【アルバイト・パートの有給休暇制度】雇用主が意識するべき対応と法改正

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アルバイト・パートにも有給休暇を付与しなければならないことを知っていますか?アルバイト・パートの有給休暇の発生条件や日数の計算方法など、雇用者が知っておくべき知識をまとめてご紹介します。時季変更権や2019年改正法についても解説します。

知っておくべき!アルバイト・パートの有給休暇事情

アルバイトを雇用するなら絶対に知っておくべき、アルバイトやパートの有給休暇制度について解説します。

有給休暇とは
有給休暇の正式名称は、「年次有給休暇」と言います。「有給」や「年休」といった呼び方の方がなじみ深いかもしれませんね。有給休暇とは、ある程度の期間働いた従業員に与えられる休暇のこと。労働者の心と体の疲労回復、心にゆとりを持った生活のために設けられている制度です。

大きな特徴として、「有給」という言葉どおり、休んでいる間も賃金が発生することが挙げられます。

アルバイト・パートにも有給休暇は発生する
有給休暇は正社員だけのもの、と勘違いされている雇用主の方も多いかもしれません。しかし、アルバイトやパートであっても一定の条件を満たしてさえいれば有給休暇が与えられます。

有給休暇の取得は、労働基準法で定められた労働者の権利。「アルバイトやパートに有給休暇はない」という認識でいると、知らぬ間に法律に違反してしまう可能性があるので注意しましょう。

アルバイト・パートの有給休暇の発生条件

アルバイト・パートに対して有給休暇が認められる2つの条件をご紹介します。正確には、アルバイト・パート・正社員など雇用形態にかかわらずすべての労働者が下記の条件を満たすことで有給休暇が与えられます。

 1. 雇い入れてから6カ月間勤務している
2. 全労働日の8割以上出勤している

全労働日とは、所定された労働日数のことで、雇用契約書や労働条件通知書に記載している日数を指します。

雇い入れた半年後に最初の有給休暇が発生し、その日から1年ごとに付与日数が増加します。発生してから2年間が経過すると、有給休暇は消滅することも押さえておきましょう。

アルバイト・パートの有給休暇の日数計算

アルバイト・パートの有給休暇の日数は、アルバイト・パートの勤務時間・日数によって変わります。それぞれの有給休暇日数の計算方法を解説します。

週30時間以上、週5日以上、年間217日以上勤務

上記に1つでも該当するアルバイトの場合は、下の表のとおりに有給休暇を与えます。

参考資料:パート・アルバイトにも必要!?有給休暇の日数・計算方法

最初の半年に10日、そこから1年ごとに日数は増えていきます。有給休暇は20日が上限で、6年6カ月以降は1年ごとに20日を付与し続けます。

週30時間未満、週4日以下、年間48日~216日勤務
一方、上記のいずれかに該当する場合は、下の表のとおりに有給休暇を付与します。

参考資料:アルバイトでも有給休暇は取れるの?条件や日数を教えて!

 

2019年4月より制定される新有給ルール・制定された背景

2019年の4月から働き方改革法案の成立によって、労働基準法改正が決定しました。

年間10日以上の有給休暇が付与されている、アルバイトやパートを含む従業員に、最低でも5日以上実際に取得させることが義務づけられることに。付与だけでなく、実際に取得させなければ法律違反になってしまう、ということです。

それにともなって、「年次有給休暇帳簿」と呼ばれる全従業員の有給休暇日数を管理する帳簿の作成が推奨されています。有給休暇の付与、取得に漏れがないよう、今まで以上に雇用側の有給休暇の管理が求められます。

新制度が制定された背景
新制度が定められたことには、有給休暇の消化実態が関係しています。厚生労働省の調査データを用いて、労働基準法改正の背景を解説します。

 

上のグラフは、アルバイト・パートを含めた労働者の有給取得率の推移を表したものです。2000年から取得率は50%を切り、低迷していることが見て取れます。この状況を改善すべく国が動き出した結果、労働基準法に新たなルールが追加されることとなったのです。

アルバイト・パートの有給休暇の対応Q&A

アルバイト・パートの有給休暇に対する、雇用側の適切な対応方法を把握できていますか?よくある疑問点を挙げ、丁寧にお答えします。

Q. 有給休暇の取得は拒否できる?
有給休暇の取得を拒否することはできません。また、取得日についても、基本的に労働者の希望する時季に与えるものと決められています。仮に取得を拒否した場合、有給休暇の取得妨害とみなされ労働基準法違反となるため、絶対に避けましょう。

また条件を満たせば、雇用側が労働者に有給休暇の取得日の変更を認められる「時季変更権」を行使することが可能です。しかし、時季変更権により認められる変更理由は、「事業の正常な運営を妨げると考えられる」場合にのみ有効で、現実的にはかなり厳しい条件です。

慢性的な人手不足や繁忙期といった理由では取得日の変更は認められません。有給取得日についてはシフト調整を行うか、アルバイトに自主的に変更してもらうのが好ましいでしょう。

Q. アルバイト・パートに有給日数の通知はしなければだめ?
現状では有給日数を通知しなければいけない、という決まりはありません。しかし、違反にならなくとも、できるだけ通知しておくことが無難だと言えます。2019年4月に改正されるルールを守るためにも、必要な行動かもしれません。

繁忙期などにまとまって希望が出されることを防止するためにも、有給日数を通知することがおすすめです!また労働基準法では、有給について就業規則に明記すること、また労働者の目につく場所に掲示することなどが定められています。有給休暇があるという事実を、アルバイトやパートが把握できる状況を作りましょう。

Q. 退職時に一気に有給消化を求められたらどうする?
時季変更権を使用するにも、退職日が定まってしまっていれば変更日を確保できません。退職日を先伸ばしにしてもらえるよう、アルバイトやパートに交渉しましょう。

変更が厳しい場合でも、拒否することはできません。そのため、有給休暇については普段からアルバイト・パートに周知しておくことが大切です。また、有給休暇について周知するだけでなく、計画的に消化を促すことも不可欠です。

アルバイト・パートも有給休暇は取得可能。計画的に消化させよう

アルバイト・パートの有給休暇の条件や日数についてご紹介しました。2019年4月改正の労働基準法についても内容を理解しておきましょう。

有給休暇の付与や取得の際にトラブルが起きないよう、アルバイト・パートの有給休暇日数はきちんと把握しておく必要があります。周知しているつもりでも、アルバイト・パートが有給休暇について知らないケースも考えられます。可能であれば有給日数の通知を行い、計画的な消化促進を目指しましょう。

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[出典記載例] 出典:求人情報サービス アルバイトレポートより(該当記事URL)

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