【セミナーレポート】<令和の新しい店舗人事戦略セミナー 第5回> ここまでやる!累計100万人を採用した 元マクドナルド採用責任者のATSデータ活用ノウハウ ~お悩みの常連 ”ステータス入力不足” への処方箋~

  • セミナーレポート

 

接客・サービス業の現場にある人事課題を支援しているパーソル総合研究所 フィールドHRラボとアルバイト・パート採用管理システムのHITO-Managerを運営するパーソルプロセス&テクノサービス SEEDSカンパニーが協同でオンラインセミナー(全5回)の最終回。

2008年に自社採用HP、採用管理システムを開発・導入された日比谷氏が、
どのようにシステム運用を浸透・データ活用していたのかについて話された内容について、レポート致します。

登壇者 1

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 SEEDS COMPANY 野田 歩美

大手外資系アパレル会社にて10年間ストアマネージメント業務に従事。リファラルやスカウト型採用を駆使して人員充足を達成し、採用難店舗にてCS改善率全国1位、売上達成率上位ランクインを実現。
その後、医療・福祉系人材紹介会社にて、営業とキャリアアドバイザーの双方を担当。
採用困難な地方エリアでのサービス立ち上げに貢献し、営業売上BEST5にランクイン。
2019年11月、パーソルプロセス&テクノロジー(株)入社。
圧倒的現場感を持った採用コンサルタントとして大手企業を中心に担当。

登壇者 2

株式会社パーソル総合研究所 フィールド HR ラボ 責任者 日比谷 勉

日本マクドナルド株式会社採用部門責任者として、様々な新しい採用戦略を実施し、
計100万人のアルバイト・パート採用を推進。 “e-Recruiting 戦略の一環で
開発した自社運営のアルバイト求人サイト「マック de バイト」と一括応募を可能とした
コールセンター設立による功績は、全世界でトップ 1% の優秀な業績を残した従業員に贈られる「プレジデントアワード」を
受賞。 2018 年4月、株式会社パーソル総合研究所入社。アルバイト・パート領域に特化した調査・研究・コンサルティングを行う「フィールド HR ラボ」を設立。

【セミナー前半】採用管理システムとは?

前半部分では、野田氏からよく寄せられる採用課題に対し、採用管理システム「HITO-Manager」の機能を通じた解決方法を紹介。今回は、採用管理に着目。

課題その1:選考に時間がかかり、優秀な人材を他社に取られてしまう

応募が入ったのに気づくのが遅れたり、後で電話をかけ直そうと思っていたのに忘れてしまったり・・・。
日々お忙しい店長様、採用担当者様なら一度は経験があるかと思いますが、
HITO-Managerの「応募情報自動取り込み機能」「応募通知機能」を使えば、通知は同じメールアドレスから発信されるので見逃しを減らすことが期待できそうです。

課題その2:日々のオペレーション業務で忙殺されている

『応募が来てくれるのはありがたいけど、応募の御礼メールや面接調整等で工数過多になっている担当者様も多いのではないでしょうか?この点について、HITO-Managerでは、「カレンダー連携を通じた面接予約枠設定」「自動返信メール機能」を活用することで、その工数を削減できます』と野田氏。

課題その3:採用課題がわからないデータ分析・蓄積ができていない

採用管理システムを検討される企業様の多くが、このお悩みを解決されたいと思っているのではないでしょうか。
「応募情報自動取り込み機能」をつかうことでデータの一元化はできますが、そこからの分析がまた一苦労。
HITO-Managerでは、ボタン一つで求人媒体別に費用対効果を算出できたり、選考フローのどこで歩留まりが起きているのか見える化できる機能があるようです。
データ掃き出しも可能なので、レポーティング工数の削減につながったという声もあるようです。

便利な採用管理システムですが、
「店長たちがしっかり選考フローのステータス情報を入力してくれるかな」
「便利になるのはわかるけど、具体的にどんなことに役立つの?」
と感じる方の為に、セミナー後半にて、日比谷氏から浸透方法と具体的な活用例をお話し頂きました。

【セミナー後半】 採用管理システムの導入施策

2008年に自社独自の採用管理システムを開発した日比谷氏。2018年に退職するまでの10年間、そのシステムを自ら使用し、改良してきた中で、ATS導入時の考え方として一番大事なのは、『本社と現場がそれぞれの役割を全うし、全社で取り組むこと』とのこと。
いかに店長が使いやすい仕様にするか、「使ってよかった!」と思ってもらえる情報を届けるかを強く意識していたそうです。

浸透のステップとしては、マーケティング用語にもある「AIDCA」でまとめられており、
社内に対しても原理原則に従って企画されている点が、興味深いです。

具体的には・・・
< Attention & Interest >
日々店舗で忙しくされている店長に新たな業務をお願いする際は、やはり気を遣います。
『「“また”なんかのシステムが入るの・・・?」と出鼻から拒否反応を起こさない為にも、
施策名を工夫し、ポジティブなマインドで説明を聞いて頂けるようにすると良いです。』(日比谷氏)

<Desire>
『使ってみたいと思って頂く為に、店長自身にどんなメリットがあるのか、それはどのタイミングで、誰からフィードバックを受けられるのか、しっかりイメージできるように初めから伝えることが重要です。店長たちの心をぐっとつかみに行きます』(日比谷氏)

―ここまでが運用前の準備で、次に運用後についてです。

<Conviction(確信)>
『実際に運用が開始し、店長たちが忙しい合間を縫って入力してくれたデータがどのように活用されたのか、定期的に情報発信をしてきます。』(日比谷氏)
さらに、例えば有料求人メディアを使用する際は、「〇月〇日から掲載しますので、自社HPの応募も増えると思います。ぜひ体感してください!」などのアナウンスをしておくと、本社施策と現場への反響を実感しやすくなり、相互理解が深まるとのことです。
本社と現場との関係性に悩んでいる担当者様は、まずは上記のように施策の効果に実感をして頂くことから始めるのもいいかもしれません。

最後のAは、Actionなので、採用管理システムでいうと「応募者の対応ステータスを入力する」などの行動になります。

このAIDCAに則って行われた具体的な行動が示されているのが、下のスライドになります。
特に全国店長・オーナー会議での展示/デモ実施はかなり回数を重ね、導入後も長らく定期的に行っていたといいます。
やはり、多くの人の意識と行動を変える必要があるため、施策浸透は長期戦になるんですね。

最後に、現場での運用を定着させるために提案できることとして、下の3つを挙げています。

1.最初からシステムに備わっている機能をすべて使いこなすのではなく、段階的な目標を設け、徐々に慣れを作っていくこと
2.入力未徹底の方がいれば、その旨を連絡し、なんどでも協力を仰ぐこと
3.店長不在時に入った応募者に対しても、速やかかつ、丁寧な対応ができるよう、店長とは別に運用担当を1名~設けること

についてお話し頂きました。
採用管理システムの運用を現場に習慣化してもらうには、本社側の仕組みづくりが非常に大事だということが、わかりました。

以上、『令和の新しい店舗人事戦略 』 セミナー 第5回(最終回)  ここまでやる!累計100万人を採用した
元マクドナルド採用責任者のATSデータ活用ノウハウ ~お悩みの常連 ”ステータス入力不足” への処方箋~ でした。

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