【特別企画】 ヨッピーのアルバイト密着レポート 今風ギャルのバイト観を黒ギャルカフェでチェックしてきた

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【特別企画】 ヨッピーのアルバイト密着レポート 今風ギャルのバイト観を黒ギャルカフェでチェックしてきた

若年層を中心にアルバイト求職者が増加する4月。この時期に新しいスタッフを確保して、お店のパワーアップを図りたいと考えている店長や採用担当者の方も多いはず。ところが、若者たちの個性的な見た目やイメージにとらわれて、せっかく来た応募者の採用を見送る場合や、採用しても接し方に困るケースも……。彼らの内面や本質をきちんと見ようとしていますか?

今回は、ネット界の風雲児(?)ヨッピー(Twitter @yoppymodel)がイマドキの若者たちのバイト先へ乗り込み、現場のリアルな声を聞いてきました! 今後の採用活動やスタッフとの接し方のヒントになるかも?

こんにちは。ヨッピーです。今日は、これから渋谷のとあるカフェにお邪魔します。

その名も……、

ガングロカフェだーーーーーー!

ガングロカフェこと「CAFE&BAR GANGURO」は、強め黒肌ギャルサー「ブラックダイヤモンド」のメンバーに会えるカフェ。店名の通り、真っ黒に日焼けした黒ギャルたちがたくさん働いているそうです。

お店の方には事前に「ざっくり言うと、メイド喫茶の黒ギャルバージョンです」と説明されたのですが、「ん?? 変なケムリでも吸ったのかな?」と頭の中にクエスチョンマークしか浮かばなかったので、実際に見学させてもらうことにしました。

といいますのも、今回は店長や採用担当者向け情報サイト「アルバイトレポート」の企画で、
「イマドキの若者のバイト事情を密着レポートしてほしい」

と依頼されたのであります。

よっしゃー! 黒ギャルたちのバイト事情をいろいろ聞いてみるぞー!」

じゃん! そんなわけでやってきたのがこちらのガングロカフェであります。
夜はまったく別の普通のバーとして営業しており、昼間の空いている時間を借りて、ガングロカフェをオープンしたらしいです。

スタッフさんは見事なまでに黒ギャルぞろい!

爪がすごすぎる。暗殺とかできそう。

あと、スタッフのみなさんの私物が普通にその辺に散らかってます。「ギャルは荷物が多いから仕方ない」とのこと。

なんでも、大量のお化粧道具や、ハイヒールで歩き疲れた時のために、歩きやすいクロックスやムートンブーツなども一緒に持ち歩くから、必然的に荷物が多くなるらしい。

そんなド派手な黒ギャルのみなさんが、カウンターで一生懸命協力して何かを作っているのでのぞいてみた。

ヨッピーさん

「何これ? 毒?」

このみんさん

「失礼な! 毒じゃないですよ! たこ焼きみたいなやつ!」

こちらはたこ焼き粉にイカスミを入れて作る「ガングロボール」というオリジナルメニュー。やっぱり「ガングロカフェ」ということで、黒にちなんだメニューがあるらしい。

ヨッピーさん

「ド派手な姉ちゃんたちが毒物を焼いてるのはシュールすぎる光景」

焼きあがったのがこちら。見事に真っ黒です。

ヨッピーさん

「ひょっとして墨汁入れた?」

このみんさん

「入れてません」

ちなみに、この「ガングロボール」にはチーズが入っていて、マヨネーズとケチャップをかけて食べるのであります。味は普通でした。よかった……。

そんなわけで、黒ギャルのみなさんに「バイト観」について聞いてみた。

■ 黒ギャルとバイトの相性

まずは、こちらの「みるくす」さん。学生をしながらこのガングロカフェで週1~2日働いているそうです。これまでのバイト経験は居酒屋や日焼けサロン等々。

みるくすさん

「やっぱり、髪の毛の色とか爪に関しては厳しい所が多くて、面接でよく落ちます」

ヨッピーさん

「なるほど。確かに見た目で選ばれると厳しいかもしれんね」

みるくすさん

「そうなんですよ。仕事は一生懸命やるのに! 私、前に浅草の居酒屋でバイトしてたんですけど、外国人観光客が多くて、そういう人たちにはすごくウケがよかったんです。『オー! ワンダフル!』みたいな。お正月だってちゃんと出勤して、浅草だから初詣のお客さんの数がすごくて、夜中に足りなくなったお米を買いに行ったりしましたからね!」

