「不況時の採用」 パーソルプロセス&テクノロジー株式会社執行役員 田中 宏彰

  • 企業採用成功事例

 

4月の有効求人は0.46倍と過去最低を記録しました。不況の波は採用・雇用の現場を直撃し、採用を担当されている方は肌で厳しさを感じていることと思います。2007年4月が1.04倍ですから、数年で需給バランスが一気に逆転したことになります。当時は大量出店、大量採用が続いていたため、とにかく人数を確保するために各社知恵を絞っていました。環境が変わり採用ニーズも量から質へと変化してきている現在でも採用プロセスは昔の名残が残っているように思います。“不況時の採用”を乗り切るための留意点について考えてみたいと思います。

~不況下だからこその人材確保術~

数年前までは条件ハードルの低い求人広告を載せ、できるだけ大きな母集団を作ることが採用のセオリーでしたが、この環境下では求人広告にスクリーニング機能を持たせることが必須です。「厳しい条件を提示して、まったく応募が来なかったらどうしよう…」そんなかつての苦い経験から、ついハードルを下げた求人広告を掲載してしまいがちです。「週5日勤務」「経験者歓迎」など、実際に求めている条件を明記した、いわゆるキビシめの原稿でマッチング率の高い母集団形成をすることをオススメします。

今、本当に欲しい人材はどのような人材なのか、今一度考えてみてください。現在活躍されているアルバイトさんがどういった人材であるかを思い浮かべ、より具体的に求人内容を掲載すること。それこそが、企業にあう人物を採用できる近道となります。

優れた人材を採用することはサービスの向上につながり、ひいては企業全体の向上につながります。また、高いマッチングは企業側だけではなく、応募者にもメリットがあります。採用前に抱く仕事内容のイメージと、実際の仕事の内容とのギャップが少なくて済み、離職防止へとつながるのです。

~応募者は明日のお客様。誠実な対応が何より大切~

現在、採用の現場では、企業側が優位に立っています。反面、ややもすると応募者を軽視してしまいがちになります。日ごろの業務に追われて、つい応募者への対応がずさんになってしまったり、電話口での応対がいいかげんになってしまったり。企業側に全く悪気がなくても、応募者が大きな不満を抱いているケースが少なくありません。

「応募者は明日のお客様である」人材に携わる人間として、私たちが常に忘れないようにしている言葉です。応募者の声に耳を傾けることこそが、企業と人材のマッチングをはかる上で一番大切な“原点”ではないかと考えます。ひとつの求人案件に対して多数の応募が見込まれる今だからこそ、応募者ひとりひとりに、誠実な対応を心がけたいものです。

~最後に~

2009年4月の完全失業率(季節調整値)は、5.0%となりました。(総務省より)
この5%という数字を減らすことができればと、弊社では常に考えています。この数字に一企業ができることはわずかであるということもまた現実ですが、皆様と共に力を合わせ、失業率に歯止めをかけるべく影響を与えることができればと願っています。

田中 宏彰 / Hiroaki Tanaka
1996年獨協大学外国語学部卒業。1996年パーソルプロセス&テクノロジー株式会社入社。パーソルプロセス&テクノロジーが運営していたアルバイト求人サイトの事業責任者を経て、2005年1月同社執行役員就任。2006年7月、学生援護会との経営統合後より、メディアディビジョン商品企画担当。現在に至る。

2009年6月24日現在

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