「アルバイト・パートにかけられる時間」とは?職種別 : 勤務時間・日数比較

  • 業界別求職者動向
何事にも理想と現実にギャップはある。アルバイト・パートの応募もまた然り。そこで今回、代表的な職種をピックアップし、各職種の勤務時間と日数の「希望」と働いている人の「実際」を比較する。そして、そこで発生するギャップの大小、また性質・背景を考え、採用のヒントにまで結びつけていきたい。

調査概要

■調査方法:インターネットアンケート
■調査対象:首都圏在住15~34歳男女
現在、「高校生、短大・専門学校生、大学生、大学院生、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、無職の人」且つ「過去1年以内にアルバイト・パート、派遣社員、契約社員の仕事に就いたことがある人」で、今後も「アルバイト・パート、派遣社員、契約社員」での就労を希望している人
■調査期間:2007年2月
■サンプル数:4,323名
■ウェイトバック:対象者サンプル数が実際の人口の構成比と異なるため、総務省統計局の「平成14年就業構造基本統計調査」による非正規雇用就業人口に基づき、「属性・性別」ごとにウェイトかけた。
※2007年10月22日まで、調査概要に首都圏在住者のみのデータである旨を記載しておりませんでした。お詫びして訂正します。

1.希望の職種=「事務職」

王道の人気職種、希望は「週3日」ながら実際は「週5日」が基本路線という大きなギャップ

どの属性でも、人気では絶えず1位かそれに近いポジションをキープする「事務職」。希望は「週3日」の「5~8時間勤務」ながら、実際は「週5日」で「8時間」もしくはそれ以上も決してめずらしくないという結果が出た。そのギャップ、結構大きいのでは…。

■属性の構成比/現在の職種
●属性の構成比は「主婦」がもっとも多く39.3%。次いで「フリーター女性」30.9%。結果、全体の7割を女性で占める結果となった。同じフリーターでも「男性」は5.3%に過ぎなかった。●現在の職種では、「事務職」が40.4%ともっとも多く、残りの6割が他の職種に。

 

図1-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望は「週3日」がもっとも多く38.3%を占める。週5日以上働くことを希望している人は全体のわずか4分の1。一方、実際は「週5日」が最多で50.4%と過半数に達した。逆に希望では最多の「週3日」は18.2%と一気に半減。

図1-4 1日の勤務時間数 ~希望と実際~

■1日の就業時間数

●平日の希望は「8時間」が最多で22.6%ながら、5~8時間で数値的には拮抗。対して、実際は「8時間」が24.4%で希望より1.8%増。また、「9時間以上」が7.1%もあり、希望の何と20倍以上に!

●土日の希望は最多回答が「8時間」で32.7%。次いで「6時間」の31.2%でこの2項目が目立って高い。実際では、希望ではごく少数だった「4時間未満」が15.4%、「9時間以上」が22.1%と、エッジ部分が増大。

2.希望の職種「WEB関連専門職」

学生を中心に人気が高く、希望者は正社員志向 だが、8時間労働勤務希望でも逆に“甘さ”が露呈・・・?

大学・大学院生、男子フリーター、さらには専門学生にも人気が高い職種。また、正社員志向が強い人が多く希望する職種でもあるだけに、希望者も1日の希望就業時間数はキッチリ「8時間」。しかし、実際はさらに上を行く「9時間以上」だった!!

■属性の構成比/現在の職種
●属性の構成比は「大学・大学院生」がもっとも多く44.1%。これだけ大学・大学院生が占めるのは、今回取り上げた中ではこの職種だけ。次いで多かったのは「フリーター男性」23.8%。●現在の職種では、「WEB関連専門職」が18.0%と最多だった。

図2-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●平日での希望は「週3日」「週4日」「週5日」でほぼ3割ずつ均等に分散。だが、実際は「週5日」が43.1%と突出して高い数値を出した。結果、「週3日」「週4日」は希望より数値はダウン。

