双方向コミュニケーションがポイント イマジンプラスのスタッフ研修
- お役立ちインタビュー
目次
掲載企業DATA:株式会社 イマジンプラス
商号 | 株式会社 イマジンプラス |
設立 : 創業 | 平成9年(1997年)4月7日 / 設立 平成15年(2003年)10月24日 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿1-10-1 MY新宿第二ビル3F |
事業内容 | デジタルコミュニティの総合人材サービス(一般労働者派遣事業、有料職業紹介事業、デジタル関連製品の販促支援、請負受託事業、アウトソーシング事業、教育研修事業) |
01 ヒューマンクオリティを向上させてこそ企業価値は高まる。
少子高齢化とグローバリゼーションが加速する昨今、大量生産、大量消費の概念は崩れ去ったと言っていいでしょう。企業価値を高めるポイントは『量』から『質』へ完全にシフトしました。企業にとって提供する商品やサービスのクオリティ向上は至上命題。メーカーはもちろん、物としての商品を持たないサービス業に至るまであらゆる手を使ってこの課題に取り組んでいます。
では、クオリティ向上の根幹となるものはなんでしょう。それは人です。ヒューマンクオリティの向上なくして企業クオリティの向上はあり得ません。特にそれが如実に現れるのが人材サービスの分野。サービスの質を高めるためのスタッフ教育が、スタッフのキャリアアップにも直結するということもあって求職者からも高い人気を誇る業界です。
そこで今回は高度なスタッフ研修制度を導入し、サービスクオリティの向上とともに、スタッフからのロイヤルティ向上も実現していると噂のイマジンプラスでお話をうかがいました。
02 知識の詰め込みではない真の“即戦力”とは
「派遣される仕事場が異なれば、求められる実務内容も当然異なります。それなのに研修内容が画一的というのはおかしいですよね」と、切り出したのは同社セールスプロモーション事業グループインストラクターの市川さん。今までに数え切れないくらいのスタッフに対して研修指導してきた経験をもとに、効果的な研修のポイントを教えてくれました。
「スタッフ研修というとワードやエクセルの講座が定番ですね。基本的な機能を使って一般的な社内文章を作ったりすることが多いと思うのですが、じつはこれって現場ではあまり必要なかったりします。エクセルの関数を全て頭に入れていなくても、ワードのフォントを全て知らなくても、要は派遣される企業で何を必要とされているかが重要なわけです。企業が求めているのは即戦力ですから、まずは必要最低限、それも企業のニーズに合った知識と技術を身に付けてもらいます。『木』全体を最初から見ようとするのではなく、まず美味しい『実』の部分をもいでもらう。その後、『木』全体を見たければ、より高度な研修を受けてもらうという流れですね」
研修で使用するテキストもオリジナル。一般的な入門書を使うと、どうしても『実』だけを抽出するのが難しいので必要な部分だけを抜粋してニーズにあった内容に作り変えるのだそうです。さらに、知識と技術の詰め込みだけに終わらないのがイマジンプラス流。
「詰め込み型の研修だと現場での応用ができなくなってしまいます。研修を通じて『なぜ?』『どうして?』と考えてもらえるような内容になるよう注意しています。例えば明朝やゴシックというフォントがありますよね。なぜ、ある場合は明朝を使い、ある場合はゴシックを使うのかまで考えてもらう。ファックスで文章を送ったときに明朝だとかすれて読みづらいとか、その場その場で判断できるようになってもらいたいのです。気配りや機転と言い換えられるかもしれませんね。これができるようになると、仕事に対する心構えまで変わってくるんです」
こうした同社の研修メソッドは企業からも高く評価されています。新入社員研修や幹部研修、新しいソフトを使うことになった際の導入研修など、他社の教育コンサルティングも実践しています。これはつまり、同社のスタッフが企業の現場を直接肌で感じているということでもありますから、現場の生の声を得られるというメリットも生まれるというわけです。現場で何が求められているのかをスタッフ研修にフィードバックできるというのは同社ならではの強みです。
03 密なコミュニケーションこそが企業価値向上への近道となる
人材派遣と並び、同社事業の柱となっているのがセールスプロモーション部門。パソコン、ソフトウェア、デジタルカメラ、携帯電話などの店頭支援を全国主要都市で展開し、各方面から高い評価を得ているといいます。これももちろん人材派遣と同じく細やかなスタッフ研修に加え、密なコミュニケーションの賜物だと市川さんは言います。
「スタッフには仕事の始めと終わりに必ず電話を入れてもらうようにしています。メールにしてしまえばコストも手間も削減できるのですが、そうするコミュニケーションが希薄になってしまいます。『寒いから体調に気をつけてね』『日曜でお客様が多いと思うけど頑張ってね』なんていう何気ない会話が、実は重要なんです。スタッフの不安や不満を汲み上げるチャンスでもありますしね。大抵のクライアントは10時~11時に始業なので、その時間は弊社もスタッフからの電話で大忙し。でも、このシステムが弊社からなくなることはないでしょうね」
このようなアットホームな雰囲気作りはスタッフのロイヤルティ向上にも非常に役立っているそうです。同社の新規登録スタッフのおよそ3分の1は友人からの紹介。楽しく、快適に働けたという口コミが広まり、スタッフ間の輪が広がっているのだそうです。さらに、ロイヤルティが向上すれば離職率も低く抑えられます。口コミで自然とスタッフが集まり、既存スタッフの離職率が低くなれば求人にかけるコストの大幅な削減が可能です。これは他業態の企業にとっても非常に参考になる話ではないでしょうか。
では、このようなアットホームな職場の雰囲気作りに必要な要素とは何なのでしょう。
「当たり前のことかもしれませんが、会話は重要です。コミュニケーションと言い換えてもいいでしょうね。それも用件があるときだけこちらから一方的に連絡する片方向ではなく、スタッフ側からも気軽に連絡できるような双方向のコミュニケーション。始業と終業のときの何気ない会話や、研修中の何気ないやり取りで、スタッフの不満や不安を取り除いて安心感を与えてあげることができるのではないでしょうか」
効率だけを追い求め、目先のことにとらわれればスタッフとの密なコミュニケーションは企業にとってデメリットが大きいかもしれません。ただ、長い目で見れば、こうした双方向コミュニケーションによって育まれたヒューマンクオリティこそが企業の宝となりそうです。