家族構成によって違う!主婦募集広告のPRポイント
- 求人広告ノウハウ
前回、就業意識の変化が確認できた主婦層。
では採用する場合には、どういった点がポイントになってくるのだろうか?
仕事選びで何を重視するのかを調べることでそのヒントを探った。
関連情報:主婦採用をするために知っておきたいパート主婦の4タイプ
今月のポイント
- 主婦の仕事選びにおける重視点として、「自宅から近い」「勤務時間の融通がきく」の2点が突出して高い。
- 主婦の中でも、子供がいない場合は「仕事内容」「給与」を比較的重視し、子供がいる場合は「勤務時間の融通」を強く重視する。また、その傾向は子供が低学年ほど高い。
調査概要
■調査方法
インターネットリサーチ
■調査対象
関東(1都3県)の25~44歳までの既婚女性
・有職主婦は、現在非正規雇用で働いている方
・無職主婦は、現在無職だが今後3年以内に就業意向のある方
■調査時期
2009年9月11日~9月14日
■サンプル数
計2,000
1.主婦における仕事探しの重視点/全体編
自宅から近く、時間の融通がきく職場が人気
まずは、現在の仕事を探すとき(現在無職の場合、今後の仕事探しにおいて)もっとも重視した点について聞いた。結果は、1位が「勤務地が自宅から近いこと」で20.2%、2位は「時間の融通がきくこと」で19.8%。数値的にもこの2つが突出して高かった。ちなみに3位以下は「仕事の内容が自分に合っていること」(9.3%)、「給与が高いこと」(6.1%)、「仕事内容に興味が持てること」(5.6%)、「持っている技術や経験が活かせること」(5.6%)、と続く。
仕事探しの重視点は、「勤務地が近いこと」と「時間の融通」で実に4割を占めたわけだが、その背景には主婦固有の理由があると考えられる。とりわけ子供がいる家庭では家事や育児へのウエイトが重く、そのため限られた空き時間で働けるかが重要となるのではないか。時給や仕事の内容よりも、通勤時間をかけずに都合の良い時間帯で働けることへの優先順位が高い。これが主婦層の仕事探しの大きな特徴であり、採用に関しては、この2点をどれだけアピールできるかにかかっていると言っても過言ではないだろう。
2.主婦における仕事探しの重視点/子供の有無編
子供が小さいほど「勤務時間の融通」を重視
次に、仕事探しの重視点を、まず子供がいるかどうか、さらに、末の子供が「小学校低学年以下」か「小学校高学年以上」かに分けることで、傾向の違いを見ていこう。
子供なしの主婦では、最多回答は「勤務地が自宅から近いこと」(20.0%)だったが、2位には「仕事内容が自分に合っていること」が入った。数値も12.2%と、主婦平均より3割以上高い結果となった。また、3位の「時間の融通がきくこと」は逆に9.1%と、主婦平均と比較して半分以下だった。さらに、「給与が高いこと」「持っている技術や経験が活かせること」などが高いのも特徴だ。子供がいないため勤務時間における制限は低く、その分、仕事内容や給与へのこだわりが高まったと考えられる。
では、子供ありの場合はどうか。末の子供が小学校低学年以下では、最多回答は「時間の融通がきくこと」。数値も28.3%と群を抜いて高く、子供がいない主婦の3倍に達している。「勤務地が近いこと」も19.9%と高い。これに対して、「仕事の内容が自分に合っていること」「給与が高いこと」などは主婦平均より総じて低いという結果となった。子供が年齢的に手がかかるため、短い通勤時間や勤務時間の融通を一層強く求めているということだろう。
子供ありで末の子供が小学校高学年以上の場合、最多回答は「勤務地が自宅から近いこと」で21.8%。2位の「時間の融通がきくこと」(18.8%)も高いが、低学年ほどの重視度は見られなかった。
これらの結果から、一口に主婦と言っても、その家族構成によって、仕事探しの重視点は異なってくることが分かった。採用側も、こういった主婦のタイプごとの特性を理解し、「どんな主婦に訴求するのか?」や「どこの時間に欲しいのか?」としっかりと深掘りすることが、より効果的な人材確保につながるであろう。たとえば、高給与支給はきびしいが勤務時間のシフトは自由だといった場合、低学年の子供を持つ主婦層にとっては勤務時間が非常に大きな魅力となる。そのため求人広告を満遍なく主婦全体向けにするよりも、そういった層にターゲットを絞り魅力を存分にアピールすることが、お互いのニーズを満たした採用につながるのではないだろうか。