図2-4 1日の勤務時間数 ~希望と実際~

■1日の就業時間数

●平日の希望は「8時間」が最多回答で28.0%。「8時間」でこれだけ高い数値が出るのは、この職種ならでは。ところが、実際で最多回答となったのは「9時間以上」で、数値も33.4%と実に3分の1を占めている。

●土日の希望は平日より時間が短い「6時間」が最多回答。しかし、この職種はそんなに甘くない。土日の実際では、「9時間以上」が43.2%と大きく伸ばし、平日以上にこの職種の特性=ハードさが出る結果に。

3 希望の職種=「レストラン・カフェ」

高校生も注目の接客系人気職種は希望と実際が合致した、ギャップレスの世界

高校生が属性の構成比で1割超を占めた「レストラン・カフェ」。幅広い層から支持を得ているアルバイト・パートの定番のひとつだけに、希望と実際のギャップが気になるところだが、「週3~4日で平日は4~5時間勤務」という設定にズレはあまりないような…。

■属性の構成比/現在の職種

●属性の構成比でもっとも多かったのは、「大学・大学院生」の34.8%、次いで「女性フリーター」の25.1%。しかし注目すべきは「高校生」が13.5%を占めている点だ。
●現在の職種では、やはり「レストラン・カフェ」が最多で、その比率は24%。

 

図3-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望は「週3日」が最多で41.8%。次に21.4%で「週4日」が多かった。対して実際は、「週3日」が36.0%で最多。次いで「週4日」が23.6%と、数値に多少のズレはあるが、希望と実際にギャップがあまりないと言える。

図3-4 1日の勤務時間数 ~希望と実際~

■1日の就業時間数

●平日の希望では「5時間」がもっとも多く27.9%。「4時間」が20.1%。実際でも「5時間」が最多で37.0%。次いで「4時間」が20.5%と、4~5時間がボリュームゾーンという点では、さほどギャップは感じられない。

●土日については、希望では「5時間」と「8時間」が24.9%で同率の第1位。実際は「5時間」が最多の26.4%、次いで「8時間」の16.6%。平日と異なり、希望、実際とも「8時間」という長めの勤務時間が目立つ結果となった。

4 希望の職種=「スーパー販売員」

身近な販売系職種の定番に異変が・・・希望より実際が短時間化という逆ギャップ出現!!

販売系のアルバイト・パートで、とりわけ女性に人気のある職種である「スーパー販売員」。「事務職」や「WEB関連専門職」など、多くの職種に見られるギャップとは正反対の傾向が現れた。それは、希望より実際の方がより短時間化していく逆ギャップ!

■属性の構成比/現在の職種

●属性の構成は、「フリーター女性」が最多で25.9%、以下「主婦」の21.6%、「大学・大学院生」の21.2%と続く。「事務職」同様、女性が多い構成比となった。
●現在の仕事内容は、「スーパー販売員」が36%で全体の3分の1を占めた。

図4-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望では「週3日」が29.1%、「週4日」が29.2%、「週5日」が30.3%と、この3項目でほぼ3分の1に。実際でも、この割合構成はあまり変わらず、平日の就業日数に関しては、希望と実際が合致した結果になった。

図4-4 1日の勤務時間数 ~希望と実際~

■1日の就業時間数

●平日の希望は、5最多が「5時間」の31.7%。以下、「4時間」の25.9%、「8時間」の14.1%と続く。対して実際は「4時間」が25.2%で最多回答に。また、「8時間」が22.2%と大きくポイントを上げた。

●土日の場合、希望では「5時間」が36.9%と第1位、次いで「8時間」の23.7%と続く。実際も順位は変わらないが、「4時間」が倍の19.4%に伸び、平日同様、全体としては実際の方が勤務時間が減少している結果に!

