アルバイト選びで最も重視することは? 属性別ランキング!
- 求職者動向
求人を出しているけれど、「なかなか応募が来ない」、「希望する人材が集まらない」などといった現状にお悩みの店長様も多いのではないのでしょうか? 「なかなか応募が来ない」「応募数が少ない」などといった問題においては、魅力ある求人広告が出せなかったり、「希望する人材が集まらない」といったお悩みにおいては、ターゲットとする人材の求めるポイントを理解しないまま求人を出していたりと、きちんとターゲットへの訴求ができていないケースが多いのではないでしょうか。
今回は、アルバイトをしている高校生、大学生、フリーター、主婦(夫)、シニアそれぞれに「アルバイトをするきっかけ」と「バイト選びで最も重視するポイント」についてのアンケートをとりました。上記のような悩みを解消する方法は何か。それぞれの属性が何を目的に、そしてどんな点を重視してバイトを探しているのか、データに基づいて見ていきましょう。
各属性がアルバイトを探すきっかけは?
以下(図1参照)が、それぞれの属性に聞いた「アルバイトを探すきっかけ」についてのアンケート結果になります。やはり各属性共通で1位、2位と上位を占めているのは「生活費を補う」「貯金を増やす」という、金額面でのきっかけでした。しかし、それ以降のランキングを見ると、それぞれ異なる点が見られましたので属性ごとに見てみましょう。
◆高校生
高校生は「交際費がほしい」よりも「自分自身のステップアップになると思って」が仕事探しのきっかけとして上回っており、「将来に向けて」や「今後のアルバイトをするうえで」といった自身のスキルアップを視野に入れた意見も確認できました。また、「学費を賄う」といった回答が16.0%と、家庭の経済状況の厳しさも感じさせる結果もでています。
◆大学生
大学生は「趣味に使う」や「交際費が欲しい」といった回答が上位に来ていました。これは大学生になると比較的プライベートな時間が増えることにより活動資金が必要となるためと言えそうですね。また「自分自身のステップアップになると思って」「視野を広げたい」「いろんな仕事をしてみたい」といった回答も数値が高いことから、アルバイトをこれから社会に出ていくためのステップとして捉える傾向のようです。
◆フリーター
フリーターにおいては当然の結果ではありますが、「生活費を補う」が65.0%でダントツ一位という結果。他の属性と比べて数値が比較的高いのが、「現在もしくは以前の仕事に不満があるから」や「仕事に不満はないけど、より良い条件の仕事に就きたいから」といった回答でした。フリーターの方は日々、良い条件の新しい職場を探しているようです。
◆主婦/シニア
主婦やシニアにおいては、子供の教育費や年金の不足分を補う為、など経済的な理由とは別に共通して高かったのが、「社会との接点が欲しい」といった回答でした。この結果は、“社会との接点を重要視”している意識が高いと言えそうですね。
各属性のバイト選びで最も重視するポイント″トップ10“
「バイト選びのきっかけ」として、属性ごとに特徴的な傾向があることが分かりましたね。
では、こういった傾向も踏まえ、それぞれの属性が実際にバイトを探す際に一番重視しているポイントをご紹介します。
(図2参照)
◆高校生
高校生においては、学業が中心のバイト探しを基本にしているため、「勤務日数・時間・シフト変更・休みの融通がきくこと」が最も重視するポイントとなっているようです。次に「給与が高い」といった金額面でのポイントを重視している結果ですが、それと同時に高校生は、まだ経験が浅いためか、「興味のある仕事内容であること」、「店長や社員・同僚の人の雰囲気がよいこと」も重視している傾向も見られました。
◆大学生
大学生は重視するポイントとして「勤務日数・時間・シフト変更・休みの融通がきくこと」と「給与が高いこと」という数値が高い項目でした。大学生にとっては学業との両立はもちろん趣味やプライベートに使うまとまった金額を稼ぎたいため、「勤務日数・時間が合うこと」も重要ポイントにしているなど、シフトにより重きをおいている傾向が見られます。
◆フリーター
比較的、アルバイト経験が多いフリーターにとっては、現実的に3項目「自分にできそうな仕事であること」「勤務日数・時間・シフト変更・休みの融通がきくこと」「勤務地」を重要しているという結果でした。また、生活費を賄っているフリーターにとっては「正社員、または正社員に近い雇用形態であること」が15位とランク外ではありますが、他の属性と比べるとダントツで高い数値でした。
◆主婦 主婦の重視するポイントは「勤務日数・時間・シフト変更・休みの融通がきくこと」「勤務日数・時間が合うこと」の回答が多い結果でした。主婦にとっては子育てとのバランスや扶養就労内での労働などさまざまな制約の中でバイトをしたいと考える人が多いからではないでしょうか。
◆シニア
シニアですが、体力的な部分においての不安や年金をもらえる範囲での就労などを意識したアルバイトしているため、「勤務日数・時間が合うこと」「自分にもできそうな仕事であること」「勤務地」が上位を占める結果になりました。そして同時に「やりがいのある仕事であること」が、他の属性に比べて数値が高く、“仕事へのやりがい”を求める傾向がほかの属性に比べて強いようです。
各属性にあった効果的な求人情報を訴求する必要がある
こういった属性別の「バイト選びにおいて重視するポイント」を踏まえ、では実際にどのように採用活動へ活用していったら良いのでしょうか。
基本的には、店舗や企業戦略において求める属性をしっかりと見据え、その属性が重視するポイントをアピールしていくことが有効です。また、特別ターゲットとする属性を絞っていない、幅広い属性に広くアピールしたいといった場合においては、自社においてのアピールポイントをもう一度見直すことをお勧めします。そしてアピールポイントに関しては明確に表示していくことが最も重要です。 例えば、「シフトの融通性」といったアピールポイントの場合、「2時間~OK!」としてすべての属性に対して広くアピールするのか。「扶養内での就業可」や「年金受給内での就業歓迎!」として主婦やシニアといった属性に狭くダイレクトにアピールしていくのか。同じアピールポイントでもターゲットを意識すると自然と求人の際の見せ方も変わっていきます。大切なのは、店舗、企業戦略においてのアピールポイントをしっかりと把握し、それぞれの属性を意識した求人の打ち出し方が重要になってきます。
まとめ
●“アルバイトを探すきっかけ”においても“バイト探しで重視するポイント”においても、「生活費」「貯金」などといった金銭的理由以外では、各属性でさまざまな理由が見られる
●重視するポイントとしては、勤務日数や時間、休みの融通など「シフト」面でのポイントは各属性すべてで高い結果が見られ、特に大学生や主婦(夫)においてはこのポイントを重視している結果が出ている
●シニアにおいては「社会への貢献性」、主婦にとっては「育児や扶養内での就業」、フリーターにとっては「社員やそれに近い雇用形態」を望むなど、属性ごとの重視するポイントが見られる
●求人を出す際には、ターゲットとする属性が重視しているポイントを意識し、店舗や企業戦略をしっかりと設計し、ターゲットを意識したアピールポイントを訴求することが最も重要
立場や年齢(キャリアステージ)など状況が異なるとアルバイトを始めるきっかけも、バイト探しで重要視するポイントも、さまざまな理由やポイントがあることが分かったのではないでしょうか? 今まで漠然と求人を出していた店長様、何をどのようにアピールすれば良いか分からなかった店長様などにとっては、今回のアンケート結果とポイントを踏まえることで、より欲しい人材へ″刺さる求人広告“が出していけるのではないでしょうか。