ヨッピーさん

「ふむ。黒ギャルでも仕事はちゃんとやるってことだね!」
バイト募集をかけても全然人が集まらないとお困りの店長は、「服装・髪型自由!」なんてアピールすると、黒ギャルたちから応募が殺到するかもしれませんね。

「はるたむ」さんは、「ブラックダイヤモンド」が手掛けるアパレルブランド「GALEO(ガレオ)」のプロデューサーとして活躍中。ガングロカフェには週1~2日出ている彼女は、意外なバイト経歴の持ち主でした。

ヨッピーさん

「今までのバイトで何か得意なことってあった?」

はるたむさん

「私、前にメイド居酒屋で働いていたんですけど」

ヨッピーさん

「え、黒ギャルでメイドやってたの!?」

はるたむさん

「そう。金髪NGだから、ウィッグかぶって。その店のなかで、もらっていたドリンクバック(※)はずっと1位でしたよ!」
(※接客したお客さんの注文に応じて得られるインセンティブ)

ヨッピーさん

「おぉ、それはすごい! 何かコツとかあるの?」

はるたむさん

「お客さんのグラスをこまめにチェックして、空いていたら『おかわりいかがですか?』って声をかけるようにしてました。あとはドリンクのすすめ方かな? ノリよく注文を聞きにいくと、結構喜んで頼んでくれるんですよね」

ヨッピーさん

「なるほど。ノリ勝負なら確かにギャルは強そう」

はるたむさん

「やるからには一番を目指したいし、いろいろ工夫してました」

ちなみにガングロカフェの店長は、こちらの「このみん」さん。 現在は週4日勤務。今までにギャルカフェなどでのバイト経験があるそう。

このみんさんに黒ギャルのスタッフたちの働きぶりを聞いてみた。

ヨッピーさん

「みるくすさんは『仕事はちゃんとやる!』って言ってますけど、実際どうですか? 遅刻したりしません?」

このみんさん

「わりとみんな遅刻しますね」

「おい! 話が違うじゃねぇか!」

ヨッピーさん

「まぁでも、私はそれも個性だと思ってるんですよ。みんなが同じだとつまらないじゃないですか。白い目で見られることもあるけど、それも個性だし。やっぱりギャルって個性が強い子が多いから、変に枠にはめようとしたらいいところもなくなっちゃうと思うんです。このお店は伸び伸びと、みんなで仲良く働ける店にしたいから、叱ったりせずに他のスタッフで助け合ってお店を回しています」

ヨッピーさん

「なるほどねぇ……。なんか上手いこと言いくるめられてしまった」

■ ギャルが「働きにくいお店」

ピンクの髪が鬼盛りの「りせ」さん。自称カリスマニートですが、現在は週に1~2日ガングロカフェでバイト中!

ヨッピーさん

「逆に『こういう店では働きたくない!』みたいなのってありますか?」

りせさん

「やっぱりスタッフ同士が仲良くない、ギスギスしたお店は嫌ですね。人間関係が一番大事だと思います」

ヨッピーさん

「なるほど。人間関係がいい職場ってどんなの?」

りせさん

「普段から仲間と一緒に飲みに行けたりとか。あとは、店長がすごく頑張ってたりすると、『私も頑張らなきゃ!』ってなる。自分は仕事しないのに怒ってばっかりだと、やる気がなくなりますよね」

ヨッピーさん

「まぁ、それは一理あるな。店長とバイトの距離感ってどれくらいがいいもんなの?」

りせさん

「それは相手によるのでなかなか難しいんですけど、あんまりプライベートまで突っ込んで来られたら嫌かも。『彼氏と最近どう?』とかそういう事まで聞かれると『えっ』ってなる。もちろん、すごく仲が良い店長なら構わないんですけど」

