仕事選びの期間・重視点、面接辞退理由 解剖!軽作業スタッフの仕事探し
- 求職者動向
昨今では、ネット通販などの盛り上がりにより、流通に関わる軽作業スタッフやラインスタッフの需要が増加している。さらに、お中元シーズンや年末年始などの商戦期には、軽作業スタッフの確保がより困難になるだろう。採用担当者にとって、必要な時期に必要な人材を確保するのは非常に重要な課題だ。
そこで今回のトレンドDATAでは、軽作業スタッフとして働いたことのある求職者に、仕事探しの期間や重視点、面接の辞退理由などを聞いてみた。今後の採用活動の参考になるポイントを探っていく。
目次
今月のポイント
- 仕事探しを始めてから応募に至るまでの期間が短く、1週間以上かけて探す人は他の職種に比べて少ない
- 自分にできそうな仕事かどうかを重視する傾向が強く、仕事内容にこだわる人は少ない。仕事内容よりも時間の融通がきくことや給与を重視しているため、シフトや給与など、同時期に募集する同業他社の条件などもリサーチし、常に雇用条件を見直したい
- 面接を辞退する求職者は、応募後に仕事内容が嫌になったり、インターネット等のネガティブな評判に影響を受けて辞退するケースが多い。応募があったら早急に面接を行ない、職場の雰囲気や仕事内容をしっかり伝え、速やかに採用につなげたい
調査概要
・調査期間:2013年5月
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査対象:全国5エリア(北海道、関東、関西、東海、九州)に在住かつ、直近1年以内にアルバイト・パートに就業した15~34歳の男女
・サンプル数:5,648名 うち直近で軽作業スタッフに就業した人534名
*ここでの「軽作業スタッフ」とは、軽作業・ラインスタッフ・清掃・製造工などを含むものとする。
1 仕事探しの期間
読み取れるポイント
- 「3日以上1週間未満」(16.5%)が最も多く、次いで「1~2日未満」(15.0%)が多い
- 全職種の平均と比べて、1週間以上かけて仕事を探す人が少ない
思い立ったら、短期間で応募に至る
軽作業スタッフに応募する求職者は、仕事探しを始めてから応募に至るまでの期間が短い傾向にある。特に、全職種の平均と比べて、「1~2日未満」の割合が非常に高いことからも、応募の際、あまり悩まずに決断している人が多いことがうかがえる。
2 仕事探しでの重視点
読み取れるポイント
- 「勤務地が自宅から近い」(20.5%)と「自分にもできそうな仕事であること」(17.8%)が特に多い
- 全職種の平均と比べて、「興味のある仕事内容であること」(4.0%)がとても少ない
自分にできそうな仕事なら、あとは勤務条件次第
軽作業スタッフに応募する求職者は、仕事内容をあまり重視していないことがわかった。仕事内容を選り好みすることが少ないため、自分にできる仕事と判断すれば応募に至る傾向があり、仕事探しの期間が短くなるのだろう。
ただし、仕事内容よりも時間の融通がきくことや給与を重視することから、自分にできる仕事のなかから、より好条件のところを志望すると推測できる。そのため、同時期に募集をかける同業他社の採用条件にも気を配り、定期的にリサーチして勤務条件をアップデートするなど対策を立てておくと良いだろう。
3 面接を辞退した理由
読み取れるポイント
- 「応募後、その仕事内容や条件などが嫌になったため」(24.7%)が最も多く、次いで「インターネット等で調べた結果、やめた方が良いと判断したため」(23.1%)が多い
- 全職種の平均に比べて、 「別の仕事に就くことが決まったため」(15.4%)はとても少ない
応募後に気分が変わったり、他者の意見に左右される傾向がある
直近で軽作業スタッフを経験した人のうち、面接を辞退した経験がある人にその理由を聞いたところ、応募後に嫌になったり、他者の意見に左右されたりする、うつろいやすい傾向があることがわかった。
また、インターネット等の評判によって辞退しているのは、「仕事が大変」「つらい」といったネガティブな情報に影響されたためだろう。日頃からインターネット上での評判をチェックするのはもちろん、悪評が立っている場合には、面接でフォローするなどの対策が必要だ。
そのためにも、応募があったら迅速に求職者と連絡をとり、速やかに面接を行ないたい。気が変わったり、インターネット等であれこれ調べたりする前に、求職者と会って実際の仕事内容や職場の雰囲気をしっかり伝える。そして採用決定のスピードを上げて囲い込むことができれば、より採用につなげやすくなるだろう。