大学生座談会「職種や店の“イメージ”はバイト選びに影響するのか」
- お役立ちインタビュー
参加者
遊びや外食、旅行などがアルバイト代の使い道
まず、皆さんのアルバイト歴を教えてください。
木下高校生のとき、3カ月間だけ天丼チェーン店でアルバイトしていました。そのあと大学1年生からずっと地元の居酒屋で働いていたんですが、最近閉店してしまったので、また違う居酒屋とマンガ喫茶でアルバイトを始めました。
栗本高校生のころ、お好み焼き店でアルバイトをした経験があります。現在はファミリーレストランとキッズパークで働いています。そして、毎年夏は小学校のプールで監視員をしています。
佐塚高校生のころホームセンターでアルバイトしていました。今はパチンコ店をメインに、派遣でも少し仕事をしています。
今泉イタリアンレストランでホールを担当しています。オーダーを取ったり、料理の提供をしたりするなど、接客が中心です。
秋吉現在は土日だけ、子ども服店で店員をしています。
畔蒜今携わっている塾の講師が初めてのアルバイトです。
アルバイトで得たお金はどのように使っていますか?
木下主に友達と遊んだり、ケータイ代に充てたりしています。ほかには服を買ったりもしています。旅行も、アルバイト代を貯めて行っていました。以前の居酒屋のアルバイトでは月6~7万円くらい収入がありました。
栗本私は友達と遊びに行くのと、頻繁に外食をするので食費に消えていきますね。2つのアルバイトの掛け持ちで、月に8~10万円ぐらい収入があり、半分くらいは貯金しています。その貯金で今度海外に行こうかなと思っています。
佐塚私は一人暮らしで、仕送りもあるのですが、光熱費とケータイ代は自分で払っています。あとは食費や飲み代、趣味や洋服とかに使ったりしています。アルバイトは週3日ですが、時給がいいので月に12万円くらいの収入になります。
今泉私も外食に使っちゃうことが多いです。あと、友達とグアム旅行を計画しているので、がんばって貯めています。収入は多いときで月6万円、少ないときは3~4万円くらいです。
秋吉友達とご飯を食べに行ったり、カラオケに行ったりして、使ってしまいます。アルバイトは土日しか入っていないので、収入は月3~4万円くらいです。
畔蒜私は寮で暮らしていて、生活に必要なものを買ったり、食費に使ったりしています。アルバイトは週1日だけで、月に2万円くらい稼いでいます。
自分にできる仕事、自分に合う仕事とは?
過去に紹介した調査結果によると、「仕事探しで重視する点」は、「自分にもできそうな仕事である」がトップでした(グラフ「全体」参照)。これについてどう思いますか?
佐塚確かに「これは自分には合わないだろう」と思う職種や無理だなって思うものは、まず検討対象から外しますね。
今泉私も自分にできなさそうなのは避けます。塾の講師とかは、やっぱり頭がよくないとできないかなとか……(笑)
秋吉私は引っ越し作業とかは無理だな。
佐塚あれはきっと重労働だよ! CMとか見ているとそう思うもの。
栗本警備員も、女子大生がやっている姿は想像できないなぁ。
佐塚働いている人を見ると、警備員は年齢層が高いイメージがあるよね。
皆さんもこのアンケート結果のように、「自分にやれる仕事か」という観点で応募するかを判断されているのですね。
ではアルバイトを探すときには、どういう条件で探していますか?
今泉エリアから探すことが多いですね。そして時給、その他の条件を見ます。
栗本私はやりたい職種、エリア、時給の順番で探します。
木下私もまずエリア。シフトの出し方も重視します。申告制ならほかの予定も入れやすいけど、曜日が決まっている固定制だと融通がきかないので避けたい。
アルバイト先が通える距離にあるか、いくら稼げるかという条件が、やはり重要ということですね。
そのほか、条件以外で重視する点はありますか?
