アルバイト選びで最も重視することは?属性別にランキング化!

  • 求職者動向

 

これから春にかけて、学生や主婦(夫)をはじめとして色々な属性の求職者が最も活発に動く時期に突入していきます。読者の皆様のなかには、スタッフの入れ替わりを見据え、準備を進めていたり、既に募集を開始している方も多いと思います。

今回のアルバイトレポートでは、求職者がアルバイト選びの際に重視するポイントに関して実施したアンケートの回答を、ランキング形式でご紹介。更に、それぞれのポイントを高校生・大学生・フリーター・主婦(夫)・シニアのどの属性が重視しているのかも分かるようにまとめました。読者の皆様がこの時期に採用したいと思っているターゲットは、果たしてどんなことを重視して職場選びをしているのでしょうか?

 

調査概要

【調査地域】全国(インターネットリサーチ)
【調査対象】アルバイト経験がある、もしくは今後のアルバイト就業意向がある人
【調査期間】2017年12月5日~12月10日
【調査方法】インターネット上のアンケートで、アルバイトを選ぶとき重視するポイントを選択(複数回答可、回答数はいくつでも可)
【有効回答数】2,541サンプル(各属性サンプル数が等比になるよう調整)

 

アルバイトに対して要望の多い属性、少ない属性

今回のアンケートは、『アルバイト・パートを選ぶとき、あなたが重視するポイントを選んでください(いくつでも)』という設問で行っています。そのため、重視するポイントがいくつもある求職者は選択数が多くなり、あまりこだわらない求職者は選択数が少なくなりました。ここにも属性別で異なる傾向が出ていたので、まずはこちらをご紹介します。

グラフを見ると、高校生の選択数がほかの属性に比べてかなり多くなっていることが分かります。回答者のなかで、働いた経験がない高校生が63%(※)と、他の属性に比べて働いた経験がない層の多い高校生は、ほかの層に比べて不安や憧れからバイトに対する要望が多くなる傾向にあるようです。

しかし、大学生のグラフを見てみると、選択数が高校生に比べてだいぶ減っています。大学生になると働いた経験がある層が9割(※)近くに増えているところをみると、仕事経験を経て、アルバイトに求める要望が洗練されていっているようです。また、これからご紹介するランキングにおいて、高校生と大学生に共通して重視されているポイントは、若手採用のために外せない重要な項目と捉えるとよいでしょう。

主婦(夫)は、高校生に次いで回答数の多い属性でした。下のランキング結果を見ると分かりますが、家庭との両立に絡む項目を重視している主婦(夫)の数が圧倒的でした。やはり主婦(夫)採用においては家庭との両立が最大のキーワードになりそうですが、それ以外にも特徴的なポイントがあるので、それを押さえると+αで差別化ができるかもしれません。

シニアやフリーターは、1番多い高校生に比べて選択数が1000近く少ないという結果でした。どうやらこの2つの属性は、ほかの属性と比べるとアルバイトに対する要望はそれほど多くないようです。しかし、だからこそ数少ない特徴的な重視ポイントを押さえた求人をしていくことが大切になります。

それでは、具体的にどんな項目が重要視されているのか見ていきましょう。

 

アルバイトを選ぶときに重視するポイント トップ20位をご紹介

まずは、1位から10位までを見ていきましょう。

重視するポイントとして全体でトップは「給与が高い」、次いで2位が「時間の融通がきく」でした。どちらも求職者が重視するポイントとして上位に挙がってくる項目としてはおよそ違和感のないものですが、そのポイントを重要視している属性の内訳をみると、また違った部分が見えてきます。

まず1位の「給与が高い」ですが、これを重要視しているのは特に高校生と大学生であることが分かり、高校生・大学生を募集する際はまず第一に給与面に目を向ける必要がありそうです。一方でそれ以外の属性は高校生・大学生と比べると選択比率が高くはなく、どうやらフリーター・主婦(夫)・シニアを募集する際には他のポイントにも気を配る必要がありそうです。

2位の「時間の融通がきく」を見てみると、ほかの属性に比べて主婦(夫)が一番このポイントを選んでいることが分かります。同表の8位「1日の働く時間が短い」、下表16位の「ライフスタイル(子どもがいるや健康など)に理解がある」でも主婦(夫)の選択比率が高かったことをあわせて考えると、やはり主婦(夫)はほかの属性に比べて家庭との両立が大切なのだと推測できるので、いかに家庭と両立しやすいかのアピールは主婦(夫)採用の際にはほぼ必須事項と言っていいでしょう。

