主婦/主夫は即戦力になる!?データから“主婦/主夫”を知り、雇用につなげる

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社会人としての経験を持ち、スキルも身についている主婦/主夫層は、即戦力として大いに期待できる人材と言えます。では、どのようにしたら有能な主婦/主夫層を雇用につなげることができるのか──主婦主夫を対象とした求職者調査の結果をもとに、そのポイントを探ってみました。

主婦/主夫がアルバイトをするきっかけとは?

1年のうち、主婦/主夫の求職活動が最も活発になるのは9月。一方、7・8月と12月は応募数が減少する傾向にあります。高校生や大学生の子どもを持つ主婦にとって、9月は夏休みも終わり、日常の生活リズムに戻るタイミングであること、学校の行事なども比較的落ち着いている時期であることなどが理由として考えられます。また、年末は納会や様々なイベント、大掃除やおせち準備など主婦にとって最も多忙な時期であり、求職活動を行う余裕がないことが分かります。そのため、主婦/主夫のアルバイトを確保するためには、夏休み明けのできるだけ早いタイミングで求人活動を行うことが重要と言えるでしょう。
では、そもそも主婦/主夫がアルバイトを探すのは、どのようなことがきっかけになっているのでしょうか? この調査の結果、ダントツで多かったのが「生活費を補う」「貯金を増やす」という回答で、いずれも過半数を占めていました(グラフ1)。アルバイトでお金を稼ぐのは、自身のお小遣いのためではなく、あくまでも家計や将来への備えのためであるという、主婦/主夫ならではの堅実な思考が顕著に現れました。また、5人に1人は「教育費に充てる」と回答していることも、子育て中の主婦/主夫ならではの特徴と言えるでしょう。
一方で、「時間を有効に使いたい」「いろんな仕事をしてみたい」という回答も比較的多く見られました。これは、子育てに余裕ができた主婦/主夫が限られた時間の中で効率的に働き、セカンドキャリアへの一歩としてアルバイト経験を活かしたい、と考えていることが予想されます。そうした主婦/主夫層へのアプローチを視野に入れ、キャリアアップ制度などをアピールすることも有効です。

(グラフ1.バイト探しのきっかけ)

 

主婦/主夫が希望する勤務日数や時間、職種とは?

次に、主婦/主夫が希望する勤務日数や時間数について(グラフ2)を見てみましょう。勤務日数は「週3日」を希望する人が最も多く、次いで、「週4日」、「週5日」となっています。勤務時間数は、約3割の人が「1日5時間程度」を希望しており、次いで多かったのが「1日4時間程度」です。これらの結果から、あくまでも家事などに支障がない範囲で、ある程度まとまった収入が得られる働き方をしたい、という気持ちが読み取れます。

(グラフ2.希望の勤務日数/勤務時数)  

また、希望する職種について調査したところ、最も多かったのが「事務職・デスクワーク」で、半数近くを占めていました(表1)。次いで多かったのが「<調査・アンケート>調査」、「<製造・軽作業>食品加工・仕分け・運搬・会場設営など」でした。希望の多かったトップ3の職種を見てみると、比較的簡単な作業を好む傾向にあることが分かります。また、主婦/主夫層には、過去に社会人経験を持つ人も多いため、未経験の職種よりも、慣れ親しんだ事務職やデスクワークに希望が集中していると考えられます。

(表1.希望のバイト)

主婦/主夫が考える仕事観と、最も優先したい条件は?

次に、主婦/主夫のアルバイトや仕事に対する考え方を調査した(グラフ3)を見てみましょう。調査結果は、「ひとつのアルバイトを長く続けたい」「スキマ時間に仕事をしたい」と答えた人が6割を超え、他の属性(高校生、大学生、フリーター、シニア)に比べて非常に多いという特徴が見られました。一度採用が決まったら、しっかりと腰を落ち着けて仕事を続けたいという姿勢は、社会人経験としての責任感の表れでもあり、雇用する側としては非常に助かります。また、子どもの成長とともに自由に使える時間が多くなり、その時間を有効に使いたいと考える人が多いことも読み取れます。

(グラフ3.バイトや仕事に対する考え方)

では、実際にアルバイトを探す際、主婦/主夫はどのようなことを重視しているのでしょうか? 調査の結果、圧倒的に多かった回答は「勤務日数・時間・シフト変更・休みの融通がきくこと」でした(グラフ4)。主婦/主夫にとって、最優先すべきはやはり家事や家族のことであり、アルバイトはあくまでもセカンドワークというポジションです。そのため、シフトの融通がきくことを最重視するのも当然と言えるでしょう。「ライフスタイル(子どもがいることや健康など)に理解があること」を重要ポイントに挙げているのも、主婦/主夫ならではの特徴と言えます。
また、給与条件や仕事のやりがいよりも、「店長や社員・同僚の人の雰囲気がよいこと」「自分にもできそうな仕事であること」を重視しているのも特徴です。ひとつのアルバイトを長く続けたいという考えが根底にある主婦/主夫にとって、職場の雰囲気は非常に重要です。人間関係のマッチングをしっかりマネジメントできることが、長期雇用にもつながりやすいと言えるでしょう。そして、「自分にもできそうな仕事であること」を重視するその裏側には、仕事のブランクに対する不安感があると予想できます。その不安感を拭えるよう、仕事内容を分かりやすく伝えるアピールも大切と言えそうです。

グラフ4.バイト探しで重視するポイント

                 

まとめ

●調査結果の中で、着目すべきポイント

◆主婦/主夫のアルバイト探しは収入が主目的ながら、限られた時間を有効に使い、セカンドキャリアへの一歩としてアルバイト経験を活かしたいと考える人も少なくない
◆「ひとつのアルバイトを長く続けたい」「スキマ時間に仕事をしたい」と考える人が非常に多い
◆アルバイト探しにおいては、「シフトの融通がきくこと」「ライフスタイルに理解があること」が最優先条件
◆給与条件や仕事のやりがいよりも、「店長や同僚の雰囲気がよいこと」「自分にもできそうな仕事であること」を重視している

以上を踏まえ、実際の雇用につなげるためには、
●“短時間からOK” “シフト変更対応可”などシフトの融通性を具体的にアピールする
● “主婦/主夫パート多数活躍中”“しっかりとした教育体制”といったアピールにより、働きやすい職場、仕事のブランクによる不安感を感じさせない環境であることを強調し、仕事内容おいてもなるべく分かりやすく伝える
●子育てに一段落した、セカンドキャリア志向の主婦/主夫に向けたアピールとしては、将来的に有益なキャリアアップ制度、昇給体制などを盛り込むことが効果的

社会人経験を積んだ主婦/主夫層は、即戦力になる人材も多いので、9月からの求人においては、ぜひ上記ポイントを踏まえ、しっかり雇用へつなげていきましょう!

 

 

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[出典記載例] 出典:求人情報サービス アルバイトレポートより(該当記事URL)

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