【働きがいを高める3つの方法】前編:働きがいとは何か? – Great Place to Work(R) Institute Japan 代表 和田 彰

  • お役立ちインタビュー

 新人の辞めたい理由上位に「人間関係」が入ったように、人間関係やチーム、組織といった要素は非常に重要であることが分かった。ではどういった組織が良い組織なのだろうか?今回は「はたらきがい」という観点から、「日本でいちばん働きがいのある会社」の著書でもあり、長年はたらきがいの調査を行っているGreat Place to Work InstituteのJapan代表でもある和田彰氏に聞いた。

従業員の働きがいを高めるには、どうしたらいいでしょうか?
すぐに思いつくのは「給料を上げること」かもしれません。しかし、私たちGreat Place to Work Instituteが、あくまで従業員から見た働きがいにこだわり調査をしてきた結果、給与が高いからといってそれが働きがいの高さに直結するとは限らないことが分かっています。実は、給与そのものよりも、給与や処遇が公平に配分されているかの方が大事なのです。

このように、働きがいを高めるためには「働きがいとは何なのか」をまず知ることが重要です。結論からお伝えしますと、3000名を超えるインタビューから紡ぎだされた「働きがいのある会社」の定義とは、「従業員が、勤務している会社や経営者・管理者を信頼し、自分が行っている仕事に誇りを持ち、一緒に働いている仲間と連帯感が持てる会社」です。(下図参照)

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先ほど登場した「公正」に加え、従業員が経営・管理者層の経営能力を「信用」していること、経営・管理者層が従業員を「尊敬」していること、この3つをして、経営・管理者層への「信頼」としています。これが、「働きがい」を高めるにあたってもっとも大事で、例えば、「尊敬」については、「経営層が従業員の専門性を高める支援を行い、従業員に敬意や感謝を示しているか」や、「意志決定の場で従業員と共に検討しているか」などが挙げられます。上司や店長から感謝もされず、上が決めたことにただ従う状況では働きがいが高まらないことは想像に難くありません。

上記に加え、仕事や組織、会社に対する「誇り」、仲間同士の「連帯感」を加えた5つが「働きがい」の構成要素となります。尚、私たちはこの5要素に沿って58の設問を作成し、アンケート結果を中心に、企業評価を行っています。

例えば、
・この会社は悪意のないミスに対して寛容である(尊敬)
・誰にでも特別に認められる機会がある(公正)
・会社の人たちはお互いに思いやりをもっている(連帯感)
…といった質問項目がありますが、皆さんの職場・会社ではいかがでしょうか?

後編では、実際の企業の事例を見ながら「働きがい」を高める3つの方法について考えてみたいと思います。

【働きがいを高める3つの方法】後編はコチラ

 

Great Place to Work Institute Japan 代表 和田 彰

和田彰 / Akira Wada
一橋大学社会学部卒業後、マツダ株式会社、京セラ株式会社にて人事部門を担当。その後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)や人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)にて一貫して従業員の視点を重視した人事企画およびコンサルテーションを推進。2004年、韓国において、人事コンサルティング事業および企業内研修事業の立ち上げを行った後、Great Place to Work(r) Institute Japanに参画。2009年GPTWジャパン代表に就任(現任)。

著書
2010年:近著に「日本でいちばん働きがいのある会社」(中経出版)

┃ Great Place To Work(R) Instituteについて

毎年世界40カ国以上で「働きがいのある会社」の調査を行い、一定の基準に達している企業を有力メディアを通じて発表。米国では世界最大の発行部数を誇るFORTUNE誌、日本では日経ビジネス誌で紹介されている。

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