5 希望の職種=「商品間餌・仕分け」

堅実かつ安定的な職種の「商品検査・仕分け」も確かにズレてる、希望と実際の就業日数&就業時間

派手さはないが、スキルを身に付けられる点で人気が高い「商品検査・仕分け」。ギャップについても、目立って大きなものはないが、就業日数は「週3日」と「週5日」、平日の就業時間も「5時間」と「8時間」…。細かく見ていくと、確かにズレが見えてくる。

■属性の構成比/現在の職種

●属性で最多となったのは、「フリーター男性」で29.4%。以下、「大学・大学院生」の21.4%、「主婦」の20.6%と続く。全体としては、個別の属性に偏りはない。
●現在の職種では、その43%が同じ「商品検査・仕分け」で占めた。

図5-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望では「週3日」が最多で30.1%。以下「週4日」28.5%、「週5日」24.8%と続く。一方、実際は「週5日」が最多で37.8%。「週3日」は12.7%と数値がダウンし、実際がより就業日数は多めの傾向に。

図5-4 1日の勤務時間数 ~希望と実際~

■1日の就業時間数

●平日は「5時間」の希望が21.3%と最多、次いで「8時間」の20.5%、「6時間」の16.4%と続く。対して実際は、最多が「8時間」で34.4%、次に多かったのが「7時間」の21.4%と、希望より実際の方に長時間傾向が見られる。

●土日では、希望は「8時間」が最多回答で29.8%。次に「7時間」の18.1%。実際も「8時間」が最多ながら、ポイントは20.9%に下がり、希望では目立たなかった「4時間」が16.6%と大きく伸ばしている。

6 その他

テレフォンアポインター

半数近くが「週3日」希望も、実際は「週4日」以上の割合がグーンとアップ!

図6-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

希望勤務日数は「週3日」が45.5%と最多。次いで「週4日」の32.2%。しかし、実際は「週3日」が26.5%に大幅ダウン。さらに「週4日」が39.4%、「週5日」が21.3%と、ともに希望をアップした。

ホテル・レジャー・スポーツ施設スタッフ

図7-2 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

希望勤務日数の最多回答は「週3日」で38.5%だが、実際では18.3%に大きくポイントダウン。また「週5日」も希望の26.9%から19.5%と下げ、逆に「週1日」「週2日」で希望を実際が大きく上回った。

美容関連

完全に消された「週2日」希望の16.7%!

図8-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望勤務日数は「週5日」が31.7%で最多ながら、「週4日」「週3日」もそれに近い数値に。対して実際は、希望では16.7%あった「週2日」が0%に。また「週5日」は40%を超え、全体に多めの勤務日数に。

医療・福祉関連

「週1日」から「週6日以上」まで揃い、偏りからまんべんなくへ

図9-3 就業日数 ~希望と実際~

■就業日数

●希望勤務数を見ると「週3日」と「週4日」でほぼ全体の3分の2を占めるが、実際では「週1日」が12.1%と一気に増え、「週5日」「週6日以上」も増加。結果、偏りが薄れ、どの日数も一定のポイントを確保している。

今月のまとめ

  • ・平日の就業日数で大きなギャップが見られたのは「事務職」と「WEB関連専門職」。ともに希望は、より少ない日数に集中している。また、土日就業では「レストラン・カフェ」と「スーパー販売員」に大きなギャップがあり、これも希望はより「土日休み」に集中した。これらの希望を踏まえての募集は、もちろん効率的だが、実際は希望より多い勤務日数であることを考えれば、仕事内容や職場環境、給与など、他方面でアピールすることでも、十分採用につなげることはできるだろう。
  • ・平日の希望勤務時間で「8時間」が最多回答となったのは「WEB関連専門職」、また希望就業日数で「週5日」が最多回答となったのは「商品検査・仕分け」と「美容関連」。よりスキルを求められる職種については、求職者側に多めの就業日数、勤務時間を希望する傾向がある。また、こういった特定のスキルを身につけられる職種は、比較的遠距離通勤も苦にせず、採用エリアも広範囲に考えていい。
  • ・「レストラン・カフェ」「スーパー販売員」は、勤務時間数が4~5時間、通勤時間は片道30分以内が希望条件で実際もこれとほぼ合致している。採用側は、こういった短期間勤務、短時間通勤を好むイエチカ層を意識することで、効率的な採用につなげたい。

 

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