8位の「1日の働く時間が短い」に着目すると、先ほど挙げた主婦(夫)よりもシニアの方がこの項目を重視していることがわかります。おそらくは体力面で長時間勤務に懸念があるか、社会貢献が目的なので長時間勤務を必要としていないかのどちらかだと思われるので、長時間勤務でも体力面で問題がないことをアピールするか、短時間勤務できるように制度設計するのがよいかと思われます。

10位の「お店・職場がきれい」の項目からは、高校生が職場環境をどの属性よりも重視していることが分かります。高校生を募集する際には職場の綺麗さを写真でアピールするなどが有効でしょう。他方、これはアルバイト経験の少ない高校生だからこその結果なのか、大学生になるとそれほど気にされなくなっているようです。職場へ憧れが強かった高校生から、様々な職場を経験する中で現実を知り、大学生になって重要ポイントから外れていくのかもしれません。

 

それでは次に、11位から20位を見ていきましょう。

11位「半年以上など長い期間働けそうである」の部分では、フリーターや主婦(夫)からの得票が多くなっています。学生と比べると、フリーターや主婦(夫)は長期目線での求職活動を行う傾向が強いようなので、どんなふうに長く続けられる職場なのかを説明すると良いかもしれません。

13位の「初めの研修・教育・フォロー制度がしっかりしている」は、初めてのアルバイトに対する不安ゆえか、高校生の選択比率が高くなっています。同様に17位「同年代の人の活躍の様子」、18位「ネットや口コミでの評判がよい」も突出した選択比率になっており、やはり高校生募集には初めてのアルバイトに対する不安をいかに解消できるかが鍵となるようです。

14位「社内割引・まかないあり」は高校生・大学生からの支持が顕著でした。育ちざかりの年代にとって、まかないは非常に魅力的に映るようです。求人原稿にも“まかないあり”だけではなく、誰がどんなものを作っていつどれだけ食べられるのか、までアピールできると良さそうです。

 

求職者が重視することと自社の強みの両方の観点が重要

店舗や企業の経営戦略から採用したい属性がすでに決まっている場合、その属性が持つ特徴に応じてアピールしたり制度設計することが大切です。しかし一方で、経営戦略上特に採用したい属性をを絞っていない、あるいは、今まで採用する属性を絞ってはいたが、ほかの属性にターゲットを拡大しても問題ない、という職場もあるかもしれません。そんなときは、店舗や企業の強みからターゲットを逆算するという募集方法も考えられます。

「ウチは一日2時間からでも働けるのが強みなんだよ」という職場の場合、単に“1日2h~OK!”とだけ書いて全ての属性にアピールするのもよいでしょう。しかし例えば、「1日の働く時間が短い」ことを比較的重視する主婦(夫)やシニアに採用ターゲットを絞って、主婦(夫)やシニアが求めていそうなほかの強みを原稿に盛り込み、より狭く深い原稿を作ってしまうのも一つの手段です。

店舗や企業の経営戦略にあわせ、柔軟な対応の仕方をすることが大切です。

 

まとめ

今回のアルバイトレポートでは、高校生・大学生・フリーター・主婦(夫)・シニアの各属性がアルバイト探しをする際に重視するポイントについてお伝えしました。ランキングとしてご紹介するだけでなく、その重視ポイントをどの属性がより支持しているのかを明らかにすることによって、属性ごとの違いを浮き彫りにしていることが本稿の特徴です。

各属性が比較的重視するポイント一覧
▼高校生
給与が高い/お店・職場がきれい/初めの研修・教育・フォロー制度がしっかりしている/社内割引・まかないあり/同年代の人の活躍の様子/ネットや口コミでの評判がよい
▼大学生
給与が高い/社内割引・まかないあり
▼フリーター
半年以上など長い期間働けそうである
▼主婦(夫)
時間の融通がきく/1日の働く時間が短い/半年以上など長い期間働けそうである/ライフスタイル(子どもがいるや健康など)に理解がある
▼シニア
1日の働く時間が短い

今日からの採用活動に、少しでも役立てて頂ければ幸いです。

※ 「これまでに、アルバイト・パートとして働いた経験がありますか」という質問に対し、「働いた経験はないが、アルバイト・パートをしてみたい」と回答した比率
└ 高校生63%、大学生10%、フリーター1%、主婦(夫)5%、シニア4%

 

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