秋吉私は本当は無印良品かカフェで働きたかったんです。文房具も無印良品でそろえているし、あの世界観が好きなので。カフェは個人経営のゆったりした感じにあこがれていました。
佐塚カフェはいいよね。お客さんもゆっくりしにきている状況だから客層もいいし、ちょっとした会話を交わす接客のお店とかなおいい。モチベーション的にがんばろうと前向きな気持ちにさせてくれる雰囲気が大事ですね。もともとカフェはオシャレなイメージがあるけど、そのお店に「なんか、イイカンジ」「なんとなく好き」と思えるところがあると選ぶ後押しになる。
秋吉店員さんのイメージも大きいよね。
佐塚そうだね。カフェの店員さんって、みんな雰囲気がやわらかいよね。それに比べると、コンビニの店員さんは機械的なイメージ。居酒屋のスタッフは忙しそうだけど、元気で仲良さそうな感じがする。
栗本私は高校生のとき、コンビニで働いている人は天才だと思っていたよ。クレジットカードや宅配便なども扱えるし、何でもできるんだと尊敬していた。居酒屋のアルバイトをしようとしたときは父親に反対されたんだよね。「女の子だし、酔っぱらいにからまれたら対応できないでしょ」って。
木下私が居酒屋でアルバイトをしたときは、先に働いていた友達に誘われたのがきっかけです。お店の様子を教えてもらって、友達もできそうだったから働くことを決めました。最初は私の親も渋っていましたけど、3年も続けていたら親も信頼してくれたのか、何も言わなくなりました。一緒に働いていたスタッフさんにも優しくしてもらって働きやすかったですね。
今泉今のアルバイト先はよく行くレストランだったので、店内の様子は知っていました。働いているスタッフを見て、同年代の人が多かったので仲良くなれそうかも…と思ったのも決め手の一つです。
佐塚一緒に働くんだったら、同じくらいの年齢でノリとか話の合う人がいいもんね。それに元気で面白い人と働くほうが、楽しいし仕事もがんばれると思う。
畔蒜バイト先の雰囲気を知っているのも大切。私は自分が通っていた塾なので、よく知っているから安心でした。
ブランドや職種に対するイメージのほかに、実際の労働環境や一緒に働くことになる既存スタッフの様子も観察して、自分が働いた場合のイメージを明確化しているんですね。親御さんやアルバイト経験のある友達の意見も大切であることがわかりました。
やりがいや成長が長期雇用につながる
最後に、時給以外にアルバイトを続けるメリットややりがいがあれば教えてください。
畔蒜私は将来、幼稚園の先生や保育士を目指しているので、子どもと関われるのが一番ですね。自分が担当している子どもから、先生のおかげで成績が上がったと言われるとうれしいし、やりがいを感じます。
秋吉出産祝いや、お年寄りの方が孫にプレゼントするために子ども服を買い求めに来られることも多く、そうした接客を通じてお客さ まに喜んでもらえるのがうれしいですね。
今泉まかない料理がおいしいところ! 無料もしくは100円程度で大好きな生パスタが食べられるので、辞められない(笑)
佐塚私のバイト先は言葉遣いや髪型・服装のマナーも厳しいので、今後社会人として働く上でも役に立つと思います。また忙しい中で、効率良く作業を進めることを考え工夫をするのは楽しいし、できたときは達成感を得られます。
栗本私も接客でどうしたらお客さまに喜んでもらえるか、どうやったら効率良くできるかなどを常に考えています。最近は任される仕事や責任範囲も広がっていて、自分が成長できたと感じています。
木下以前と比べて周りを見られるようになったというか、視野が広くなった気がします。お店の裏側を知ったことで、客として飲食店に行ったとき料理が出てくるのが遅くても、今忙しいんだろうなと慮れるようにもなりました。
佐塚アルバイトは重すぎない責任の下で、いろんな仕事を体験できるところも魅力です。だから、学生の間に様々な仕事に挑戦したいとも思いますね。
時給以外の魅力もアルバイトに挑戦したり、続けるモチベーションに大きく関わっているんですね。
本日はいろいろなお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。
今回の座談会で見えたポイント
CMをはじめ、マスメディアや口コミによって形づくられた職種イメージは、自分が働いている姿と重ね合わせられ、働くイメージが持てない場合は、検討の対象から外れてしまう。業務内容や育成方法を具体的に紹介し、まずは求職者の検討対象に含まれるようにしたい。
既存スタッフの接客態度や店内の雰囲気・環境なども、顧客として来店した時に何気なく観察されており、応募の判断材料となる。求人時だけでなく、常日頃からスタッフ教育やサービス向上に努めることが重要。
時給以外にも、シフトの申告制、まかない料理やスタッフの雰囲気、やりがいや成長できるポイントなども長期で働きたい理由につながるので、そうした職場環境づくりに努めつつ、募集時にもアピールしたい。