており、無理せずコツコツ長く働きたい志向性があるようです。求人原稿などでは、無理せず自分のペースで働ける点や、他のスタッフと和気あいあいと働ける点をアピールすると良いでしょう。

また、仕事探しをする上で「年齢制限はないか」という不安が他の属性よりも強く見られています。フリーコメントを見ても「年齢の為、面接までこぎつけることが大変だった」「今のパートは、50歳になってからの転職だったので、仕事探しが大変だった」という意見が見られています。この年代の方が多く働く職場であれば、求人原稿に平均年齢を記載したり、同じ年代の方が多く活躍している点をアピールすることで、安心して応募することができるでしょう。

フリーコメント ~仕事探し全般で苦労したこと~

  • 甘く見ていたけれど結構年齢ではじかれた。
  • 年齢の為 面接までこぎつくことが、大変でした。
  • 結婚してから家庭に入ったので、ブランクがあり、必要なスキルを備えていないので、仕事が限られている。
  • 募集している仕事がきつそうに感じた。
  • 24才で結婚退職して43才でパートに出ましたので、パソコンが使えず、今の事務は様変わりしていて浦島太郎状態でした。

フリーコメント ~面接で苦労したこと~

  • 面接を受けるのも何十年ぶりなので緊張感がありました。
  • 年齢も高く、社会経験もあまり無いので、不安でいっぱいだった。

【まとめ】主婦タイプ別 不安に感じること

 

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[出典記載例] 出典:求人情報サービス アルバイトレポートより(該当記事URL)

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