就職難で大学生の働く意識がUP!モチベーションの高い「大学生」活用を考える

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「アルバイトに取り組む真剣さが増した気がする」
最近の大学生に対し、こんな感想を持つ採用担当者も多いのではないだろうか。
背景には、昨今の就職難による危機感があるようだ。
いま大学生がアルバイトに対してどのような意識を持っているか探ってみた。

今月のポイント

就職難を背景に、大学生のアルバイト選びも「社会人になって役立つもの」を重視。ビジネスマナーや社会人としてのスキルが身に付くことをより求めている。
働く意識の高い大学生が集まりやすい今、募集時に「社会人の準備の場」だと具体的にアピールすることは、人材確保の点で有効だと考えられる。

調査概要

■調査方法
インターネットリサーチ
■調査対象
現在四年制大学に在学中の大学生(全国)
■調査時期
2010年2月8日 ~ 2月11日
■サンプル数
計800人 (各学年200人×4学年)

1 大学1、2年生も就職難へ強い危機感

就職対策として「アルバイト選び」が16.9%を占める
まずは、大学生が「就職難」をどう捉えているか調べてみた。

最初に「実体験として、あるいは先輩を見て就職難だと感じたことはありますか?」という問いに対し、全体では75.0%が「ある」と答えている。学年別では、大学2年生がもっとも多く「77.0%」。もっとも少なかった4年生でも71.5%だった。各学年とも、高い割合で「就職難」を感じ取っていることがよくわかる。

次に「就職活動のために何か対策をした、またはしようと思っていますか?」(以下、すべて複数回答)という問いに対しては、「資格を取る」が最多回答となり、全体の53.5%に達したが、とくに大学1、2年生での回答が目立って多かった。一方、3、4年生はすでに就職活動が始まっている、または間近ということもあり、資格取得よりも時間を要しない「本を読む・就職試験の勉強をする」がもっとも多かった。また、「就職活動で役に立つようなアルバイトを選ぶ」も、全体で16.9%に達している。

Q1: 実際に体験して、もしくは先輩を見て、あなた自身は就職難だと感じたことはありますか?

Q2: 就職活動のために、何か対策をした、またはしようと思っていますか?

2 バイト選びの新基準は「社会で通用する人材になる」

得たいのは言葉づかいやビジネスマナー、社会経験

では、就職活動に危機感を抱く大学生は、アルバイトをどう捉えているのだろうか。「就職活動を意識してアルバイトを選ぶ際、何を重視しますか?」と質問したところ、もっとも多かった回答は「言葉づかいやビジネスマナーを学べること」(70.1%)。次いで「社会人と接することができること」(62.5%)、「人とは違う体験ができること」(45.8%)と続く。

また、「それを重視したのは、どんな理由からですか?」という問いでは、2位「履歴書・面接の際にアピールしたいため」(50.0%)や3位「何かやっておかないと不安なため」(38.2%)を大きく引き離して、「社会に出てもすぐに通用できる人材になりたいため」(72.2%)が1位となった点に注目したい。従来の大学生のように、アルバイトを面接時のアピール材料のひとつとするのではなく、もっと大きな期待を込め、社会に出るための経験、あるいは自信を高める場ととらえている。そんな大学生が今の主流と考えるべきだろう。

Q3: 就職活動を意識してアルバイトを選ぶ際、何を重視しますか?

Q4: それを重視したのは、どんな理由からですか?

3 アルバイトは「社会人への準備の場」

人気職種は「接客」「営業」「講師」

では、具体的に就職活動にはどんな職種のアルバイトが人気なのだろうか。「就職活動に有利だと思うアルバイトはどれですか?」での質問でベスト3となったのは、1位「接客(フード、アミューズメント)」(50.5%)、2位「営業」(45.8%)、3位「講師・インストラクター」(32.1%)の順。

理由を聞いたところ、「敬語を正しく使えるようになる」、「基本的なマナーや自然な笑顔など、相手に好感を持ってもらえることが身に付く」など社会人マナーを習得したいという意見や、また「対面販売など、仕事の基本がわかりそう」「人間関係での経験は今後の自分にプラスになるはず」「世代の違う人との会話に、今から慣れておく」「社会人になる前に、社会の仕組みや人間関係を肌で感じたい」といった社会で生きるための経験を積みたいという声も目立った。加えて、「論理的に物事を説明できるようになると思う」「プレゼン力がつく」「多くの人を相手に動じなくなる」など、働いた後のことを想定した回答も少なくなかった。

こういった意見を集約していくと、アルバイトを「社会人の準備」と明確に位置づける大学生像が浮かび上がる。それは同時に、企業側が、働く意識の高い大学生を採用できるチャンスとも考えられる。この好機をぜひ活かし、まず募集時には「社会人の基礎が学べる」、「就職後に役立つスキルが身に付く」といった打ち出しでアピールをすることが、モチベーションの高い大学生確保に有効であろう。そして採用後には、言葉使いやマナーを厳しく指導したり、経験を積めるような機会を与えたりすることが、大学生のモチベーションを更に上げ、ひいては店舗(企業)全体の売上アップや従業員全体の活性化につながるのではないだろうか。

Q5: 次のうち、就職活動に有利だと思うアルバイトはどれですか?

vol.35 : PDFダウンロード

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