採用がうまくいかない要因はプロセスを見ていないから!?「ほっともっと」採用改善活動の道のりを聞いた
- お役立ちインタビュー
持ち帰り弁当の店「Hotto Motto(ほっともっと)」やごはん処「やよい軒」などの事業を展開する株式会社プレナス。そのクルー(パート・アルバイト)採用活動が最近改善しているという。その理由を、ほっともっと事業本部経営管理部RC業務課長 吉武信也氏に直撃。するとそこには、採用にまつわるフローを変えるために導入した採用管理・支援システム「HITO-Manager」と、それを支えた第二人事部(=営業)の存在があったという…。
掲載企業DATA:株式会社プレナス 本社所在地 : 福岡県福岡市博多区上牟田1丁目19番21号代表取締役 : 塩井 辰男 設立年月日 : 1976年11月 事業内容 : ほっともっと/やよい軒・フランチャイズ業 食材・包装等資材の販売 |
目次
01 面接、採用は正直“感覚”で行うしか術はなかった
「働くクルー(パート、アルバイト)がいてこそ会社が存在できる。やはり大切なのは人財なんですよね。そのための採用活動ですから、非常に重要なんですが、同時に大きな問題も抱えていた。というのも私のミッションは、本部として店舗全体の採用を管轄すること。しかし当時は店舗の採用状況がどうなっているのか全く見えなかったんです。 それこそ『ほっともっと』の直営店だけでも1200店舗もある中で、それぞれの店舗の応募がどのくらいあって、どの手法で何人採用できたのか、採用までどのくらいの期間がかかるのか、全貌が見えずに感覚で判断するしかなかったんですね。応募が来ているにもかかわらず採用に結びついていない店舗が数多くあり、それらの店舗の採用状況をなんとかしないと、と悩んでいたのですが、原因わからなければ改善もしようがないわけで。自分も店長をやっていたので、採用についてわかっているつもりではあったのですが、どこから手を付けていいのかわからず、正直途方に暮れていました。」
感覚で判断するのには限界がある。特に全国規模で膨大な数のクルーを抱える株式会社プレナスでは、その採用経緯の把握こそが急務だった。“人財”を得るために自分たちはベストな動きをできているのか、それを知ること自体が課題だったのだ。そこで同社は採用過程を見直すために、様々な人材系会社に相談を持ちかけた。
「各社から様々な提案がありましたが、その中でもパーソルプロセス&テクノロジーの営業の方が提案をしてくれた、“『HITO-Manager』を導入して採用状況を見える化し、改善すべきポイントを一緒に探っていきましょう”という提案が非常に印象的でした。 そのシステムについては予備知識がなかったので、営業の方から非常に熱心な説明を受けました。各媒体の応募者を一つの画面に集約し、応募、面接、採用を一元管理でき、採用活動のプロセスを見える化して、どこに問題があるか一目瞭然になる。さらに、集客力に優れたアルバイト・パートの自社採用ホームページも作成できる。それが『HITO-Manager』というシステムだと。 活用が促進されれば、確かに営業さんの言う世界が実現できそうだな、と感じました。 さらに言うなら熱心な営業だった故にサポートの充実度も当てにしていました(笑)。せっかく導入しても活用できなくては意味が無いので…。 また、パーソルプロセス&テクノロジーさんにお任せしている求人原稿は、弊社の社風に合うデザインのものを作ってくれているので、『HITO-Manager』の採用ホームページも、良い物を作ってくれると期待できました。」
そして導入後、それまで見えてなかった採用に関するあれこれが続々と可視化していったという。
「単純に、『採用率18%って、うちは2割いってないんだ』とかそういうことですね。それがはっきり数字となって見えるようになったのは大きいです。それがわかれば、2割を超すようにしようという目標も立てられる。これでやっと、ブラックボックス化して何を改善していけば良いかわからなかった採用活動を改善するためのPDCAを回すスタート地点に立った感じがしましたね。」
02 どこで採用を取りこぼしているかが一目瞭然になった
「正直、導入時には求人媒体にどんなものがあるかさえ私はわからなかったんです。そこからの手取り足取りだったので、サポートは大変だったと思いますよ(笑)。 会社としても採用を一括管理するものを持っていなかったので様々なロスが起きていた。わかりやすいところで言えば、求人媒体ごとの管理画面に入るIDとパスワードですね。媒体ごとに異なるのでたくさんの種類があるんですよ。もうそれを管理するだけでひと苦労で。それらを一元管理しておける。 また、全体の応募数を見ようとすると、これまでは1つ1つの媒体にログインして集計しないといけなかった訳ですが、『HITO-Manager』があればその必要がない。『HITO-Manager』の管理画面上で、全ての媒体の応募状況が一度に把握できるんです。そこが『HITO-Manager』を使って、一番最初にすごいと思ったところですね。」
そして同システムの「応募集計分析機能」を使えば、どの求人媒体の応募が多いかがわかるだけでなく、採用につながりやすい媒体はどれか、何人面接して、何人採用して、何人辞退したかという“歩留まり”まで一気に把握できる。それにより、より効率的に採用戦略を練りやすくなったという。
分析機能のサンプルイメージ(プレナス社の事例ではありません)
どの媒体が採用されやすいか、辞退率が高いか、などがわかる
「応募」「面接」「採用」の歩留まりがわかる
「驚いたのは自社採用ホームページからの応募数ですね。求人活動は、求人媒体を使うのが当たり前だと思っていたので、正直あまり期待していませんでした。それが、毎月の振り返りで、応募・採用ができた手法を順位付けしていたところ、何と自社採用ホームページからの応募と採用がかなり上位に来ている。はじめは何かの間違いかと思ったくらいで(笑)。そこで自社のブランド力を再認識できたのも良かったですね。」
定期的に実施される担当営業とのミーティングも非常に充実したものになっているという。
