主婦採用するなら知っておくべき主婦の仕事観と採用のコツ
- 採用課題
昨今では、飲食業界をはじめ、販売業界やサービス業界など、多くの業界で人手不足が叫ばれている。
一方で、ここ20年間女性の就業率は上昇し、2013年平均の就業率は62.4%にも及ぶ。非正規雇用労働者数を見ると、女性は男性の2倍にもなり、なかでも主婦パートは400万人に達して非正規雇用全体の3割を占めている。そうした状況のなか、主婦求職者を見逃せない市場と考え、新たに採用ターゲットとして考えている企業も多いのではないだろうか?
そこで今回は、主婦採用のポイントを探るべく、主婦の仕事に対する意識を調査した。主婦を効率的に採用し、なおかつ戦力として定着してもらうための対策を考えていきたい。
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主婦採用の4つのポイントまとめ
02.主婦にもいろいろ。主婦タイプを絞った原稿を作成するのがよい
目次
調査概要
■データ1: 求人情報サイト「an」のweb応募機能からの応募数を集計。
■データ2・3-1・4: 求職者調査2013
・調査時期:2013年5月
・調査対象:全国の15歳~34歳の男女で、過去1年以内に非正規雇用の就業経験がある人。
■データ3-2: 若年層調査2013
・調査時期:2013年6月
・調査対象:全国の15歳~25歳の男女でバイト経験がある、もしくはバイト経験はないが意向はある人。
※サンプル数は各グラフの中のn参照。「主婦全体」には10代の少数サンプルも含む。
1 主婦の年間求職動向
読み取れるポイント
- 主婦の求職者は年間を通して大きく増減する
- 4〜5月と9〜11月に求職者が増加し、12〜1月と7〜8月は減少する
生活が落ち着いた時期に求職者が増える
4〜5月に求職者が増えるのは、子どもの入園式や入学式を終えて、アルバイトをする時間が確保できるためだろう。同様に、9〜10月に増加するのも、子どもが入園・入学してから時間が経ったことで生活に一定のリズムができ、なおかつ夏期休暇を終えて学校が再開した後に時間ができた主婦が動き出すためと思われる。主婦をターゲットに募集広告を出すには、年間で採用計画を立て効率的な時期を検討すると良いだろう。
2 主婦がバイト探しで重視するポイント
読み取れるポイント
- 子どもの有無に関係なく、「勤務地が自宅から近いこと」が最も重視される
- 子どもがいる主婦は「時間の融通がきくこと」を重視し、「興味のある仕事内容であること」を重視する人は少ない
- 子どもがいない主婦は「興味のある仕事内容であること」が「時間の融通がきくこと」よりも重視される
子どもの有無によって重視するポイントは異なる
子どもの有無や年齢など、タイプごとの特性を理解し、「どんな主婦に訴求するのか?」や「どこの時間に欲しいのか?」をしっかり深掘りすることで効果的なマッチングが図れるだろう。例えば「高給与支給ではないが、短時間勤務・シフトが柔軟」という職場は、子どもを持つ主婦層には非常に魅力である。求人広告は、満遍なく主婦全体に向けて募集するよりも、どのタイプの主婦が必要かを明確にした上で、ターゲットを絞って魅力をアピールすることが、求める人材を集めやすくする鍵となる。
3 主婦の希望職種と職種イメージ
読み取れるポイント
- 主婦の年代や子どもの有無にかかわらず「事務・入力・受付」「医療・福祉・介護」「ファーストフードを除くフード」が人気
- 主婦に人気の職種には、同時に「大変そう」というイメージも含まれる
結婚前のスキル・経験を活かせる職種や、女性が多く働いているイメージが人気
「事務・入力・受付」「医療・福祉・介護」など、結婚前に働いていた職種のスキルや経験を活かせることや、女性が多く働いているイメージは、働きやすさを想起させると言えそうだ。実際に自分が働いている姿をイメージしやすく、応募への心理的ハードルが下がるようなポイントを、求人広告で訴求したい。
また、人気の職種でも「大変そう」というイメージを持っていることがわかったが、主婦にとっては、仕事選びにおいて大きなマイナス要因とはならないようだ。面接などでは、仕事内容をしっかり伝えた上で、「スタッフが多いのでシフトは融通がききやすい」「主婦のスタッフが多く、みんなで力を合わせて頑張っている」といった、待遇面で主婦の働きやすさを訴求すると、好印象を持ってもらいやすくなるだろう。
4 主婦が直近のバイトを辞めた理由
読み取れるポイント
- 主婦全体では「店長や社員の雰囲気が悪いから」が最も多い
- 子どもありの主婦は「募集内容と実際の条件が異なる」「1日に働く時間が長い」など、働く前のイメージと勤務スタイルが異なる点を理由に辞めるケースが比較的多い
- 子どもなしの主婦は「職場の雰囲気」「仕事内容」に対する不満が出て辞めている
同じ主婦でも、家族構成などによって退職理由はさまざま
一口に主婦と言っても、その家族構成によって、継続理由・辞める理由は異なる。これが主婦層の大きな特徴であり、働いているスタッフがどのタイプの主婦なのかをしっかり把握することが、定着率を高めるポイントとなる。定期的に面談の機会を設けるなどして、「どの時間帯に働きたいのか」「子どもの送り迎えは何時ごろなのか、採用時と変更はないか」「どのような働き方をしたいのか」といった希望や家庭の状況、職場での人間関係をヒアリングし、無理なく働ける勤務体制を整えたり適切なフォローをするように心がけたい。そうすることで「自分は会社からサポートしてもらえている」と感じてもらい、会社への信頼を高めることで離職を防止することができるだろう。