マニュアル・レシピなしでスタッフ教育 惣菜が全国で評判のスーパー「主婦の店 さいち」 (2/2)

  • お役立ちインタビュー

03 向上心を高める褒め方のコツ

ロス率が驚くほど低い惣菜。看板商品の「秋保おはぎ」は、この日も一部売り切れていた

ロス率が驚くほど低い惣菜。看板商品の「秋保おはぎ」は、この日も一部売り切れていた。

澄子氏は、すべてのスタッフと毎日マンツーマン指導の時間を設けている。たとえ惣菜の作り方をマスターしているスタッフでも、その日の気分やコンディションによって、味が変わることがあるそうだ。澄子氏はその違いを、できあがった惣菜の香りや色味で判別できるというから驚きだ。

作った本人の心のありようがそのまま料理の出来ばえに表れるため、常に前向きな気持ちでいることがよい仕事を生むとスタッフに言い聞かせている。また、おいしい惣菜作りのためには、スタッフの褒め方にもコツがあるという。

「スタッフのよいところを見つけて褒めるのは不可欠ですが、その際“褒め過ぎないこと”がポイントです。100%手放しで褒めると、人はそこで満足して成長をやめてしまう。そこで、点数でいうと80点の褒め方をして『次からはこうしてみてね』と課題を与えることで、残りの20点分また腕を上げて向上することができるのです」(澄子氏)

また「時間をかけてマスターした惣菜の作り方は、自分だけのものにしておきたい」と、他のスタッフにノウハウを教えることを嫌がるスタッフもいるという。そのような場合は、別の惣菜の作り方を教え、新たな仕事を与えることでモチベーションを上げていく。こうした澄子氏の鋭い観察眼と細やかな指導が、パートスタッフたちが活力とやる気をもって働く環境づくりの基盤となっているようだ。

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04 同業他社への研修は「学びの場」に

現在は休止しているものの、同社は、大手スーパーなど同業他社からの視察や研修を無料で受け入れていることでも知られている。その際は澄子氏が対応し、研修生に惣菜の作り方をレクチャーする。同社のパートスタッフも一緒に関わるため、改めて業務について学ぶ機会が得られるという。

「研修生にいろいろ質問されることで、パートスタッフだけではなく、私たち経営陣も勉強させていただいていると考えています。まずは自分たちが学ぶ姿勢を忘れないことが、スタッフたちの成長をも促していくのではないでしょうか」(啓二氏)

合理化や効率化が求められやすいスーパーマーケット業界で、パートスタッフと一対一で関わり、根気よく指導を行うさいちの独自の教育スタイル。パートスタッフの定着率の高さが「自身の幸せのために働く」心のあり方を真摯に伝え続ける、啓二氏と澄子氏への共感を物語っている。

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