「スタッフのモチベーションUP」やる気の源泉はお客様の声にこそあり。 – ららぽーとマネジメント株式会社「ららスター制度」

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掲載企業DATA:ららぽーとマネジメント

ららぽーとマネジメント株式会社

本社所在地 千葉県船橋市浜町2-1-1
代表取締役社長 安藤正
設立年月日 昭和45年1月13日
資本金 4億5000万円
事業内容 全国に展開する「ららぽーと」や「三井アウトレットパーク」に代表される商業施設の運営・管理。

 
※ららスター制度とは?:
ららぽーとマネジメントが運営する施設で働くスタッフを対象に、接客・サービスの模範となるスタッフを表彰する制度。詳細はコチラ: http://www.lalaport.co.jp/cs_es.html

01 スタッフのやる気向上の効果的な一手とは?

スタッフに生き生きと、やりがいを持って仕事をしてもらう。言葉にすれば簡単だが、やる気を喚起し、いつも新鮮な気持ちで働いてもらうのは難しい。高まる離職率を食い止めるためにあの手この手を尽くしているが、なかなかうまくいかないという経営者の悩みが各方面から聞こえてくる。

では、スタッフにとってのエネルギー源、モチベーションアップに一番効果的な要素とは何だろう。ららぽーとマネジメントでは、それを“お客様からの声”に求めた。今回は同社が運営する施設で働くスタッフを対象に始めた「ららスター制度」に注目してみよう。

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02 お客様の喜びの声をスタッフに届ける

「受章者を決めるのはお客様です」と語る浅野さん

ららぽーとマネジメントが運営するのは、国内50以上の商業施設。100を超える店舗が集まる施設も多く、隅々までスタッフ教育を行き届かせるのが容易でないことは想像に難くない。同社運営企画部CS・ES推進課の浅野博美さんは次のように語る。「新規スタッフ研修などのさまざまな研修はもちろん以前から行っていましたが、運営する施設数が多いので、細かい教育は各施設にお任せしております。そこで全施設にて統一した研修や施策を導入すべく検討し、ここ数年でいくつかの施策に取り組んでいます。そのひとつが『ららスター制度』です。」

「ららスター制度」とは、すべてのスタッフの模範となるようなスタッフを、ららぽーとマネジメントの輝く星=ららスターと称して表彰する制度。社内表彰制度は多くの企業でも行われているが、「ららスター制度」は受章者の選定方法がユニークだ。「『ららスター制度』で評価されるのは、接客、サービスの面で優れたスタッフです。売上成績などと違って、数字に表れない部分を評価することでサービスの質を向上できればと考えています。」誰の目にも明らかな売上成績ではなく、数値化できないサービス面を評価するとなると基準が難しそうだが、受章者は誰が決めるのだろうか?

「それはお客様です。施設に設置された『お客様の声BOX』や、電話、メールなどで寄せられるお客様からのお褒めの声が選定の基準となります。お客様からのご意見は年間で数百万件を数えますが、お褒めの声となると、そのうち数%に過ぎません。しかも、どの施設のどのスタッフか特定できるご意見でなければ選定の対象となりませんので、表彰されるのは本当に大変なことです。さらに、お客様からのお褒めの声だけではなく、施設からの推薦も必要です。普段の勤務姿勢も判断材料となります。」

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03 お客様からの声を全スタッフ業員で共有

ではここで、実際にお客様から寄せられた声をいくつか見てみよう。例えば三井アウトレットパークのインフォメーションスタッフには66歳の男性から手紙が届いた。「(奥様が)店内に置き忘れた眼鏡を一生懸命に探してくれ、出発間際のバスに届けてくれたのに感激した。」

ららぽーと横浜のとある飲食店のスタッフに届いたのは涙ながらの感謝の言葉。「映画を観た帰りにレストランに入り、子供のアレルギー体質を相談すると、メニューにない料理を作ってくれた。子供にとっては生まれて初めての外食で、主人と涙を流しながら料理をいただきました。」

受章したスタッフは店舗スタッフだけではない。「大切にしていた指輪を探し出していただき、ありがとうございました。」と、警備スタッフにも感謝の手紙が寄せられてららスターに認定された。

ららスターに認定されたスタッフに贈呈されるのは星型のピンバッチと名前入りの星型トロフィーだ。胸にバッチをつけた受章者は皆誇らしげだ。『お客様を感動させるサービスが提供できた』という満足感と自信に満ちあふれている。それはそうだろう。自分の精一杯のサービスがお客様に感謝されるだけでなく、会社からも評価される。自分の接客、サービスがちゃんとお客様の心に届いているという実感は、働く上でのこれ以上ないモチベーションになるだろう。

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04 顧客満足のカギはスタッフの満足

「生き生きと働く」には連鎖が起こるんです。さらに、スタッフのモチベーションアップがもたらす施設への相乗効果こそが浅野さんも目指したものだ。

「スタッフの満足度向上なくして顧客満足の向上はあり得ません。スタッフが生き生きと働く施設では、必ず連鎖が生まれます。スタッフの充実した様子は店舗の雰囲気も明るくしますし、サービスの質も向上します。ただ、そのサービスの質というのが難しいんです。

私たちが運営する施設は規模が大きく、いらっしゃるお客様も老若男女と幅広いですので、求めているサービスはお客様ひとりひとり異なります。そのご要望に臨機応変に対応するには、画一的なスタッフ教育だけでは難しいのです。マニュアルによる土台はもちろん必要ですが、そこに何を積み上げられるかが大切です。ららスターたちの経験を全スタッフで共有し、現場で活かしていきたいですね。」

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05 原点に基づいてこそのモチベーション向上施策

モチベーション向上のための施策はさまざまだが、重要なポイントは事業にとって一番大切なものとの整合性だ。この「ららスター制度」は、まず「接客の基本はお客様との触れ合い」という原点に立ち、その上で、「お客様の満足度を上げるためにスタッフのモチベーションをどうやって上げるか」を突き詰めた結果生まれた。

「お客様一人一人に合ったサービス」という答えに行き着き、お客様の一人一人の声をスタッフに届ける「ららスター制度」。お客様からの感謝の気持ちがきちんとフィードバックされることで、スタッフは「誰かが自分のがんばりを見てくれている」と思える。そしてそれが「お客様にもっと喜んでいただこう」というモチベーションにつながる。こういったサイクルは原点に立ち返らなければ決して生み出せないだろう。受章者たちの充実感に満ちた喜びの顔を見れば、その効果の高さがうかがい知れる。

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