「機能についてわからないことがあったときにいつでも連絡ができるテクニカルサポートデスクも役に立ちましたが、特に担当の営業さんとの2週間に1回の定例ミーティングが非常に有意義だと感じています。 通常、こういう打合せでは自社の求人媒体の営業をするのが普通ですが、この定例ミーティングでは『このエリアは他社の求人媒体を使ったほうが良い』など、非常に中立的な立場でアドバイスしてくれます。 今では、採用だけでなく、人財定着や教育の部分まで話が広がるようになりました。採用するだけでなく、入社後、クルーが活躍して良いお店が作られ、お店のファンが増えることが大切です。そして、良いお店づくりができれば『ここで働きたい』という方が増え、結果的に採用にも良い形で返ってくると考えています。 採用活動を最適化していくためのPDCAを回すだけでなく、このような高い視点から、採用活動を俯瞰できるようになったのも、この定例ミーティングを実施して良かったと感じる理由です。 この採用が困難な市況ですから、昨年対比でものすごいコストの削減ができたといった実績は残念ながらまだ出せていませんが、もし『HITO-Manager』を導入して活用していなかったら、売上に影響するくらいもっとひどい状況になっていたかもしれません。」
03 現場の協力がなければシステム導入も絵に描いた餅
新しいシステムを導入するといっても、それを使いこなす上で、現場の協力も必須である。その点ではどういう工夫があったのだろうか。
「うちの基本はやはりお店です。本部でいくら優秀なシステムを導入してもお店側の協力がなければ絵に描いた餅です。お店側に属するエリアマネージャー(OFC)が、まめに採用状況を『HITO-Manager』に入力(採用ステータスの更新)をしてくれないと意味がありません。」
導入当初は採用ステータスを変更してくれないエリアマネージャー(OFC)が約半数だったという。せっかく入った応募者の殆どが放置されている状況だった。
「一番悔しいのは採りこぼしです。せっかく応募が来ても、対応が遅くて同業他社に奪われてしまうのは…。単純に面接にまで来てもらえれば、うち独特の温かい社風もわかってもらえる。その手前の段階でロスしてしまうのは非常にもったいない。 そのため、全国行脚して各地域のお店に説明回りをし、協力を仰いでいる最中です。まだ行けてない地域もありますが、だいぶ回りました。中でも大阪での説明会が印象的でしたね。パーソルプロセス&テクノロジーの営業の方も来てくれて、現在の市況感を伝え、求人倍率も上昇し続けている危機的な状況をきっちり説明してくれたんです。 その上でこのシステムを使いこなすことによって改善できることを私が話しました。外部の専門家の方が、客観的に市況を語ってくださることで、この取組を理解して、賛同してもらうための土台ができたと思います。 これが好評で、説明会に参加したエリアマネージャー(OFC)の15人全員がまた来てほしいとアンケートに書いてくれて、全社一丸で採用活動を推進していこうという、一体感が醸成でき、非常に手応えがありました。そしてこれは、一緒に推進してくれるパーソルプロセス&テクノロジーの営業の方、いわば“第二人事部”がいたからこそできたこと。感覚としては…、営業担当というより“仲間”という言葉が近いかもしれませんね。」
その結果、店舗側のエリアマネージャー(OFC)が行う採用ステータス変更の未対応率も、以前は約半数だったところから10%台にまで下がったという。そしてデータがより充実することによって、さらに的確な指示を本部から数値データをもとにできるようになったことで、より密なコミュニケーションが図れるようになったという。
「ただやることが増えるだけなら、現場の人間もうんざりしますよね。でもそれによって何が起こるのか、どうしていきたいのかということまでコミュニケートすることによって、一丸となって頑張ろうという気持ちが芽生える。それこそが『HITO-Manager』を導入した最大の意義だと思います。」
04 クルーは家族の一員。今後はさらに定着を目指したい
今後は直営店でクルー採用のノウハウを確立し、フランチャイズ店でも「HITO-Manager」を活用していきたいという。
「感覚としては直営店、フランチャイズ店ともに、そこで働くクルー含めてみんなが大きな家族だと考えているんです。より良い人財をお店に提供していきたいし、できるなら一度クルーになった人には定着してもらいたい。長く働いてもらいたいんです。ノウハウやトラブル対処への経験値も高まりますし、お客様とのつながりもできる。『HITO-Manager』導入によって採用面ではコミュニケート力も高まり、スピードアップもできた。後はもっと長く働いてもらうための施策について考えていきたいと思っています。」
今回の取材でわかったことは、ただシステムを導入しただけでは何も変わらなかったのではないかということ。動かすのはやはり人間なのだ。最初はパーソルプロセス&テクノロジー営業担当(第二人事部)だけの情熱が、ほっともっとの吉武氏へと熱量が伝わり、各地のエリアマネージャーを通じて最前線の現場のクルーへとたどり着く。これはシステムという無味乾燥なものでは、もはや無い。 もちろんシステム/システム導入はきっかけなのだが、それによって有機的かつダイナミックに採用活動が動き出したという印象だ。そしてその動きの全てを把握するために『HITO-Manager』が採用状況を可視化していく…。 吉武氏が口にしていた“人財”という言葉。それは恐らくクルーに留まらず、業務を動かしている人間たち全てを指す。それらの人間の動きをしっかりと把握し、発展へと結びつけていく、それこそが真の意味での“PDCAを回す”ということなのではないだろうか。
〈取材協力〉 株式会社プレナス
〈取材&文〉 清水りょういち(ゲッカヨ編集室)
■HITO-Managerについて詳しく知りたい方はこちら
HITO-Managerパンフレット(PDF1.8MB)
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