アルバイトのトラブル例3選―雇用主はトラブルをどう対処するべきか

  • コミュニケーション・人間関係

 

近年のSNSの普及により、雇用主とアルバイトとの関係をはじめ「バイトトラブル」は一般の方にも目に付くようになりました。アルバイトのトラブルは注意で済むものから、店を閉店にまで追い込まれるものまでさまざまです。トラブルの実例、回避、対処するための方法について紹介します。

アルバイトのトラブルはどのようなものがある?退職理由からみる原因

アルバイトのトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。アルバイトの退職理由調査からよくあるトラブルを探ってみましょう!

・調査期間:2013年5月31日~6月3日
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査対象:全国5エリア(北海道、関東、関西、東海、九州)に在住かつ、直近1年以内にバイト・パートに就業した15~34歳の男女
・サンプル数:5,653名(※グラフ中のn数は、各設問における回答者数を指す)

上記の表をみてみると、アルバイトの退職理由で一番多いのが人間関係によるもの。しかも社員との雰囲気が悪いからでした。他の理由もみてみると、仕事内容や業務形態に不満を感じているケースも多いようです。アルバイトのトラブルの原因は多種多様で、必ずしも一つだけではないことが考えられます。

アルバイトの『人間関係』トラブル例・対策

アルバイトで人間関係の悩みを抱える人が多くを占めているのが実情です。人間関係によるトラブル例から対策方法をご紹介します。

教育係の怒声や罵声

例)バイト先の教育担当の人が、すごく怒りっぽい性格をしています。ミスをすると大声で怒鳴りつけて叱るので、それが嫌でバイトを辞めた人が何人もいます。

叱ることも、アルバイトを教育するうえで必要なことであれば仕方ないのですが、そこにストレスの発散や相手を傷つけようという思惑があるような場合はパワハラに当たります。こうしたパワハラやセクハラに該当する行動は、全員で理解し、周知しましょう。

職場で陰口が多い

 例)バイト先にいくと、いつも誰かが誰かの陰口を言っています。言いたくないけど、話に混ざらないとのけ者にされる気がする。自分がシフトに入っていない日にどんな話がされているのか考えると怖いです。

職場で不穏な空気が流れている場合は、バイト同士の関係についても把握し、仲裁に入りましょう。アルバイトメンバーに信頼関係がないと、気持ちのいい営業はできません。積極的に職場をよい雰囲気にし、アルバイトの定着率を上げましょう。

社員がアルバイトの要望を聞かない

例)最初は週4でお願いしていたのに、いつの間にか人手が足りなくて毎週5日出勤させられています。他にも、ずっと前から予定があることを伝えて、シフトを入れないように頼んでも、勝手にシフトを入れられています。

シフトはアルバイトに負担がかからないよう、当初の契約で交わした勤務時間で組みましょう。また、何か用事があってお休みを希望された場合は、できる限り配慮したシフトにしてあげましょう。

アルバイトの『責任問題』トラブル例・対策

アルバイトとは言え、仕事ですので責任を持って業務を遂行してもらわなければいけません。しかし、それではどこまでアルバイトに責任を課していいのでしょうか。トラブル例を挙げながらご紹介します。

販売ノルマ

 例) 1日の間に売り出し中の商品が目標販売数を超えなければ、達成していない分は自分で購入しろと言われた。自分はほしくない商品なので、目標を超えるまで働くハメになり、残業している。

ノルマを課した罰金制度は法律で禁じられています。目標数に達したことで報償を与えることはよいのですが、達成できないことを理由に罰金を支払わせるのは法律違反です。

賠償金

例)お店のお皿を不注意で複数割ってしまいました。誰もケガはなかったものの、お店の備品を壊してしまったので、そのお皿の代金は私の給料から引くと言われた。壊してしまったのは自分だし、仕方ないかな。

民法により、アルバイトに対しての賠償請求は原則行えないことになっています。お店の備品、お客様の持ち物に関しても、弁償、賠償は会社が負うべきことです。ただし、故意に何かを壊した場合などは、アルバイトであって全額弁償を要求できることもあります。また、度重なる被害や、重大な損害を被った場合は、損害賠償の一部を支払わせることができます。

お酒やタバコの販売

例)どうみても未成年に見える客に年齢確認をせずお酒を売った。もし未成年だったとしても、自分はバイトだし、買ったやつが悪い。

お酒、タバコを未成年に売ってはいけません。お酒、タバコの販売については販売した本人の責任となり、アルバイトでも刑事責任が発生します。アルバイトの教育時に、しっかり指導しておきましょう。

アルバイトの『解雇問題』トラブル例・対策

お店の経済状況やアルバイト本人の勤務態度により、退職してもらわなければならないこともあります。しかし、アルバイトの雇用・解雇を巡ってトラブルが起こるケースもあります。解雇がともなうトラブル例や法的な定め、対策方法をご紹介します。

勤務態度が悪い
度重なる遅刻や欠勤、注意されてもまったく態度を改めない場合、解雇を言い渡せることがあります。近頃ではSNSが普及し、TwitterやFacebookなどでお店にとって不利益な情報などを流された場合も、解雇できることもあります。

お店の業績不振
お店の業績が悪化し、お給料を支払えなくなったことから解雇を言い渡せることがあります。ただし、業績不振が理由でも、雇い主がアルバイトを解雇するためには決められた手続きを行う必要があります。

試用期間の終了
アルバイトの契約期間が終了し、続けて労働契約を結ばれないと解雇となります。多くの会社は最初に試用期間を設けて、仕事の適正を判断することがあります。しかし、契約期間が定まっているとはいえ、解雇するには解雇予定日の14日前に伝えておかなければいけません。

上記のトラブルに備えて必ず雇用契約を書面上で結ぶようにしましょう。アルバイトの勤務態度が悪い場合は、初期は口頭注意が原則です。しかし、改善が認められない場合は、解雇する理由になります。

また、実際にアルバイトの解雇は雇用契約書にのっとって行う必要があります。

アルバイトとのトラブルを引き起こさないためにあらかじめ対策を

アルバイトとのトラブルにはさまざまな種類や原因があります。一つの対策で防げることはありませんが、まずは社員が労働基準法や雇用契約を理解し、周知するようにしましょう。加えて、アルバイトに対してご紹介したケアや対策を施します。アルバイトにトラブルはつきものですが、スムーズな対策と対処で回避しましょう。

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[出典記載例] 出典:求人情報サービス アルバイトレポートより(該当記事URL)

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