外食業界の次世代リーダーが育つ場所「みんなの店長会議」 – 株式会社フードリンク

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掲載企業DATA:株式会社フードリンク

株式会社フードリンク

本社所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座7-15-5 共同ビル(銀座7丁目) 502号室
代表 安田正明
設立 1989年
資本金  2500万円
事業内容 外食市場全体が活性化するためのサービスを提供。情報発信、広告代理、店舗調査を大きな柱とし、外食企業に直接働きかけるだけでなく、外食に関わるメーカーや流通のマーケティング活動をサポートするなど、その活動内容は多岐にわたる。

01 外食産業の発展には店長育成が不可欠

不況からの景気回復に足踏みをする日本経済。多くのアルバイトを雇用する外食産業も然り。1997年をピークに市場規模は縮小。消費の低迷や価格競争など、外食産業は今非常に厳しい環境におかれている。
ただし、そんな現状でも、いや混沌とする今だからこそ外食業界には大きなチャンスが転がっていると語るのが株式会社フードリンクの代表、安田正明さんだ。キーワードは“店長”。「いい店長を育成することが、外食産業全体の活性化につながる」という安田さんの話を伺ってみよう。

02 店の垣根を越えて店長が集う『店長会議』

「店は店長で決まる」と語る安田正明氏

「規模が縮小していると言っても、外食産業のマーケットは約25兆円です。これは自動車産業とほぼ同じ。しかも自動車産業は大企業だけで市場をほぼ独占しているのに対し、外食産業は売り上げトップでも市場全体では数%に過ぎません」と安田さん。
この数字が示すのは、中小企業でも十分に成功できるマーケットだということ。創意と工夫と努力があれば、一攫千金のチャンスも夢ではない。では、そのために必要なことは何か?
「飲食店の成功に必要なのはまず立地。そしてメニュー。この2つは言わずもがなですよね。その次に重要なのは洒落たインテリアでも、大規模な広告でもなく、店長だと私は考えます。スタッフを気持ちよく働かせることができて、多くのリピーターに愛される個性を持っている。そんな店長がいれば、その店は安泰です。充実した表情で楽しそうに働く店長を見れば、『ああ、僕もこのまま外食産業に就職しようかな』と思うアルバイトの子たちも多くなる。学生の人気就職ランキングで飲食店は、さほど上位には上がってこないですよね?アルバイトスタッフにとって将来の自分を映す鏡は店長しかいない。店長が輝いていなければ、誰が店に残ろうと思いますか? 従業員のモチベーションを上げ、離職率を下げるには店長の存在が大きいんです。離職率が下がればサービスの質も向上する。サービスの質が向上すればお客も増える。店長の質を上げることの効果は計り知れません」
しかし、店長という激務を全うするのにはストレスも伴う。多くの従業員を指揮する気苦労は相当なものだ。そこで安田さんが始めたのが『みんなの店長会議』という取り組み。会社や店舗の垣根を越え、店長という同じ職にある者が集まり意見を交換し、苦労を分かち合うためのコミュニティ。早くも業界で話題となっているその内容とは?

03 横のつながり強化でノウハウを共有

毎月1回開催されている「みんなの店長会議」

「同じ会社の違う店舗で働いている店長同士でも、顔を合わせるのは月に1回あるかないかでしょう。しかもライバル意識もあるし、お互い簡単に弱音は吐けない。上司に悩みを相談しても、現場とは温度差があるものです。そんな店長たちの悩み解消、ストレス発散の場として月に1回、『みんなの店長会議』を開催しています」
横のつながりを構築しにくい外食業界で、扱う料理も会社の規模も異なる店の店長同士が意見を交換する場はそれまで皆無だった。それほど宣伝もしなかったのに第1回から約60名の参加者が集ったことからも、『みんなの店長会議』の意義が計り知れる。「会議と言っても堅苦しいものではありません。まず参加者の中から2~3人に、自分の店の現状や自分の仕事内容をプレゼンテーションしてもらう。続いて店長を経て独立に成功した人などを招いての講演。さらに残りの時間はフリータイムとして、店長同士で自由に話をしてもらう。このフリータイムが盛り上がるんですよ。どんな店の店長だって抱えている悩みは同じ。教育、集客、利益の3つが中心なのですが、同じ立場にある仲間とあって、みんな堰を切ったように相談し合っています」

04 外食産業に刺激を与える次世代リーダーを育成

「どんどん独立して業界に刺激を与えて欲しい」安田氏は外食産業の未来を見据えている

「はっきり言って弊社にとって『みんなの店長会議』を続けるメリットはほとんどありません。基本的にはボランティア活動ですね。ただ、外食産業全体を盛り上げていくのが我々の使命だと考えると、この取り組みを続ける意義はものすごく大きいんです。何度も言いますが、店を安定して運営していくには店長。“できる”店長の存在が不可欠。『みんなの店長会議』に参加することで店長が悩みとストレスを解消できれば、店で生き生きと働ける。そんな店長の姿を見て若い子たちも希望を持って外食業界にとどまってくれる。このスパイラルを構築する一翼を担えると自負しています」
ざっくばらんに悩みを相談しあえるコミュニティが、外食産業全体の底上げにも寄与すると安田さんは言う。店長という枠を超えて、さらに業界全体のニューリーダー育成まで視野に入れた取り組みなのだという。「外食業界で店長にまでなるような人は、大部分が独立を目指しています。20代で数億の売り上げを誇る経営者もたくさんいる。外食業界は一攫千金を狙いやすい業界だというのは、先ほど言ったとおりです。我々はそういった野心を持った人たちも支援していきたい。若い経営者が増えれば業界が活気づくのは間違いないですからね。『みんなの店長会議』で独立する知恵と具体的な方法論を身につけてもらい、どんどん独立して業界に刺激を与えてほしいですよね」

05 必要なのは店長自身のインプット

店はいわば閉鎖された空間。はじめのうちは新鮮さを持って働いていても、いつしか慣れと閉塞感に襲われて仕事の効率も落ちてくる。必要なのは外の世界から受ける刺激だ。そんな刺激を受ける場にまさに打ってつけの『みんなの店長会議』。今後はさらに参加人数を増やし、店長同士のノウハウの共有やモチベーション強化のために内容を強化していくという。参加費用は無料。しかし、そこから店が得られるメリットが大きいことは、安田さんのお話からお分かりいただけたのではないだろうか。

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