【セミナーレポート】<令和の新しい店舗人事戦略セミナー 第3回> 店舗社員の流出を食い止めるカギはオン・ボーディングにあり! ~“定着”というワードのパラダイム転換~(2020年9月17日開催)

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接客・サービス業の現場にある人事課題を支援しているパーソル総合研究所 フィールドHRラボとアルバイト・パート採用管理システムのHITO-Managerを運営するパーソルプロセス&テクノサービス SEEDSカンパニーが協同でオンラインセミナー(全5回)も第3回に突入。

今回は、2020年9月17日に行われた<店舗社員の流出を食い止めるカギはオン・ボーディングにあり! ~“定着”というワードのパラダイム転換~>のレポートをお届けします。

登壇者

株式会社パーソル総合研究所 フィールド HR ラボ 責任者 日比谷 勉
日本マクドナルド株式会社採用部門責任者として、様々な新しい採用戦略を実施し、
計100万人のアルバイト・パート採用を推進。 “e-Recruiting 戦略の一環で
開発した自社運営のアルバイト求人サイト「マック de バイト」と一括応募を可能とした
コールセンター設立による功績は、全世界でトップ 1% の優秀な業績を残した従業員に贈られる「プレジデントアワード」を
受賞。 2018 年4月、株式会社パーソル総合研究所入社。アルバイト・パート領域に特化した調査・研究・コンサルティングを行う「フィールド HR ラボ」を設立。

“定着”というワードのパラダイム転換

今回のセミナーでは冒頭に「アクションとリアクションの違いは何か」について問いかけがありました。
チャット上では様々な意見が飛び交いましたが、
リアクション=反応で、アクション=(主体的な)行動』と日比谷氏は定義しています。
現代では、新卒でさえも3年で3割が退職し、アルバイト・パートに至っては初日からバックレにあうこともあれば、
せっかく仕事を覚えてきた入社1か月や、やっと慣れてきた入社6か月等の早期離職も目立ちます。
『バックレや早期離職に遭うとどうしても「いかに辞めさせないか」を目的とした近視眼的な施策を考えてしまいがちですが、それではただのリアクションになってしまいます。人事が行うべきは、人が辞めない組織を作るための主体的なアクションとしての定着施策です。』(日比谷氏)

人が辞めない筋肉質な組織を作るために取るべきアクション例として複数紹介がありましたが、
その中でもまずは「育成」に注力をすべき、と日比谷氏は強く推奨します。
バケツの穴が空いている状態なのに、蛇口から水を流してもバケツに水はたまらないのと同じで、
まずは水をしっかり貯めておける容器(=職場)を用意することが大事であるのは、理にかなっている気がします。

スタッフ定着を実現する“オンボーディング“プログラム

特に早期離職の防止には、『入社直後の初期教育が非常に肝要で、「オンボーディングプログラム」等でケアすることが必要』と日比谷氏。
パーソル総合研究所が行った「パート・アルバイト一般従業員調査/離職者調査」の結果でも、
1か月以内の退職者の退職理由の内第3位に「仕事中の放置」がランクインしています。
   1位 面接時の説明と仕事の量が違う  
   2位 面接時の説明と仕事の内容が違う 
   3位 仕事中にほったらかしにされることがよくあった
   4位 入社前のイメージよりも仕事の量が多い 
   5位 入社前のイメージよりも仕事に厳しい雰囲気の職場
※1か月以内の退職者は、採用者数全体の22.1%

オンボーディングとは、“飛行機や船などの乗り物に乗っている“という意味の「on-board」から派生した言葉で、企業が採用者を職場に配置し、その組織の一員として定着、戦力化させるまでの一連のプロセスを意味しております。

『オンボーディングプログラム導入のポイントは、人事自らがバイト初日や自社での勤務初日を思い出し、当時の不安を払拭してあげることです』(日比谷氏)

確かにバイト初日は、「仕事を覚えられるかな」「厳しい店長ではないかな」「「頼りになるベテランさんがいるといいな」など不安は尽きません。

日比谷氏の紹介するオンボーディングプログラム導入のポイントは、3つ。

それぞれの要点は以下の通り。

①仲間として受け入れる

ポジションパワーを有する責任者が必ず出迎え&セレモニーを実施する
出来る限り多人数で新入社員の初日を歓迎をする
職場の整理整頓/設備補修・備品準備

②不安を取り除く

期待をする役割と責任を初日に伝える
実務研修の情報はまだ伝えない
話すよりも“聴く”

③小さな成功体験をさせる

誰がマンツーマンフォローするか明確にする
自社のビジネスに関わる小さな成功体験を初日に実感させる

日比谷氏が責任者を務める フィールドHRラボでは、早期離職の課題を抱えている企業様に対し、
オンボーディングプログラムの導入支援を行っているそうなのですが、あるスーパーA社様では、
入社90日以内の離職率が26%あったところ、オンボーディングプログラム実施後なんと離職はたったの2%へ改善されたそうです。(92%Down)。

日比谷氏は最後に『オンボーディングは、Employee Experienceのスタート地点です。
一緒に働きたいと感じた人には、その人が結果を出す為の環境づくりに会社はコミットすべきではないでしょうか。』のメッセージを残し終了。

以上、『令和の新しい店舗人事戦略 』 セミナー 第3回 【定着】店舗社員の流出を食い止めるカギはオン・ボーディングにあり! ~“定着”というワードのパラダイム転換~ でした。

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