「面接時における質問のポイント」 株式会社 fRee sTyle 代表取締役 城田 京子

  • お役立ちインタビュー

 

 

面接時、みなさんは候補者へどのような質問をされているでしょうか?
シフトで入れる時間等、いつも決まった内容の繰り返し。「アルバイトさんは仕事に入ってみないとやる気があるかどうかは面接ではわからない」と、お思いの方は多いのではないでしょうか?
候補者の気持ちを最大限引き出せる面接の質問とは何かを考えます。

採用面接のご担当者のみなさま、こんにちは。
前回は採用面接に臨む際の注意事項、特に面接官の印象はどんなふうに決まるのかについてお話ししました。

今回は面接で候補者に投げかける「質問」について一緒に考えていきましょう。
候補者のやる気度や本当の気持ちを知るために、有効な質問とはどんなものでしょうか。

その前に、候補者が自由に話せる環境づくりが大切なことは言うまでもありません。面接中否定は一切なしです。候補者は自分の発言に対して否定的に反応されると、それ以後自由に答えなくなる可能性が高くなります。また、候補者が答えているときは、履歴書や書類などで目を下に落とさないように、顔を見て話を聞きましょう。人は熱心に聴いてもらっていると「話すことは快である」というプログラムを脳につくるので、よりオープンな気持ちで話すようになるからです。

さて、候補者が答えやすい環境が整ったとして、候補者に仕事のやる気や意気込みを語ってもらうための質問とは・・・。それは未来系の質問です。例えば「入社後、楽しみにしていることはどんなことですか?」「入社してまずやってみたいことは何ですか?」あるいは「入社後何年かして、権限が与えられたとしたらどんなことをやってみたいですか?」など。

人は希望的な未来を想像すると気持ちが高揚するものです。未来のことを語っているときに、声が大きくなったり、血色がよくなったりしたら、その候補者はかなり本気です。もちろん未来のことなので、約束ではありませんから候補者の発言がそのまま本当に実現するかどうかは別です。しかし、内容に現実性があるかどうかよりも、会社に入った後の希望的な未来が描けるかどうか、つまり御社へのモチベーションやコミットメントの度合いが高いかどうかが、未来系の質問でわかります。

ところで、上述の質問例には共通点がありました。何だと思いますか? それはすべてオープン・クエスチョンだということです。オープン・クエスチョンとは相手が自由に答えられる質問です。5W1Hで訊ねる質問と言ってもよいでしょう。これに対して「はい」「いいえ」で答える質問はクローズド・クエスチョンと言って、相手に限定的な答えを求めるものです。

「この仕事に興味はありますか?」などという質問よりも「この仕事のどこに興味がありますか?」と訊く質問の方がずっと候補者の気持ちがわかるのです。

城田 京子 / Kyoko Shirota
三菱商事、KPMG、その他国際的ビジネス・シーンでエグゼクティブ・アシスタントとして活躍後、1998年BOSCHグループに入社し、ヒューマン・リソースを担当。
アジア・パシフィック地域の人事総責任者として、欧州や米国の本・支社と連携をとりながらグローバルな人事開発を展開した。また国内で部下のマネジメントを実践しながら、日本、韓国、中国の各支社において人材開発プログラム、目標管理制度、コンピテンシー開発、賞与制度、その他数々の人事制度の導入と運営を実施した。
2003年よりコーチングをきっかけに、コミュニケーションと人材開発の世界に入り、2007年に独立し、株式会社 fRee sTyle を設立。代表取締役であるとともにみずから各種研修のトレーナーとして企業をまわっている。

取得資格

・PHP認定上級ビジネスコーチ
・JCDA認定CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
・米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー

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