ヨッピーさん

「ふーむ。バイトとはいえサラリーマン社会とあんまり変わらんね。仲良くない上司にそういうこと言われると、『ほっとけ!』ってなるし。なかなか難しい」

■ ガングロカフェの野望

ヨッピーさん

「ちなみに、このお店はオープンしたばかりだけど、今後どうするつもりなんですか?」

このみんさん

「ぶっちゃけ、このお店は外国人観光客向けにしたいんですよ。もちろん普通の学生さんとかサラリーマンのお客さんも多いんですけど、ギャル文化って日本独特なものなので、外国人のウケがすごくいいんですよね。だから、渋谷の名物みたいにしちゃって、渋谷に遊びに来る外国人がついでに寄っていくような店にしたいんです」

ヨッピーさん

「なんかいきなり話が高度になった」

このみんさん

「ちなみに、常に英語が出来るスタッフが最低一人はいるようにシフトを組んでます。今日はゆりたぬがそうです」

この日はこちらの「ゆりたぬ」さんが英語担当スタッフ。英検一級持ってるそうです。すごすぎだし見た目とのギャップがありすぎ。

このみんさん

「秋葉原のメイドカフェって外国人観光客も多いじゃないですか。あんな感じで『日本独自の文化』としてギャル文化を世界に発信していきたいです」

ヨッピーさん

「しっかりしすぎてて怖いわ」

■ ギャルにしてもらおう

そんなわけで話も聞いたところで、ガングロカフェのサービスにある「ギャルメイク」を施してもらった。

こちらでギャルにしてもらって、大喜びで写真を撮りまくる外国人も多いらしい。

そして、出来上がりがこれ。

ギャルメイクのヨッピーさん

「ギャルと言うよりもどこかの部族の長やね」

黒ギャルの仲間入りをした証としてパラパラを教えてもらう僕。ファンキーなオカマにしか見えない。

見た目はド派手な黒ギャルのみなさんですが、仲間を大切にしたり自分たちの個性を生かして頑張っていたり、意外にもしっかりした考え方を持って働いていることがわかりました。

個性を大切にしているイマドキの若い子たちの価値観を真っ向から否定するのではなく、まずは考えをきちんと聞こうとすれば、いい関係を築けるはず。仲間を大切にする若い子たちは、しっかりと店を助けてくれる心強い戦力になるかもしれません。

みなさんもガングロカフェに行って、彼女たちの内面や働きぶりを確かめてみてはいかがでしょうか!

<取材協力>
CAFE&BAR GANGURO
東京都渋谷区宇田川町34-6 M&Iビル5F A室▼CAFE&BAR GANGURO公式サイト
http://ganguro.jp
▼Black Diamond公式サイト
http://blog.crooz.jp/bdia
▼Black Diamond Twitterアカウント
https://twitter.com/bdiajp

 

<編集後記>
~個性を大切にする「普通の若者」~
世の中のいろいろな個性を持つ人たちに、アルバイトに関する生の声を聞く本企画。第1回は「黒ギャル」にスポットを当ててみました。「イメージと違っていた」「採用してみてもいいかな」と思っていただけた方もいるのではないでしょうか。

実際に黒ギャルのみなさんにお会いしてみても、見た目の印象とは裏腹に、良い意味で「普通の若者」という印象を受けました。一昔前にテレビなどで見かけたギャルのイメージとは異なり、取材で接した黒ギャルのみなさんは受け答えもしっかりしており、言葉遣いも同年代の若者と変わらないように思えました。むしろ、その場の空気を読んでコミュニケーションを取る能力は、同年代と比較して高いかもしれません。

では、黒ギャルのように、外見にこだわりを持つ人たちをアルバイトで雇用する際、店長や人事担当者の方々は何に気をつければいいのでしょうか?

~外見への柔軟な対応を!~
髪の毛やつけ爪などを禁止しなければ、確かに応募は集まるかもしれません。しかし、店舗や職場のイメージにそぐわないことがあることも事実です。

そこで、例えばバイト中だけ「ウィッグを被ってもらう」「つけ爪を外してもらう」「メイクを少し控え目にしてもらう」といったことを、面接で提案してみてはいかがでしょうか。お互いに歩み寄ることができれば、新しい採用の可能性が見えてくるはずです。

今後もさまざまな人々の声を聞いて、みなさまにお届けしてまいります。ご自身と比べながら、価値感や考え方の多様性について理解を深めていただき、採用活動に役立ていただければ幸いです。次回もぜひお楽しみに!

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